平成25年6月 定例会
[2013年7月23日]
ID:4126
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平成25年6月市議会定例会開会あいさつ【平成25年6月6日】
開会に当たりまして、ご挨拶を申し上げます。
本日、平成25年6月東近江市議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様にはご出席をいただきまして誠にありがとうございます。
今年は、平年に比べ10日も早く梅雨に入り、鈴鹿の山々の緑をはじめ、市内各所の鎮守の森、また里山の緑も、より色濃くなってまいりました。
議員の皆様には、日々、東近江市民の福祉増進のため、ご活躍をいただいておりますことに、敬意を表しますとともに厚くお礼を申し上げます。
本日、平成25年6月東近江市議会定例会を開催し、提出いたしました諸議案のご審議を願うに当たりまして、これからの市政に臨む所信の一端を申し述べ、市民の皆様、議員の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
さて、昨年誕生いたしました第2次安倍内閣は、長引く不況を克服するため、「日本経済再生に向けた緊急経済対策」を策定し、スピーディーに予算措置を実現するとした平成24年度大型補正予算と、それに続く平成25年度予算を組み合わせて、いわゆる「15ケ月予算」の考え方で、切れ目ない経済対策を実行されております。この緊急経済対策は、「アベノミクス」とも言われておりますが、日本経済再生に向けて、大胆な金融対策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の「3本の矢」で、長引く円高 ・デフレ不況から脱却し、雇用や所得の拡大を目指すこととされております。既に、円相場は円高是正に向かい、株式市場は大きく上昇してまいりましたが、実体経済を反映しておらないとも言われていることから、成長戦略によって、日本経済が大胆に再生する方向に向かい、国民一人ひとりが経済効果を実感できることを期待するところでございます。このような状況の中、私たち地方自治体は、子どもから高齢者まで誰もが安心して安全で、笑顔で暮らせる社会の実現と、みんなが夢を語ることのできるまちづくりのため、強いリーダーシップが必要であると考えております。この東近江市には、豊かな自然や伝統文化がございます。そして、何よりも地震などの災害リスクが低いと言われている恵まれた地域でもございます。
そこで、私はこれら本市の特性を活かし、強く、そして豊かな東近江市を目指して、次の3つの理念をもって、市政運営に臨んでまいりたいと考えております1つ目は、「合併してできたまちのスケールメリットを活かし均衡ある発展をめざす。」と、いうことでございます。「均衡ある発展」とは、ただ単に横並びの施策や事業を展開することでなく、各地域の特性に合った事業を行うということでございます。そして、各種施策において、今まで光が当っていなかったところにも光をそそぐ、そのことで魅力ある地域をつくり、ひいては東近江市全体に活気が生まれてくると考えるものでございます。2つ目は、「市民の声を市政に活かす市政運営に努める。」と、いうことでございます。まちづくりを進める上で、「市民の声」を反映させることは当然のことでございますが、待ちの姿勢では、有益な情報は得られません。自らが声なき声に耳を傾け、求めていく姿勢が重要であると考えるものでございます。3つ目は、「豊かな歴史・文化・伝統を誇るまちの姿を子や孫に伝え若い人が夢を持てる地域にする。」と、いうことでございます。日常生活においては、豊かな自然と共生する中で、各地域で特色ある祭りや伝統文化が保全継承されてまいりました。歴史や文化、伝統の発展は、心豊かな地域社会の活性化につながり、地域社会の維持に貢献し、次世代に繋げていくことが重要と考えるものでございます。
この3つの理念の実現を目指し、次の5つの基本政策を全力で取り組んでまいります。
1つ目は、「均衡ある発展をめざした地域の活性化と基盤整備の充実」
2つ目は、「地域医療の充実」
3つ目は、「農林水産業の保護・育成」
4つ目は、「教育・子育て支援の充実」
5つ目は、「安心・安全なまちづくり」 でございます。
本日、ご提案させていただきます6月補正予算は、これらの基本政策に基づき、短期的に対応できる課題についてはスピード感を持って、また、長期的な視点が必要な課題については最初の一歩を踏み出すことを念頭に予算編成をしたものでございます。
それでは、6月補正予算と、前倒ししております平成24年度3月補正、平成25年度当初予算と合わせまして、平成25年度に実施いたします主な取り組みについて、5つの基本政策ごとに、その概要をご説明申し上げます。
1つ目は「均衡ある発展をめざした地域の活性化と基盤整備の充実」でございます。
まず、平成24年6月議会において採択された、東海道新幹線(仮称)五個荘駅新設に関する請願に対応するため、新駅設置の検討調査を実施いたします。今回の検討調査につきましては、新駅設置の必要性などの協議を進める場合においての基礎データや資料の収集を行うものでございます。
次に、東日本大震災により被災した農地等の再生に期待されております「菜の花栽培」や「BDFの活用」から交流が既に始まっております、福島県南相馬市、須賀川市、宮城県山元町の皆様を、「全国菜の花学会・楽会in東近江」や「コトナリエ」に招待し、「友好の絆」を、さらに深め、震災の復興支援に取り組んでまいろうとするものでございます。
次に、市内経済団体よりご要望をいただいておりました「新規開業支援資金利子補給制度」を、県下で初めて創設いたします。また、「小規模事業者経営改善資金融資利子補給制度」これも創設し、商工事業者の支援をいたします。さらに、中心市街地の空き店舗対策、空き家活用、物産商品の開発など、中心市街地の活性化に向けて取り組んでまいります。次に、買い物弱者支援として、日常の買い物に不便を感じておられる方に対して、買い物の機会を提供するため、移動販売車両等の購入に対して補助いたします。併せて、移動販売を通じて、地域の見守りを実施してまいりたいと考えております。続きまして、奥永源寺地域の活性化の核として取り組んでおります「道の駅」については、平成27年春のオープンを目指し実施設計を開始いたします。また、都市住民など市外から地域社会の新たな担い手として人材を受け入れ、地域力の維持・強化を図る目的で、地域おこし協力隊の導入に向けた検討準備を行います。 さらに、空き家について実態調査をし、その活用方法等の検討を行います。
次に、道路基盤の整備については、通学路でもある近江鉄道浜野踏切を安全かつ円滑に通行できるようにするため、拡幅工事を実施いたします。また、日常生活における移動性の向上、安全で快適な通行の確保等を図るため、都市計画道路中学校線・小今建部上中線の街路整備と、能登川駅東口周辺の道路整備に係る基本計画を策定いたします。
また、地域経済の活性化、大規模災害時の緊急輸送路確保などに対応する蒲生スマートインターチェンジが、平成25年度に供用開始されることから、関係機関との調整や周辺整備を進めてまいります。
続きまして、橋梁の長寿命化に向けた取り組みについてでございます。橋梁の修繕については、これまで、事後保守的な対応となっておりましたことから、これを計画的かつ予防的な対応に転換するため橋梁の点検業務を実施し、長寿命化修繕計画を策定いたします。さらに、市民生活の根幹をなす市道の安全性を確保し、円滑な交通を確保するため、道路、トンネル、橋梁等、社会インフラの総点検を実施いたします。
次に、文化、コミュニティ、スポーツ施設については、各施設の安全確保や適切な維持管理を図るため、該当施設の改修や、設備の修繕等を実施し、機能強化を図ってまいります。また、文化財を保護し未来に伝え、地域の個性を明らかにして、文化性の高いまちづくりを進めるため、旧能登川町伊庭地区において、国の重要文化的景観の選定に向けた保存調査及び計画策定を実施し、平成28年度の選定を目指す取り組みを進めます。
次に、永源寺コミュニティセンター改修についてでございます。永源寺地域産業振興会館を改修して、永源寺コミュニティセンター機能を移転し、永源寺地区におけるまちづくりの拠点整備を進めてまいります。続きまして、新エネルギーの普及拡大に向けて、市民、企業、自治体、団体など多様な主体が参加し、持続的発展が可能な低炭素社会づくりを推進するため、太陽光発電普及拡大を支援いたします。
次に、地域の活性化や雇用創出を図るため、企業誘致については、自らがしっかりとトップセールスを行ってまいります。また、東近江市が抱えております重点課題の解決や、事業推進のため、国や県に対し予算要望活動を積極的に行ってまいります。
2つ目は、「地域医療の充実」でございます。
平成22年6月に策定しました「東近江市病院等整備計画」及び平成23年11月に策定しました「東近江市立病院体制整備実施計画」に基づき、市民がいつまでもいきいきと、また、安心して暮らせるまちづくりを推進するため、市立能登川病院の改修と、市立蒲生医療センターの整備を実施いたします。また、市立能登川病院については、引き続き医師確保に努め地域医療の充実を図ってまいります。
3つ目は、「農林水産業の保護・育成」でございます。
まず、農業の未来を見据えた担い手を育成するため、「若い力未来事業」と銘打って、6次産業化の推進や、地域に昔から伝わる伝統食の調査、田舎の食の商品化、地域資源の開拓、新規就農相談などの取り組みを実施いたします。
次に、農林業被害の軽減と耕作意欲の喚起を図るため、獣害防止フェンスの設置や、有害鳥獣捕獲、住民による追い払い活動の推進等、鳥獣対策を重点的に実施いたします。また、県営土地改良事業の基盤整備の実施による、大型ほ場での近代化農業の推進、中山間地域総合整備事業の農業基盤整備による農地保全及び、生活環境整備による集落環境の向上を図ってまいります。
4つ目は、「教育・子育て支援の充実」でございます。
まず、安心・安全で快適な学習環境の整備のため、五個荘中学校の改築や小中学校の大規模改修等に取り組みます。さらに、市内全小中学校に3年計画で、電子黒板や電子教科書を導入し、学校のICT化と、教育環境の向上を図ります。
次に、いじめの早期発見、早期対応、情報収集のため、いじめ対応等サポーターを2名配置し、いじめ問題に適切に対応いたします。続きまして、幼保一体化施設整備についてでございます。子どもにとっての保育環境の向上、望ましい集団規模の確保、異年齢の交流による豊かな育ちの保障など、より総合的な保育を可能にするため、湖東幼保一体化施設、八日市野・つつじ幼保一体化施設の整備を実施いたします。さらに、放課後の留守家族の児童に対し、安心・安全でより充実した学童保育環境の向上が図れるよう、学童保育所の整備を実施いたします。また、妊娠出産に関する安全性の確保、不妊対策への支援、また小児保健医療の環境整備のため、妊婦健診の充実を図ります。
5つ目は、「安心・安全なまちづくり」でございます。
まず、地域防災力強化のため、「防災のつどい」や「防災シニアーリーダー養成講座」を実施するとともに、住民の横つなぎの強化と防災意識高揚のため「かまどベンチ設置」に対する補助の新設をいたします。自主防災組織の活性化や情報共有については、自主防災組織連絡協議会を設置し、地域の繋がりの強化や、災害に対する意識の向上を図ります。また、犯罪の未然防止のため、防犯灯の整備とLED化の助成についての上限数を拡大いたします。
次に、誰もが利用しやすい公共交通施設を目指し、近江鉄道五箇荘駅ホームにスロープを設けるバリアフリー化を支援いたします。 続きまして、大地震・風水害等の災害発生時において、市民の安心・安全な暮らしを守り、危機管理の拠点となる防災機能を有する本庁舎を増築し、情報収集や災害対策活動を迅速かつ円滑に実施いたします。また、大雨及び河川の氾濫等に備えた水防体制の強化が求められていることから、野村町地先に、新たに水防倉庫を設置し、水防対策の充実を図ります。
次に、蒲生支所周辺の大雨等による河川の氾濫の危険性が高い場所について、雨水排水対策を実施いたします。また、防災目的での地域公共ネットワークの強靭化に向けた取り組みとして、情報通信環境のループ化を行います。
最後に、5つの基本政策以外での主な取り組みについて、ご説明申し上げます。
まず、市政のさまざまな課題について、専門的な立場から必要に応じて助言等をいただくため、市政アドバイザーを設置いたします。
次に、東近江市は平成27年2月11日、そして平成28年1月1日に、合併10周年の節目を迎えることから、記念事業の検討を行います。
続きまして、去る5月28日「MIOびわこ滋賀」のホームタウン受け入れについて、承諾文書をお渡しいたしました。J3ライセンスを取得され、Jリーグとしての活動が始まれば、本市への経済波及も考えられ、サッカーを通して市の活性化、さらには発展へと繋がるものと期待しております。今後も、「MIOびわこ滋賀」の活動をサポートしてまいりたいと考えております。
以上、平成25年度政策予算の主な取り組みについて申し述べてまいりましたが、私は、この「3つの理念」、そしてそれを基にした「5つの基本政策」により、強く豊かな東近江市を目指して、市政運営に取り組んでまいりたいと考えております。
また、これらの実現のためには、職員の「やる気」が最も重要でございます。職員一人ひとりが、行政のプロとしての意識を強く持ち、創意工夫しながら事業を推進する必要があると考えております。 今後も職員とともに、市民の声に耳を傾けながら、市民サービスの向上に努めてまいりますので、市民の皆様並びに議員の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げる次第でございます。
さて、本日、ご提案申し上げます案件は、予算案件3件、条例案件6件、その他議決案件8件、人事案件2件の合計19件でございます。どうか慎重にご審議をいただきまして、適切なるご決定をいただきますようお願いを申し上げまして、開会に当たりましての、ご挨拶とさせていただきます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。