平成30年9月市議会定例会市長開会挨拶【平成30年8月31日】
平成30年9月市議会定例会開会に当たりまして、ごあいさつを申し上げます。
本日、平成30年9月東近江市議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様には、御多用の中御出席を賜り、誠にありがとうございます。
皆様には、日々東近江市の発展と市民の福祉増進のため、御活躍をいただいておりますことに厚くお礼を申し上げます。
さて、今年の夏は、6月下旬から異常とも言える暑さが続いております。7月23日には、気象庁が臨時の会見を開き、この記録的な猛暑を「一つの災害と認識している」という異例のコメントを発表しました。
本市では、6月下旬から30℃を超える真夏日が60日間と、ほぼ毎日のように続いております。東近江消防本部管内では、8月30日現在で熱中症の疑いによる救急搬送件数が280件にのぼり、そのうち東近江市内は116件の搬送があったとの報告を受けておりまして、昨年比で約1.7倍と、本市も記録的な猛暑の影響が顕著に表れております。
本市では、この暑さによる健康被害が増加しておりますことから、熱中症予防の対応として、7月26日から9月末まで市役所をはじめとする36箇所の公共施設を一時休憩所として開放するとともに、市ホームページや東近江スマイルネットを通じて市民の皆様に注意喚起を行いました。
明日から9月に入りますが、まだしばらくは暑い日が続くことが予測されますので、外出の際には熱中症の予防など健康管理には十分注意をしていただきたいと思います。
こうした異常とも言える気象が続く中で、6月末から8月にかけて、各地で大きな災害が相次ぎました。
6月29日には近畿最強クラスの竜巻と推定される突風が発生し、米原市で140棟の家屋が被害を受けたほか電柱や木が倒れるなど大きな災害に見舞われました。
米原市からは滋賀県を通じて本市に職員の派遣要請があり、7月4日及び7月9日から12日までの5日間 家屋被害認定調査業務及び調査の指導として6名の職員を派遣いたしました。
また、平成30年7月豪雨は、西日本の1府10県に大雨特別警報が発表され、河川の氾濫や家屋への浸水、土石流などの甚大な被害が発生しました。内閣府の集計によりますと221人もの尊い命が失われ380人を超える方が負傷。そして、今もなお多くの皆さんが避難所生活を余儀なくされておられます。
この豪雨によってお亡くなりになりました皆さんの御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に御見舞いを申し上げ一日も早い復興をお祈りする次第でございます。
この災害に関しては、関西広域連合を通じて滋賀県から本市に派遣要請があり、広島県庁に7日間3名の職員を派遣し被害認定調査相談業務に当たったほか、厚生労働省からの要請により、岡山県倉敷市の避難所に保健師を派遣し、6日間にわたり避難所での健康相談など避難者のケアを行ったところであります。
今回の豪雨では、幸い本市に大きい被害はありませんでしたが、その後に到来した台風12号及び20号により、農業用施設への被害や林道の法面崩壊、倒木、公共施設の屋根などの損壊が発生しており、改めて自然の脅威を思い知らされたところでございます。現時点で台風21号も非常に懸念されるところであります。
米原市や広島県、岡山県倉敷市への災害支援活動や本市における台風への対応などを踏まえまして、緊急情報を素早く正確に伝達するとともに、日頃の備えの大切さを痛感いたしました。
特に、米原市や7月豪雨における職員の災害派遣を通じまして、混乱する災害現場で的確な判断と指示ができる職員の育成がたいへん重要であるとの教訓を得ることができました。他の自治体で発生した災害を他山の石として捉え、災害派遣に協力する中でノウハウも蓄積し、今後の防災、減災に備えてまいりたいと考えております。
7月2日には、一般社団法人 東近江市観光協会の事務所を五個荘の「ぷらざ三方よし」から「東近江市役所東庁舎」へ移転していただきました。
今回の移転により、観光協会と行政のさらなる連携強化を図り、迅速な意思決定と機能性のある観光施策の展開が発揮できるものと期待しているところでございます。本市が持つ多様性のある素晴らしい歴史や文化、自然資源を有効に活用し、一層の観光施策の推進に取り組んでまいりたいと思います。
そのほか、6月市議会以降の主な事業について振り返ってみたいと思います。
昨年7月に逝去された文化功労者で東近江市名誉市民であります故・中路融人画伯の御遺族から総数230点にのぼる絵画資料と多額の浄財を御寄附いただきました。
また、公益財団法人 藤井協成会様からは、小下図額40点、本画額5点を寄附していただき7月14日に、中路融人記念館で寄附贈呈式を執り行わさせていただきました。
中路画伯は、生涯、滋賀の美しい自然風景をこよなく愛し、数々の作品を残しておられ、素晴らしい湖国の風景画をこの記念館で間近に常時鑑賞できることは、たいへん貴重なことであります。このほどいただきました作品も含め、滋賀県の自然がこれほど美しく尊いものであることを、私たちに伝えていただきました故人の遺志をしっかりと引き継いでまいりたいと思います。
7月23日には、県知事・副知事に対し、平成31年度の滋賀県予算編成に対する要望として政策提案を行いました。
特に、最重点課題として近江鉄道の存続に向けた取組及び人口減少下における適正な農振制度の運用について要望を行いました。
本市にとりましては、近江鉄道八日市駅を核にした中心市街地の活性化に取り組みを進めている最中であり、市内に13の近江鉄道駅を持つ本市にとっては、市民の日常生活に必要不可欠なインフラとしての公共交通でかつ、本市をはじめ、県内5市5町にまたがる広域的な幹線交通でありますことから、県が強力にリーダーシップを発揮して鉄道会社として存続する努力をされるよう強く要望してまいりました。
また、農業振興地域整備計画の運用いわゆる農振制度の運用については、企業誘致や優良な住宅地の確保、地域住民が真に必要としている施設などを計画する段階で常に課題となっておりますことから、制度の運用等の改善を含めた6項目について重点的に説明をさせていただき、県の御理解と積極的な事業推進についてお願いをいたしたところでございます。
本市におきましては、今後地方創生を実現するため、あらゆる機会を捉え、県や国に要望を行うとともに、広大な市域に広がる多様性に富んだ地域資源を最大限に活用できるよう取組を進めてまいりたいと考えております。
7月24日には、高島屋京都店との間で地域活性化包括連携に関する協定の調印を行いました。
高島屋とは、ふるさと寄附について連携を進めているところですが、今後は本市の観光情報の発信や物産フェアの開催などで連携を深めながら、百貨店のブランド力を生かし、本市の知名度アップと観光、物産の振興を図ってまいりたいと考えております。
さらに、災害時における必要な物資の供給に関する項目も協定に含めることができ、災害時の必要な物資の確保など本市の防災対策に大きく寄与していただけるものと考えております。
8月23日には、平成31年度の予算編成方針の示達を行いました。来年度は、第2次東近江市総合計画前期基本計画の3年目であり、かつ、5年を期間として進めておりますまち・ひと・しごと創生総合戦略の最終年を迎えますことから、各施策の方向性と進捗状況を的確に把握し、効果検証による事業見直しを進めつつ、強力に事業を推進していく必要があると考えております。これまでの取組により、観光客が増加するなど一定の成果は見られますものの、出生率の低下や若年層の転出超過など、人口減少問題は増々重要な課題となっておりますことから、施策のさらなる重点化が必要であると考えております。
職員とともにこれまで培ってきた経験やノウハウをフルに活用し、市民の皆様、議員の皆様の御理解と御協力を得て、総合計画の実現と地方創生を強力に推進し、喫緊の課題であります人口減少社会への対応に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
さて、本日、御提案申し上げます議案は、決算10件、予算4件、条例4件、その他案件1件、人事案件1件の合計20件でございます。
どうか慎重に御審議をいただき、適切な御決定を賜りますようお願い申し上げまして、開会に当たりましての挨拶とさせていただきます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。