平成31年3月市議会定例会市長開会挨拶【平成31年2月25日】
本日、平成31年3月 東近江市議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様には御多用の中、御出席をいただき、誠にありがとうございます。
暦の上では、2月19日が二十四節気の一つである雨水とされ、雪が雨に変わり草木が芽吹きはじめる時季と言われております。平成最後となる年を迎え、今年の冬は暖冬とは言え、春がたいへん待ち遠しい今日このごろであります。
その春を先取りするように、五個荘近江商人屋敷では、2月1日から「商家に伝わるひな人形めぐり」を開催しております。商家に大切に受け継がれてきました江戸時代のひな人形や現代の創作ひな人形など、約110組のひな人形を展示しております。
2月2日には、子どもが主役となり、「こども雛絵巻まつり」を開催し、市内の小学生たち20人がきらびやかな衣装で着飾り、来訪者をにこやかに迎えていただき大いにイベントを盛り上げてくれました。
2月13日には、「ももクロ春の一大事」の開催地の御縁で、埼玉県富士見市と今年の開催地であります富山県黒部市の3市で「笑顔のチカラつなげるオモイ地域連携協定」を締結いたしました。開催地というつながりを持つ自治体が互いの地域資源を生かし、知名度向上や誘客に向けた推進などに連携して取組んでまいりたいと考えております。
また、富士見市とは、災害時の応急対策及び復旧、復興に係る相互支援を図るため、災害時相互支援協定を締結しました。本市は、富士見市とは地理的に遠隔地であることから同時に被災する可能性が低いことから、食糧をはじめとする応急物資の供給など相互に支援の効果があるものと期待いたしているところでございます。
それでは、平成31年3月 東近江市議会定例会に提出させていただきました各議案を御審議いただくに当たりまして、市政に臨む所信の一端を申し述べたいと存じます。どうか市民の皆様、議員各位の御理解と御協力を賜りますよう、お願いを申し上げます。
わが国では、本格的な人口減少社会が到来している中、本市におきましても少子化や若い世代の転出超過への対応を重要な課題と位置付け、平成27年度に策定した東近江市まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づいて、地方創生への取組を進めてまいりました。
平成31年度は、総合戦略の最終年を迎えますことから総仕上げの年として、10年先、20年先を見据えた基盤固めとなる施策に対して予算の重点化を図るとともに、これまで進めてまいりました本市の豊かで多様性のある地域資源を最大限に生かした施策に引き続き全力で取り組んでまいりたいと考えております。
一般会計予算の総額は498億円とし、公立保育園等の施設型給付費の予算計上を見直しましたことにより、昨年に比べ3億円の減少となりましたものの、予算規模としましては平成28年度当初予算に次ぐ合併後過去2番目の規模となる予算といたしました。
特に、重点的に取り組んでいく施策につきまして、東近江市まち・ひと・しごと創生総合戦略の4つの柱に基づき基本的な考えを申し述べさせていただきます。
1つ目の柱であります「働き住み続けたい活力のある東近江市の創生」として、引き続き近江鉄道八日市駅周辺を核とした中心市街地の活性化に取り組みます。
中心市街地活性化基本計画に基づき、必要な都市機能の充実を図り、魅力ある市街地のにぎわいの創出に努めてまいります。併せて、工場等の立地促進を積極的に進め商工業の活力を増進させてまいりたいと考えております。
また、本市の基幹産業である農業振興策につきましては、昨年4月に設立しました地域商社「株式会社 東近江あぐりステーション」を中心として市内産野菜を地元スーパー等で販売し、農家所得の向上と市内産野菜の自給率向上の取組を推進いたします。このため、野菜の生産を拡大される農家に対する新たな補助制度を創設するとともに、機械導入経費などに対しても支援を行います。
特に、農家の生産性向上と流通・販売体制の両面からサポートを行うことで、さらなる攻めの農業施策を展開してまいりたいと考えております。
2つ目の柱の「行きたくなる住みたくなる魅力ある東近江市の創生」につきましては、鈴鹿の山々から琵琶湖に広がる豊かな自然環境、その中で培われてきた奥深い歴史や伝統、文化など、多くの魅力的な地域資源に本市は恵まれております。
これらの地域資源を効果的に活用し観光振興や定住移住につなげてまいりたいと考えております。
具体的には、地域資源を魅力的に伝えて来訪者の満足度を高められるよう、観光ガイドのスキルアップを図るとともに、従来の教育旅行を受け入れる民泊運営体制の強化と農家民泊の新たな仕組みづくりに取り組みます。
また、近江鉄道太郎坊宮前駅の駅前広場、駅ホームなどの整備を行い観光客誘致につなげるとともに、市民の皆様の利便性向上にも努めます。さらに、史跡雪野山古墳の発掘30周年を記念いたしまして、明治大学博物館におきまして雪野山古墳の出土品の公開展示を行い、本市への誘客につなげていきたいと考えております。
豊かな自然の保全と活用を図るため、今後100年を見据えた森のあるべき姿を考え森里川湖のつながりを生かした森づくりの計画策定や、3回目となります
「びわ湖 東近江 SEA TO SUMMIT 2019」の開催、鈴鹿10座活用プランに基づく登山道及び駐車場の整備、トイレの設置を進めてまいります。
定住移住の推進では、都市部からのUIJターンを推進するため、東京・大阪などでの相談会を開催するとともに、市内におけるお試し居住体験、移住推進ツアーなどこれまでの取組に加え、国が新たに制度化した移住就業支援補助制度の創設に取り組むとともに、定住移住施策といたしまして、子育て世代や新婚世帯の住宅取得に対する制度の見直しなどを行いました。
また、2024年の滋賀県国民スポーツ大会のボクシング会場に内定しております能登川スポーツセンター体育館の整備を進めてまいります。
3つ目の柱であります「若い世代が希望をかなえる夢のある東近江市の創生」では、若い世代の結婚や出産、子育てへの希望を実現させることがたいへん重要であると考えております。本市の若者を対象にしたまちづくりアンケートからも8割以上が結婚の意思を持ち、子どもが欲しいというデータ結果も出ております。
そのため、婚活支援事業補助金を創設し、民間事業者などによる出会いの場を提供するイベント開催の支援を行うほか、利用者の皆様から好評をいただいております見守りおむつ宅配便や子育てを支援する産後ママサポートチケット制度、中学3年生までの子ども医療費助成、病児保育室の運営などについて継続した取組を進めてまいります。
子育て支援施設の充実を図るため、乳幼児をもつ保護者の不安解消や子育て情報を提供するための「つどいの広場」や学童保育所の増設、保育と教育の一体的機能を有した認定こども園、2園を新たに整備するとともに民間保育所の施設整備に補助を行い、子育て環境の充実を図ってまいります。
また、外国籍の園児が多い幼児園に日本語指導教室を新たに開設し、安心した生活を送れるようサポートいたします。
次に、教育関係では2020年度から始まる小学校における外国語の教科化を見据え、ALT(外国語指導助手)をさらに1名増員し、児童が英語に親しむ環境を整えてまいりたいと考えております。
4つ目の柱である「誰もが安心して暮らせる豊かな東近江市の創生」では、地域を結ぶ道路の整備や公共交通の確保・利用促進対策など、都市基盤整備の強化を図り市民の利便性向上や災害に強いまちづくりにつなげてまいります。
道路整備のうち、街路整備として進めておりますいわゆる外環状線である小今建部上中線の聖徳工区や能登川地区の垣見隧道は、本市のたいへん重要な幹線道路であり10年、20年を見据えた将来への投資であると考えておりまして、早期の完成を目指して取り組んでまいります。
また、身近なバスの生活路線確保・利用促進対策として、コミュニティバスの運行や路線バス運行補助、商業施設での買い物客へのお帰りキップの配布を継続するほか、学生向けのちょこっとバスキャンペーンを実施いたします。
高齢化への対応としましては、地域に密着したサービスを提供するため高齢者福祉施設の整備に対して補助を行うなど施設の充実に努めるほか、身近な地域で安心して暮らせるよう地域支え合いコーディネーターの配置や生活支援サポーターの活動支援など、ソフト両面での体制づくりの強化も図ってまいります。
以上、平成31年度市政運営に当たり、所信の一端を申し述べてまいりましたが、今後とも市民の皆様、議員の皆様の御意見、御提案に謙虚に耳を傾けながら、東近江市まち・ひと・しごと創生総合戦略の総仕上げの年として、また、誰もが健康でいきいきと輝きながら、素晴らしい人生を過ごすことができるまちを目指して、職員とともに全力で取り組んでまいりたいと考えております。
本日、御提案を申し上げます議案は、予算案件13件、条例案件10件、その他案件4件、そして人事案件2件の合計29議案でございます。
どうか慎重な御審議をいただき、適切な御決定を賜りますようお願い申し上げまして、開会に当たりましての挨拶とさせていただきます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。