令和3年6月定例会
[2021年5月31日]
ID:13195
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令和3年6月市議会定例会開会に当たりまして、ごあいさつを申し上げます。
本日、令和3年6月東近江市議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様には御多用の中、御出席を賜り、誠にありがとうございます。
議員の皆様には、東近江市の発展と市民の福祉増進のため、日々、御活躍をいただいておりますことに厚くお礼を申し上げます。
さて、新型コロナウイルス感染症の状況でございますが、変異株の流行により全国で急激に感染が拡大し、重症化の事例が増える中、政府は去る4月25日から3回目となる緊急事態宣言を発出し、さらに6月20日までの延長を発表したところであります。
滋賀県は、緊急事態措置やまん延防止等重点措置を実施する区域には含まれておりませんが、5月30日時点の県内の感染者数は5,076人であり、本市におきましても感染者数が328人となっており、措置を実施する区域と同様に、決して楽観視できない状況にあると考えております。
このような中、本市では65歳以上の高齢者を対象として、5月10日に市内4会場でワクチンの集団接種を開始し、本日からは2回目の接種も始まったところでございます。
5月30日時点のワクチン接種の予約状況につきましては、65歳以上のワクチン接種の対象である31,615人のうち26,715人が予約をされており、予約率は約87%となっておりす。一方、接種状況につきましては、5月30日時点で6,773人の方が1回目の接種を済まされており、接種率は約21%となっております。
高齢者の皆さんへの接種は、7月末に完了すべく医師会をはじめ医療従事者の皆さんの御協力をいただきながら、市職員も総動員で接種がスムーズに実施できるよう万全の態勢で取り組んでおりますので、可能な限りより多くの方がワクチン接種を受けていただきますことをお願いするものであります。
このワクチン接種が進むことにより感染症が収束に向かうことを期待するものでありますが、まだまだ厳しい状況にありますので、引き続きマスクの着用、3密の回避、手洗いの励行の基本的な感染予防を徹底し、この異常な時期を皆で協力して乗り切っていきたいと考えております。
さて、5月16日には、気象庁が近畿地方の梅雨入りを発表しました。これは平年より21日、昨年より25日も早く、統計開始の昭和26年以降、最も早い梅雨入りとなりました。5月21日未明には梅雨前線による大雨により大雨警報が発令され、本市においても警戒態勢を配備したところであります。これからの時期は、ゲリラ豪雨や梅雨前線に伴う豪雨、また長雨、台風による土砂災害や水害の危険性が高まってくる季節でもありますことから、気象情報を注視するとともに、避難所等におけるコロナ対策にも配慮しつつ、防災対策に万全を期してまいりたいと考えております。
それではここで、3月定例会以降の主な事業について簡単に振り返ってみたいと思います。
3月29日には、空家対策に関する連携協定調印式を行いました。これは、市と県宅地建物取引業協会をはじめ空家対策に関連する7つの団体により協定を締結したものであります。現在、本市では、第2次空家対策計画に基づき、空家の利活用の促進や空家とならないための予防対策などに取り組んでいるところであり、関係団体とより一層連携を強化し、効果的な空家対策を進めてまいりたいと考えております。
4月3日には、東近江市総合運動公園、布引グリーンスタジアムの大型フルカラーLED電光掲示板の整備が完了し除幕式を行い、オープニングセレモニーとしてジャパンラグビートップチャレンジリーグの公式戦が開催されました。グリーンスタジアムは、これまでから陸上競技、サッカー、ラグビーなどの公式戦に利用され好評を得ている施設であり、今回の機能強化により、本市スポーツ振興の拠点として広くPRを行い、更なる活用を図ってまいりたいと考えております。
4月23日には、道の駅「奥永源寺渓流の里」を起点とした自動運転サービスの出発式が行われました。令和元年に長期の実証実験が行われておりますが、今回、全国で2番目となる社会実装として自動運転サービスが提供されることとなったもので、高齢化が進む中山間地域の大切な交通手段として活用されることを期待するとともに、鈴鹿10座を訪れる登山者の利便性向上にもつながるものと考えております。
5月10日には、八日市駅前市有地活用事業に係る事業協定調印式を行いました。これは、近江鉄道八日市駅に隣接する市有地を本市が整備を行う駅前広場整備事業と、官民連携で実施する拠点施設整備事業の枠組みを定める協定として市、八日市商工会議所及び東レ建設株式会社の3者により行ったものでございます。この事業は、本市の最重要施策であります中心市街地活性化に大きく寄与する事業の1つとして認識をいたしておりまして、大いに期待をしているところでございます。
5月27日には、歴史的資源を活用した地域活性化に関する連携協定の調印式を行いました。先人から受け継いだ歴史的資源である五個荘近江商人屋敷や奥永源寺の古民家等の地域資源を宿泊施設などに再生し、これらを活用した観光施策を強力に推進することにより、本市の産業、経済の活性化及び地域活力の創出を図ろうとするもので、全国で古民家再生等によるまちづくり事業を手掛ける株式会社NOTEと連携協定を締結したものでございます。今後、歴史的資源の更なる利活用を図るとともに、本市の魅力発信や知名度向上につなげてまいりたいと考えており、今回の協定締結は、市内に数多く存在する全国に誇るべき歴史、文化、伝統に磨きをかける大きな一歩になるものと期待しているところでございます。
5月27日、28日には、滋賀県を会場に東京2020オリンピック聖火リレーが行われました。本市では5月28日に感染症対策を万全に行った中で、市役所から八日市駅までの1.3キロメートルを7人のランナーにより聖火が引き継がれました。コロナ禍のため制限などがございましたが、東京2020オリンピックの開催に向け、大いに盛り上げていただいたところでございます。
さて、本定例会におきまして、18億9千万円の補正予算を提案させていただきます。令和3年度一般会計当初予算は、2月に市長選挙を控えておりましたため、経常経費や継続事業を中心とした骨格予算としておりましたので、今回、政策的経費等を盛り込んだ補正予算を編成いたしました。コロナ禍であっても、市政が停滞することなく重要施策を推し進めることができるよう、限られた財源を効果的かつ重点的に配分し、補正後の予算総額は493億9千万円で前年度とほぼ同規模の予算といたしました。
補正予算の編成に当たっては、市民の生活を守ることを最優先に考え、喫緊の課題でありますワクチン接種をはじめとする新型コロナウイルス感染症対策に万全を期すとともに、市民生活や地域経済に与える影響を最小限に抑制し、この国難ともいえる危機の克服を目指します。
加えて、これまで着実に進めてまいりました地方創生の歩みを更に進めるため、鈴鹿の山々から琵琶湖までの広大な市域のスケールメリットを最大限にいかし、市民が誇りを持ち安全で質の高い暮らしを享受できるよう、10年先、20年先を見据え、強く豊かな東近江市の創生に向けた未来志向の予算といたしました。
政策的経費を盛り込んだ補正予算として重点的に取り組む施策について、第2期東近江市まち・ひと・しごと創生総合戦略の4つの柱に沿って基本的な考え方を申し述べたいと思います。
1つ目の柱であります「働き住み続けたい活力ある東近江市の創生」につきましては、まちの中核となる中心市街地活性化では、近江鉄道八日市駅周辺の更なる活力と賑わいの創出に向け、八日市駅前広場の整備を進めるとともに、延命新地の修景整備や空き店舗を再生し新たに起業する事業者に対し引き続き支援を行うことといたします。
農業分野では、魅力ある儲かる農業の実現に向け、コメ中心の生産から収益性の高い野菜生産への転換・拡大を図ることへの支援を行うとともに、関係機関と連携して新規就農者への総合的なサポート体制の構築を図ります。また、ため池の防災・減災調査や農業水利施設の更新整備に係る計画策定も行います。
2つ目の柱であります「行きたい住みたい魅力ある東近江市の創生」につきましては、昨今アウトドア活動が注目される中、本市の豊かな自然を求めて奥永源寺地域を中心とした広い地域を訪れる観光客やキャンプ場利用者、登山者などの快適性を確保するため、観光トイレの整備を進めるとともに、琵琶湖に隣接する「能登川水車とカヌーランド」の有効活用に向けた調査検討を進めます。また、森里川湖により育まれた本市の奥深い歴史、文化を市内外に広く伝えるため博物館のあり方の検討を行うとともに、名神高速道路(仮称)黒丸スマートインターチェンジの開設を見据え、周辺地域の施設や土地の有効活用を図るための検討を行います。さらに、文化振興施設、図書館、スポーツ施設の整備も進めてまいります。
次に、3つ目の柱であります「若い世代が希望をかなえる夢のある東近江市の創生」につきましては、安心して子育てできる環境を整えるため、認定こども園の整備を行うとともに、民間保育所等の安定的な運営を促進するため、保育人材の確保に向けた新たな支援を行います。 また、子ども達が身近な自然に親しみ、地域への郷土愛を育むことを目指して、本市の多様性のある豊かな自然を活用した里山保育を実施いたします。
教育分野では、安心して楽しく学べる学校環境を整えるため、小中学校の体育館等の整備を進めるとともに、遠距離通学する児童生徒の通学用バスの更新を行います。また、今後の本市の教育の方向性を示す教育振興基本計画の見直しにも取り組みます。
最後に、4つ目の柱であります「誰もが安心して暮らせる豊かな東近江市の創生」につきましては、公共交通の分野では、将来にわたり公共交通機関の維持発展を図るため、近江鉄道の運賃割引特別乗車券の発行や地域鉄道再生のための寄附制度を新たに創設し、乗客増や支援の輪を広げてまいりたいと考えております。また、蒲生医療センターの機能向上に伴い、利用者の利便性向上を図るため、新駅設置の検討を始めます。さらに、コミュニティバス再編計画の策定や路線バスの運行支援など公共交通を確保する取組を強化してまいります。
都市基盤の整備としては、市道等の整備や長寿命化、通学路の安全対策を着実に進め、安心して暮らせる道路環境を整えるとともに、本市への人の流れを創出するため、JR能登川駅周辺の土地活用に関する検討や空家等の総合的な相談体制を構築してまいります。
健康福祉分野では、障害者の暮らしをサポートするため、住宅改造助成や障害者施設の整備を支援いたします。また、新たにがん患者へのウィッグや補整下着の購入助成、骨髄等移植ドナー登録者への助成を実施いたします。
新型コロナウイルス感染症対策につきましては、第8弾として、新型コロナウイルス感染症の拡大を防止し、ワクチンの接種体制を強化するための追加費用を計上するほか、コロナ禍で影響を受けている中小企業や小規模事業者等に対するきめ細やかな支援を商工団体を通じて実施いたします。また、学童保育所、病児保育室、子育て支援センターにおける感染症対策の強化を行うとともに、緊急的な対応に備えて予備費を増額いたします。
以上、政策的経費を盛り込んだ補正予算の概要について述べてまいりましたが、各施策の推進に当たりましては、これまで以上に関係部局が十分に連携し、より効果が発揮できるよう全力で取り組んでまいりたいと考えております。
本日御提案させていただきます議案は、専決案件3件、予算案件1件、条例案件6件、その他案件3件、人事案件1件の合計14議案でございます。どうか慎重に御審議をいただきまして、適切な御決定を賜りますようお願いを申し上げまして、開会に当っての挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。