【特集】 下水道 水も地球も リフレッシュ ■記号の説明・・・問=問い合わせ、IP=IP電話  昨年度の下水道工事が無事に完了し、今年度も多くの地域で新たに下水道が使用できるようになりました。  すでに下水道に接続している家庭も、そうでない家庭も、この機会に下水道について考えてみてはいかがでしょうか。 ◆水洗化率(※1)  公共下水道76.2% 農村下水道98.6% ※1 公共・農村下水道ともに平成22年3月末現在の東近江市の数値。なお、水洗化率とは、下水道が整備され、いつでも接続できる状態にある人のうち、どれだけの割合の人が実際に接続しているかを表したものです。 ●下水道に接続するとこんないいことがあるよ ・便所特有の嫌な臭いがなくなります。 ・ハエや蚊などの害虫が減ります。 ・水路などへの生活雑排水の排出がなくなり、地域の環境衛生が向上します。 ・汚水が高度な処理方法で浄化できます。 ・便槽のたまり具合や、くみ取りを気にする必要がなくなります。(くみ取り便所を使用している場合) ・浄化槽の維持管理(点検、検査、清掃、汚泥引き抜きなど)が不要になります。(浄化槽を使用している場合)  下水道は、快適で衛生的な生活空間を創造するだけでなく、水路や河川などの水質保全のためになくてはならない施設です。未接続の家庭は、一日も早い接続をお願いします。  写真:魚の住む川を守ろう ●下水道に接続しないといけないの?  公共下水道については、下水道法により、くみ取り便所は下水道が使えるようになってから3年以内に接続するよう定められています(下水道法第11条の3)。浄化槽については、下水道法に期限は明記されていませんが、遅滞なく、排水設備を設置しなければならない(下水道法第10条)と定められていることから、市ではくみ取り便所と同様に3年以内の接続をお願いしています。  また、農村下水道については、東近江市農業集落排水処理施設条例により、使えるようになってから3年以内に接続に努めるよう定められています。  このように、法律や条例に定められていますが、それだけではなく、せっかく整備された下水道を無駄にしないためにも、早めに接続をしてください。  特に、くみ取り便所や単独処理浄化槽を使用されていると、トイレ以外の台所や風呂などからの排水はそのまま水路や河川に放流されてしまいます。大切な自然環境を守るためにも接続をお願いします。 ●下水道に接続するには?  宅地内の下水道工事は、市の排水設備指定工事店に依頼をしてください。排水設備指定工事店でないと、適切な工事がされないことがあり、市への手続きもされず、後にトラブルになってしまいます。排水設備指定工事店の一覧表は、下水道課、農村下水道課、市民課、建築指導課に備えているほか、市ホームページでも確認いただけます。  工事費用は、施工する家屋・敷地の広さ、設置便器の種類などにより大きく変わってきますので、複数の業者に見積もりを依頼されることをお勧めします。  また、市では、公共下水道について、水洗便所改造資金の融資制度を設けています。限度額は100万円で、融資利率は年2.8%(※2)、償還期間は60ヶ月以内となっています。詳しいことは、下水道課または市内の金融機関にお問い合わせください。 ※2 2.8%は平成22年度の率であり、毎年変わりますのでご注意ください。 写真:水洗化して、ホタルの舞う川をいつまでも ◆下水道・浄化槽などの種類 種類=公共下水道 説明=主に市街地の下水を排除・処理するもので、原則として市町村が管理します。市町村ごとに処理場を設置する単独公共下水道と、処理を流域下水道に任せる流域関連公共下水道があります。東近江市は、流域関連公共下水道になり、草津市にある処理場まで流しています。市内では、八日市地区、五個荘地区、能登川地区、蒲生地区の一部が公共下水道で整備されています。また、愛東地区、湖東地区については、彦根市にある処理場に流すために今後工事を進めます。 種類=農村下水道 説明=農業用水の水質保全や農業用排水施設の適正な機能維持、農村における生活環境の改善などを目的に、農業振興地域を対象にして、集落単位(複数の集落の場合もあり)で下水処理場を設置し、小規模に整備されたものです。市内では、永源寺地区、湖東地区、愛東地区は農村下水道で整備され、八日市地区、五個荘地区、能登川地区、蒲生地区の一部でも整備されています。 種類=合併処理浄化槽 説明=各家ごとに(※3)に、汚水を処理する設備(浄化槽)を設置したものです。合併処理浄化槽は、トイレからの汚水だけでなく、台所や風呂などからの排水も処理します。 種類=単独処理浄化槽(※4)  説明=トイレからの汚水のみを処理する浄化槽です。台所や風呂などからの排水はそのまま水路や河川に放流されます。平成13年4月1日以降は新規で設置することはできなくなっています。 種類=くみ取り便所 説明=し尿を便槽にため、バキュームカーでくみ取る方式のトイレです。見た目だけ水洗式にしている簡易水洗式便所も広い意味でくみ取り便所に含まれます。 ※3 開発などで複数の家からの汚水を一つの大きな浄化槽で処理する集中浄化槽と呼ばれるものもあります。 ※4 現在の浄化槽法では、合併処理浄化槽だけが浄化槽とされ、単独処理浄化槽はみなし浄化槽と分類されています。 ★下水道に接続したからといって安心していませんか? 詰まる前にご家庭の防臭ますの点検・清掃を!  ※合併処理浄化槽を使用されているご家庭も同じです ●宅地内のますの清掃  下水道に接続した、あるいは浄化槽を設置したというだけで安心して、敷地内の防臭ますをほうっておいていませんか?  下水道や浄化槽を長くトラブルなく使っていくには、防臭ますの点検・清掃が重要です。  公共・農村下水道に接続された場合は、市が宅内検査を行った時にあわせて清掃の説明もしていますが、下水に接続済の家を購入された場合、また浄化槽を設置された場合などは、清掃について聞く機会がないかと思われます。  この機会にお宅の防臭ますをのぞいてみて、油などがたまっていたら清掃をしてください。 ●ほうっておいたらどうなるの?  防臭ますは、下水道管からあがってくる臭気などを防ぐとともに、油や食べかす、石鹸・洗剤などをためて、下水管に流れ出るのも防いでいます。これらの汚れが防臭ますで止められているうちは簡単に取り除くことができますが、汚れがたまりすぎ、下水道管にあふれ出すと、通常の手段では取り除くのが困難になります。そして、それらが年月を重ねてだんだん蓄積していくと、下水が流れにくくなったり、詰まったりすることがあります。 ●自分の敷地内から流れ出てしまえば大丈夫?  油や食べかすなどを流しても、道路の下の下水道本管まで流れてしまえば大丈夫、そんなふうに思っていませんか?  下水道は、大部分が自然流下式と呼ばれる、管に勾配をつけてその落差で自然に流すという方法で流れています。そして、ある程度深くなったところで、ポンプで上の方にくみ上げ、また自然流下式で流す、という方法で下水処理場まで流しています。  そのため、家庭から出た油のかたまりや、野菜くず、さらには水に溶けないティッシュペーパーや紙おむつ、タバコ、ガム、生理用品などが下水道に流れ出てしまうと、その途中で止まったり、ポンプにつまったりすることがあります。  下水道はなんでも流せるゴミ捨て場ではありません。みんなの公共の財産です。大切に使っていきましょう。  写真=油のかたまりなどで詰まってしまった下水マンホールの中  写真=正常な状態の下水マンホールの中  コメント:流していないようでも、こんなに油って流れているんだね。もし、下水道に接続していなかったら、これが河川を通ってびわ湖に流れていたんだね。 ●宅地内の防臭ますの清掃方法  あなたのご家庭は、やっていますか?  月一回の点検・清掃が目安です  浄化槽を使用している人も見てね <1> 台所や風呂、洗面所の外側にある防臭ます(直径30cmくらいの白いふたが目印です)を見つけてください。(写真あり) <2> ふたを外すと、油汚れなどがたまっているのがわかります。地域や施行業者により、カゴがついていたり、エルボの形が異なっていたりします。(写真あり) <3> エルボは外すことができます。掃除しにくい場合は外してください。ただし、外した後、はめ忘れると下水道管から臭いがあがってきますので、清掃後は必ずはめてください。(写真あり) <4> 汚れを網やひしゃくなどですくい、新聞紙などにあけます。水面に浮かんでいる汚れだけでなく、底に沈んでいるゴミもすくい取ってください。(写真あり) <5> 取り除いたゴミは乾かしたあと、燃えるごみとして出してください。(写真あり) <6> エルボを外した場合は、はめなおして清掃完了です。作業でたまっている水が減り、水面がエルボの底より低くなった場合は、そのままでは臭いが上がってきてしまうので、水を足してください。(写真あり) ●こんな疑問を持ったことありませんか? Q.これからの時期、集中豪雨や台風が発生することがあります。そういった時、東京や大阪などの大都市で、下水が処理されないまま河川に放流されたり、家に逆流してきたなどのニュースを聞くことがあります。東近江市でもそんなことが起こるのでしょうか? A.大都市など早くから下水道を整備した地域は、汚水と雨水を同じ管でまとめて処理をする「合流式」と呼ばれる方法で整備されています。この合流式の場合、雨水が多くなると、処理場で処理しきれず河川に未処理のまま放流されたり、集中豪雨により管が満水になると水が流れにくくなったり逆流したりということも起こりえます。  しかし、東近江市の下水道は、汚水と雨水を分離し、汚水だけを処理する「分流式」と呼ばれる方法で整備されていて、雨の影響を受けません。大雨が降っても安心して下水道を使っていただくことができます。 問=下水道課  電話=0748−24−5665  IP=050−5801−5665 問=農村下水道課  電話=0748−24−5626  IP=050−5801−9918