特集 11月は児童虐待防止推進月間 子どもの笑顔をなくさないために 見すごすな 幼い子どもの SOS(推進月間標語) イラスト=児童虐待防止のシンボル オレンジリボン 写真=女の子と男の子のイメージ ■記号は、問=問い合わせ、IP=IP電話になります。  街を歩いていて、オレンジ色のリボンを胸につけている人を見かけられたことはありませんか?  このリボンは「オレンジリボン」といって、『子どもを虐待から守り、虐待を受けた子どもが幸福になれるように』という願いが込められています。11月の児童虐待防止推進月間を機会に、子どもを虐待から守り、幸せに暮らせる社会をつくるため、私たちに何ができるか、一緒に考えてみましょう。 ◇オレンジリボン運動のはじまり  平成16年9月に栃木県で、二人の幼い兄弟が虐待の末、橋の上から川に投げ入れられて亡くなる事件が起きました。その事件をきっかけに、子どもの虐待防止を目指し、地域から「2005年オレンジリボンキャンペーン」が始まりました。  その後、この取り組みは全国へと広がり、11月の児童虐待防止推進月間を中心に啓発活動を行い、広く市民のみなさんに呼びかけています。  このオレンジ色は、里親に預けられた子どもたちが選んだ色です。きっと子どもたちは、胸の中にこのオレンジのような明るさと温かさを求めていたのではないでしょうか。 写真=こども未来ちゃん ●「しつけ」と「虐待」  子どもの虐待は、児童虐待防止法で、「子どもの人権を著しく侵害するもの」「その心身の成長および人格の形成に重大な影響を与えるもの」「将来の世代の育成に懸念を及ぼすもの」の3つとされています。  保護者は、子どもの症状やケガなどの原因を説明するときに、「しつけ」と言うことがありますが、子どもの立場から見てはどうでしょうか。心と体の成長や人格の形成に影響を与える行為や、子どもの人権を著しく侵害する行為は、虐待と判断される場合があります。 写真=駅前での街頭啓発活動 ●虐待とは、どんな状態?  法律では、「身体的」「心理的」「性的」「ネグレクト(家に閉じ込めたり、食事を与えないなどの養育放棄)」の4つが定められています。  こども支援センターでは、これらにとらわれず、子どもの心と体の成長・発達の視点で見ています。暴力や、激しい怒鳴り声・ことばによる脅かし、子どもの意思に反して学校に登校させず家に閉じ込めることなどは、子どもが成長していく上で必要のないものです。また食事や清潔な衣服といった「成長する上で必要なものが与えられないこと」などは、広く虐待と捉(とら)えられます。 写真=「困ったことがあったら、相談してね」幼稚園児・保育園児にも、紙芝居で伝えています。 ◇見逃さないで!「たすけて!」のサイン ○子どもからのサイン ・不自然なあざ、やけど、打撲(だぼく) ・極端にやせているなど、栄養失調状態 ・服や体が汚れている ・表情がなく、大人を見ると怯(おび)える ・落ち着きがなく、乱暴 ○保護者からのサイン ・子どもの健康や安全が配慮されていない ・衣類などが不衛生のままである ・子どもを家に置いたまま、外出する ・いつも、イライラして子どもに当たる ・地域との交流がなく、孤立している ●私たちにできる支援の輪  だれでも、子どもを産んだだけで、すぐに完全な親になれるわけではありません。また、地域とのつながりが薄くなっている中、孤立してだれにも助けを求められず、子育てにしんどい思いをしている家庭もあります。  このような子育て家庭を温かく見守り、困ったことがあれば声をかけあえる関係づくりが、私たちにできる支援の第一歩になるのです。 写真=市内で開催されるイベントに出展し、オレンジリボンの配布や缶バッジづくりで啓発しています。 ●ひとりで悩まないで  こども支援センターでは、児童虐待の連絡を受けると、電話で相談に乗ったり、直接出向いての相談を受けています。また、保健・福祉や教育などの関係機関と連携して、その家庭に必要な支援をしています。  児童虐待を見たり、聞いたり、当事者になってしまいそうなときは、ひとりで悩まないで、私たちに相談してください。あなたの勇気が、子どもたちの幸せな未来を守ります。 問=こども支援センター  電話=0748-24-5663 IP=050-5801-5663