【特集】 未来に笑顔を残すために! 行政改革の推進を答申 ■記号の説明・・・問=問い合わせ、IP=IP電話  平成22年12月27日に、行政改革推進委員会から「行政改革の推進について」の答申が行われました。  その内容は、市の施設の廃止や機能の移転など、市民のみなさんに大きくかかわるものです。なぜ今、待ったなしの改革が必要なのか、一緒に考えてみてください。 写真:西澤市長に答申をする行政改革推進委員会の大橋松行委員長 ●10年後には40億円が消える!  東近江市は2度の合併により、市域・人口規模ともに大きな都市となりました。しかし、同時に、図書館や保健センターなど多くの類似施設を抱えることにもなっています。また、合併による国の財政支援(*1)は、平成27年度から段階的に削減され、平成32年度には優遇措置が終了します。これにより、現在に比べて約40億円の財源が減少します。これは、平成22年度の市の個人市民税当初予算額(約50億円)の大半が消えてしまうのと同じことを意味します。 (*1)合併をした場合、国からの地方交付税は合併前の総額と比べて少なくなりますが、合併による特別措置により、合併後10年間は合併前の旧市町の交付税の合計額をそのまま受け継ぐことができます。その後、11年目からは、毎年徐々に減額され、15年目には本来の交付税額になります。 ●収入は減っても、教育・福祉の充実は必要!  財源の減少だけでなく、これからの東近江市は、少子高齢化などの社会情勢にともなう費用の増加が見込まれます。高齢者が増えることによる福祉などの費用の増加、次代を担う子どもたちを育むための教育・保育の充実などは避けては通れません。  合併後、これまでも市では、市内の小・中学校へのエアコン設置、すべての幼稚園、小・中学校への給食の提供など、必要な部分へは精力的に財源を充てて整備を進めてきています。このような必要と考えられることには、これからも多額の財源を必要とします。 厳しい中でも必要な部分は強化!!(写真:小学校の授業の様子、給食センターでの調理の様子) ●ピンチの中、市はどうする!?  財源の減少と将来の費用増というダブルパンチの中、市には、将来においても市民のみなさんが安心して住み続けられる東近江市を創っていく責任があります。  このため、合併後、数多くの類似施設を抱える本市として、管理運営費の負担を減らすとともに、必要な施策を維持・強化するための改革、言わば、ダイエットだけでなくシェイプアップをする改革が求められています。  そこで、市では、市民の視点での改革を行うために、市民と有識者による行政改革推進委員会に、さまざまな内容を検討していただきました。  その結果、今回の答申では、市民のみなさんに単純に痛みを押し付けるのではなく、将来にわたって『持続可能な健全財政の東近江市』を実現するための行政改革の推進について、提言をいただきました。将来において、みんなが住んでいてよかったと思える東近江市をどう創っていくのか、真剣に考えていくことが、今を生きる私たちに求められています。 ●行政改革推進委員会って?  行政改革を着実に推進していくために、平成22年6月28日に、13人(学識経験者2人、市民委員11人。うち公募4人)の委員で「行政改革推進委員会(以下委員会)」が組織されました。  委員会では、公の施設改革部会と補助金改革部会の2つの専門部会を設置し、各専門部会での審議と全体会議あわせて23回の審議を行い、平成22年12月27日に答申書を市長に提出されました。答申の内容は次のようになります。 ◆◆公の施設の改革◆◆  公の施設の統廃合の問題は、本来は合併時に整理しておくべき問題であり、先送りせず早期に解決しなければならない問題です。  委員会では、支所や出張所を含めた364施設のうち、改革の対象とした264施設について、7つの視点(下記「見直しの7つの視点」参照)に基づき、見直しが行われました。見直しにおいては、まず施設を利用実態にあわせて17のグループにわけ、そのグループごとに改革の考え方をまとめて各施設を評価し、方向性が決められました。その結果、190施設は存続、51施設は現在とは別の形での有効活用、残る23施設は閉鎖または解体とされました(下記「行政改革推進委員会による公の施設改革の検討結果」参照)。 ◇見直しの7つの視点  1.社会経済情勢の変化により役割を終えたものはないか  2.今なお、市民が必要としている施設であるか  3.民間市場で対応が可能か、市が行うべき公共サービスであるか  4.安全安心な公の施設であるか  5.地域の特性を活かす施設であるか  6.利用実態に合わせて公の施設の整理と機能の集約化ができないか  7.市民(民間)と行政が協働して市の財産を効率的、有効的に管理運営できないか ◎行政改革推進委員会による公の施設改革の検討結果  対象施設 264施設   存続      190施設(72.0%)   別の形で活用  51施設(19.3%)   閉鎖または解体 23施設 (8.7%) ◇別の形で活用(具体的内容、施設数、施設名)  他の施設として活用(管理者は県) 2施設   ・愛東支所および愛東図書館の建物は、県施設の平和祈念館として活用  他の施設として活用(管理者は市) 15施設   ・愛東福祉センターおよび愛東保健センターの建物は、愛東支所として活用   ・愛東いきいき元気館の建物は、あいとうマーガレットステーション施設として活用   ・五個荘保健センターの建物は、五個荘支所として活用   ・五個荘福祉センターの建物は、五個荘公民館として活用   ・湖東福祉センターの建物は、湖東保健センター別館または子育て支援施設として活用   ・ひまわり児童館・湖東第一児童館童夢の館・つくし児童館・すみれ児童館の建物は、こども関連施設(民間も可)として活用   ・湖東歴史民俗資料館および泰山閣の建物は、文化財として管理   ・みすまの館は、ひばり公園施設(管理棟)とする   ・能登川福祉センターは、能登川保健センターとする   ・あかね文化ホールは、蒲生公民館施設とする  地元自治会などへの譲渡または貸与 14施設   ・小脇町宮教育集会所   ・平田駅前教育集会所   ・アミティーあかね   ・小脇町宮会館   ・愛東人権啓発センター   ・木地師資料館   ・野口謙蔵記念館   ・ガリ版伝承館   ・トレーニングセンター   ・平田グラウンド   ・小脇グラウンド   ・西堀公園   ・石塔交流公園   ・横山公園  利用団体などへの譲渡または貸与 9施設   ・高屋集会所   ・老人福祉センター延命荘   ・五個荘高齢者能力活用センター   ・老人福祉センター繖寿苑   ・八楽親水公園   ・はたの公園   ・平成の杜体育館   ・勤労者体育館・グラウンド   ・あじさい・さくら公園  民間事業者への譲渡または貸与 11施設   ・高齢者生活福祉センターゆうあいの家   ・蒲生いきがい活動支援センターせせらぎ   ・蒲生デイサービスセンターあさひの   ・能登川介護予防センターひだまり   ・湖東味咲館   ・ヘムスロイド村   ・湖東プール   ・能登川プール   ・五箇荘駅コミュニティハウス   ・八日市駅ホール   ・河辺の森駅前広場  ◇閉鎖または解体 23施設   ・勤労青少年ホーム   ・高齢者やすらぎ交流ハウス   ・八日市ふれあいビレッジ(子育て支援ハウス)   ・建部コミュニティセンター(ウェルネス八日市へ機能移転)   ・あかね児童館   ・さつき児童館   ・あやめ児童館   ・永源寺支所(永源寺地域産業振興会館へ機能移転)   ・永源寺公民館(永源寺地域産業振興会館へ機能移転)   ・林業センター   ・五個荘支所(五個荘保健センターへ機能移転)   ・五個荘公民館(五個荘福祉センターへ機能移転)   ・五個荘体育館   ・五個荘図書館   ・すこやかの杜キャンプ場   ・能登川支所(能登川支所別館へ機能移転)   ・能登川勤労者会館   ・ファームトピア蒲生野   ・蒲生保健センター   ・石塔会館   ・蒲生緑のひろば   ・あかね古墳公園前自転車駐車場   ・甲津畑小学校 写真:支所および公民館としての活用が提案された永源寺地域産業振興会館 写真:支所としての活用が提案された愛東保健センター・愛東福祉センター 写真:保健センターとしての活用が提案された能登川福祉センター 写真:公民館施設としての活用が提案されたあかね文化ホール 写真:湖東保健センター別館または子育て支援施設としての活用が提案された湖東福祉センター 写真:支所としての活用が提案された五個荘保健センター ◆◆補助金制度の改革◆◆  補助金は、市税そのほか貴重な財源で賄われていることから、公益性、公平性、透明性をいかに確保するかが問われています。  そこで、委員会では、補助金を受けた団体の事業が市民にとってどれだけ公益性があるか、市が税金を投入する必要性があるかなどを判断するため、評価制度を導入することが答申されました。  そして、今回は、399件の補助金のうち、77件の団体運営補助金についても評価をされ、その結果、27件の補助金は縮小、10件の補助金は廃止する必要があると判断されました(上表参照)。  今後、<1>団体における補助金の交付については、公益性の確保および団体の自立促進の観点から、原則として団体が行う事業経費に対してのみ補助を行うこと、<2>慰労的視察や研修経費、交際費、慶弔費、親睦会費、関係組織への迂回助成など補助対象外経費を明らかにすること、<3>繰越金がある場合は補助金の額を調整すること、などを市の補助金等交付規則に新たに盛り込むことを提言されています。  また、委員会からは、自治体運営の基本理念である「協働」を推進するような行政支援(補助金など)のあり方についても提言をされました。 ◎行政改革推進委員会による補助金の評価結果  対象数 77件  評価数 84件  評価結果   委託化  統合   拡充   継続   縮小   廃止   合計  -------------------------------------------------------------------------  件数      −    9    2    36    27    10    84  割合(%)   −   11%   2%   43%   32%   12%  100%  対象額(千円) −   2,211  6,750 235,491 248,492  6,600 499,544  ※対象額=上記件数の平成22年度予算を積み上げた額 写真:熱心な議論が交わされた行政改革推進委員会議 ●今後の市の対応について  公の施設については、最終答申の内容を最大限尊重して改革計画(案)の策定を行います。その後は、パブリックコメントや市民説明会などを実施して市民のみなさんの意見をお聴きし、市議会とも協議しながら、平成23年5月を目途に市の改革計画を決定することにしています。  補助金改革については、速やかに市の指針(案)を策定した後、パブリックコメントを実施し、3月には方針を決定します。また、補助金評価の結果については、可能な限り平成23年度予算に反映していきます。  厳しい財政状況の中においても、市としては、市民生活に直結した教育や福祉、地域医療など基礎的な行政サービスに必要な予算の確保、ならびに社会環境の変化などに伴う新たな行政課題などには、迅速に対応していきます。減らせるものは減らし、必要なところは強化する、その上で、いかなる時代においても持続可能なまちづくりをしていきますので、将来の東近江市を担う子どもたちのためにも、行政改革にご理解とご協力をお願いします。 問=行政改革課  電話=0748-24-5562 IP=0505-801-5690