特集 地域福祉計画 気づき合い 分かち合い 支え合い 〜参画と協働で 幸せを育むまち 東近江〜 ■記号の説明・・・問=問い合わせ IP=IP電話  私たちが毎日の生活で感じる「困りごと」には、福祉制度や行政施策だけでは対応できないものもたくさんあります。  こうした課題を、地域の助け合いで解決しながら、みんなが幸せに暮らせる地域社会をめざす「地域福祉計画」について、一緒に考えてみましょう。 写真=笑い声の絶えないサロン、子育て支援センターの「つどいの広場」 背景写真=地域福祉フォーラム ●「地域福祉」って?  地域福祉とは、私たちが暮らしている地域の中で、困ったことや悩んでいることをみんなで助け合い、協力して解決しながら、幸せなまちにしていこうとする取り組みです。  身近な助け合いを想像してみてください。たとえば、重そうな荷物を持っているお年寄りに、家までの少しの間、荷物を持ってあげたり、初めての子育てで悩んでいる人に、子育ての先輩としてアドバイスしてあげたり…。  しかし、困っていることが何なのかに気づいてあげられなければ、助け合うこともできないのが現実です。 ◆まちには、悩みのつぶやきがいっぱい・・・ ◇あるお母さんのつぶやき  初めての出産、子育てで、どうしたらいいのか分からないんだけど、相談する人がいなくて・・・ ◇あるおばあちゃんのつぶやき  冬場の雪かきは力仕事だから、一人暮らしの私には大変で・・・ ◇あるおじいちゃんのつぶやき  うちの近所、昼間は年寄りばかりになってしまう。こんなときに災害が起こったらと思うと不安で・・・ ◇ある自治会長さんのつぶやき  集落のお祭り、年々参加者が少なくなってきている。おみこしが担げなくなったらどうしよう  ここに挙げた悩みのつぶやきは、ほんのごく一部・・・。身近な声に、耳を傾けてみましょう。あなたのまわりにも、悩みのつぶやきはありませんか? イメージ写真=永源寺地区での雪かき、春まつり、市街地をひとり歩くおばあさん、母と子の後ろ姿 ○地域福祉計画の実施でどう変わる!?(本文下段へ) ●地域福祉計画とは  やさしさがあふれるまちにするためには、地域みんなが助け合いの心で協力することが大切です。しかし、地域福祉を効果的に進めるためには、助け合いの心に加えて、誰が、何に、いつ取り組むかを示す道すじも必要です。  この道すじとして、平成23年4月に「東近江市地域福祉計画」を策定しました。計画策定にあたっては、次の3つのポイントを大切にしました。 ◆計画策定のポイント @地域住民や団体、関係機関、市役所などが力をあわせてつくること。 A地域に着目すること。 B総合的に住民の生活支援をめざす計画にすること。  また、多くの市民や学識経験者などに参加していただいた策定委員会、作業委員会が意見をまとめました。 ◇住民や団体の「生の声」が聞きたい ・団体ヒアリング調査の実施 ・ブロック別懇談会の実施 ◇広く住民の生活課題を探す ・アンケート調査の実施 ◇総合的に支援するための連携 ・市役所内の関係各課での施策検討 ●地域福祉を進める施策  地域福祉は、地域の人びとや関係機関、市役所が、自分たちでできることに取り組んでいくことになりますが、同じ気持ちで取り組むための基本理念を「気づき合い、分かち合い、支え合い 〜参画と協働で 幸せを育むまち 東近江〜」と定めています。 ◆気づき合い  まわりの人の悩みや不安に気づいたり、自分自身のことにも気づいてもらうこと。 ◆分かち合い  地域の中にある課題や個人の悩みを、他人ごとと思わずに分け合うこと。 ◆支え合い  みんなの知恵や力を出し合い、地域の問題解決に向けて協力して取り組むこと。 ●5つの基本目標  また、計画を着実に進めるため、5つの基本目標を決め、次のような具体的な取り組みを実施します。 ◆悩みのつぶやきから、幸せと笑顔あふれるまちへ 始めよう!「人づくり」「きずなづくり」 基本目標1=地域を支える「人づくり」  次世代に向けて、互いを尊重し、おもいやりの心を育む教育や地域活動を進めます。  また、地域活動にみんなが参加できるよう、情報提供を工夫していきます。 ◇おもいやりの心を育む次世代への環境づくり ・おもいやりの心を育む取り組みの充実 ・地域活動への参加のきっかけづくりや、情報提供の充実 ◇地域を担い支える人材の育成 ・新たな人材の育成とリーダーの養成 ・地域人材バンク機能の強化 ◇地域活動に関わる各種団体の育成 ・地域活動に関わる各種団体への支援 ・活動の表彰制度の設置検討 基本目標2=小地域※における住民の「きずなづくり」  地域活動や見守り活動の中心的な役割を果たす自治会の活動を支援します。また、自治会やまちづくり協議会、社会福祉協議会などの活動で、住民どうしのきずなを深めます。 ※小地域 この計画では、隣近所や自治会など、防災や見守りといった地域に根ざした身近な活動が行える区域のことを示しています。 ◇自治会を中心とした小地域活動への支援 ・自治会活動の活性化に向けた支援 ・日常的な見守り体制の充実 ・小地域の緊急時の安全を守る活動への支援 ・地域福祉活動を進めるモデル事業への支援 ◇住民どうしの交流の促進 ・隣近所、世代間、地域間の交流への支援 ・多文化共生のまちづくりの推進 ・食や農業を通じた交流の促進 基本目標3=地域福祉の拡充を図るための「ネットワークづくり」  地域福祉では、みんなで集まって、みんなで話し合うことが大切です。拠点となる社会福祉施設やコミュニティセンターを整備します。 ◇地域活動拠点の整備 ・身近に集まることができる活動拠点の整備 ・コミュニティセンターの事業展開や運営を支援 ・地域福祉推進の中心拠点の整備推進 ◇行政、地域、福祉サービス事業所とのパートナーシップの構築 ・地域活動団体や福祉サービス事業所などの協働に向けた支援 ・住民主体のまちづくりに向けた住民参画促進 ・地域活動に関する情報提供の充実 ◇社会福祉協議会との連携・協働 ・地域福祉活動計画(案)策定への支援 ・社会福祉協議会の活動への支援 基本目標4=安心して暮らすための「体制づくり」  安心の生活のためには、身近な地域だけではなく専門的な知識も必要です。また、災害や犯罪を自ら防ぐことも大切です。 ◇相談支援体制の整備充実 ・地域福祉総合窓口の整備充実 ・身近な地域での情報提供や相談支援の充実 ・地域福祉コーディネーターの育成、配置 ◇防災・防犯などの安全なまちづくりの推進 ・防災や減災、防犯対策の取り組みの推進 ・緊急時、災害時の安否確認体制の明確化と援護の必要な人を支援する体制の整備 ◇バリアフリー、ユニバーサルデザインのまちづくりの推進 ・道路や公共施設のバリアフリー化の推進 ・ユニバーサルデザインのまちづくりの推進 ・移動手段の確保、整備 ・住まいの確保、提供体制の強化 ・外国人への支援の充実 基本目標5=保健・医療・福祉が一体となったサービスの提供の「仕組みづくり」  一人ひとりのニーズにあった福祉サービスを提供するため、保健や医療、福祉の関係機関が協力します。 ◇利用しやすい福祉サービスの構築 ・利用者のニーズに沿った福祉サービスの提供と利用の促進 ・新たな福祉課題に対応した福祉サービスへの支援 ・福祉サービスの情報提供の充実 ・福祉サービス事業所の地域に開かれた取り組みの推進 ◇福祉サービス利用者の権利擁護 ・成年後見制度の周知と利用者への支援 ・日常生活自立支援事業の基盤整備 ◇総合的なケアマネジメント体制の確立 ・ケアマネジメント(支援)体制の充実 ・医療機関との連携 写真(イメージ)と説明 写真1=子育て支援センターの「つどいの広場」     お母さんのつぶやき「ママ友もできるし、子育てについて相談しやすくなるわ。子どもたちも楽しく遊んでいるわ。」 写真2=ゆったりと時間の流れるサロン 写真3=老若男女が地域の行事に関わる     自治会長のつぶやき「若い人たちの意見も取り入れながら、まちづくりの活動を育んでいけば、きずなを深めることができるんだね。」 写真4=玉緒地区の自主防犯活動     おばあちゃんのつぶやき「地域の身近な見守りはお互いさまですね。私もできることから始めよう。」 写真5=中核病院が整備される国立病院機構滋賀病院、図=地域連携クリティカル・パス     おじいちゃんのつぶやき「福祉のサービスとお医者さんが相談しあってくれたら、何かあったときも安心だね。」 ●計画を進めるなかで  地域福祉計画は、つくることが目的ではありません。計画を着実に実行して、その取り組みを評価し、見直すことが大切です。  計画を効果的に実行するためには、市役所はもちろんのこと、市民、自治会、まちづくり協議会やボランティア団体などの市民活動と、民生委員児童委員や社会福祉協議会、NPOなどの活動、さらには企業の取り組みが連携することが必要です。  また、施策の取り組みが、所期の目標どおり成果を上げているかどうかは、市役所内で組織する庁内検討委員会が調査します。  そしてその内容は、第三者で構成する「東近江市地域福祉計画推進委員会」に報告し、点検・評価します。必要に応じて計画を見直し、さらなる計画の推進につなげます。  市民のみなさんの「やさしさ」を満開にして、もっと幸せあふれる東近江市をつくっていきませんか。 問=社会福祉課  電話=0748-24-5644 IP=0505-801-5644