◎特集 交通安全 交通事故ゼロのまちをめざして ◆交通事故は普段生活する上で、自分にも起こりうる身近な問題です。また、ひとたび事故が起きてしまうと、被害者、加害者だけでなく、周りの人たちにも大きな影響を与えます。  夏は、普段よりも外に出かける機会が多くなります。事故にあわないために何に気をつけるべきか今一度考えてみましょう。 写真:「横断歩道は、手をあげて渡ってね」湖東第一幼稚園の交通安全教室 写真:「交通安全守ってください!」七夕交通安全啓発活動で市辺幼稚園の園児が呼びかけました。 ◆増減を繰り返す事故件数  本市における過去10年間の交通事故発生件数は、平成18年の765件をピークにその後、減少していましたが、平成22年には増加に転じており、着実に減少しているとは言えない現状にあります。(下表参照) ◇本市の交通事故発生状況(平成14年〜平成23年) 年=14年、発生件数=689件、負傷者=893人、 死者=14人 年=15年、発生件数=747件、負傷者=1,019人、死者=10人 年=16年、発生件数=695件、負傷者=893人、 死者=10人 年=17年、発生件数=750件、負傷者=999人、 死者=14人 年=18年、発生件数=765件、負傷者=1,022人、死者=16人 年=19年、発生件数=705件、負傷者=961人、 死者=4人 年=20年、発生件数=669件、負傷者=853人、 死者=12人 年=21年、発生件数=654件、負傷者=824人、 死者=4人 年=22年、発生件数=676件、負傷者=853人、 死者=6人 年=23年、発生件数=671件、負傷者=843人、 死者=9人 ※合併前の数値は、旧市町の数を合計しています。(平成14年〜平成17年一部) 本市の交通事故の特徴は? ◆高齢者の交通死亡事故が多い  過去5年間(平成19年から23年まで)の高齢者(65歳以上)の交通事故死者数は、市全体の68・6%を占めています。これは、65歳以上の人口構成比が、21・2%(平成24年4月末現在)であることからみて、3倍以上と非常に高い割合となっています。  平成23年は、市内で9件の交通死亡事故が発生し9人が亡くなり、そのうちの5人が高齢者でした。 ◆自転車に乗車中も歩行中も十分な注意を  平成23年に本市で自転車がからんだ交通事故発生率は17・9%で、県全体の17・3%よりも高くなっています。また、過去5年間に交通事故で亡くなった人は、歩行中が約37%と高い割合となっています。さらに、平成23年は歩行中の死亡者4人のうち3人が夜間の事故でした。自転車や歩行者は、下記のような取り組みで、ドライバーに自分の姿をいち早く知らせましょう。 ◇交通事故は、通勤時間帯(朝・夕)に特に発生しています! 本市の時間帯別発生件数(平成21年〜23年) 年=平成21年、時間帯0〜2=15件、2〜4=7件、4〜6=6件、6〜8=67件、8〜10=105件、10〜12=82件、12〜14=60件、14〜16=67件、16〜18=106件、18〜20=85件、20〜22=30件、22〜24=24 年=平成22年、時間帯0〜2=12件、2〜4=5件、4〜6=12件、6〜8=66件、8〜10=116件、10〜12=80件、12〜14=70件、14〜16=85件、16〜18=100件、18〜20=77件、20〜22=36件、22〜24=17 年=平成23年、時間帯0〜2=9件、2〜4=6件、4〜6=7件、6〜8=81件、8〜10=104件、10〜12=73件、12〜14=66件、14〜16=93件、16〜18=91件、18〜20=75件、20〜22=47件、22〜24=19 ・早めのライト点灯&反射材の着用を!  夕暮れ時は辺りが薄暗く、視認性が低下することにより、交通事故が多く発生します。  自動車や自転車は、早めのライト点灯、歩行者は、反射材の着用や明るい服装で、相手に自分の存在を知らせ、事故を未然に防ぎましょう。 ・くらべてみると・・・ 反射材を着用することで、ドライバーから見えやすくなっていることがわかります。 ・夕暮れ時に車のライトを照らして、人物がどのように見えるか比較 写真@=反射材あり 写真A=反射材なし ◇ドライバーは「ハイビーム切替え運動」を!  ハイビームとロービームのこまめな切り替えを行い、夜間の歩行者や自転車を早期に発見しましょう。 ◆交差点では出合頭の事故に気をつけて  交差点での事故発生率を、過去5年間でみると、交通事故総件数の約46%を占めています。また平成23年は、交差点事故292件のうち、出合頭事故(信号機無し)が150件とおよそ半分という高い割合となっています。  こうした統計からも特に交差点では注意していただくことが必要です。 ◆究極の目標「交通事故ゼロ」のまち  こうした状況を受けて、平成23年度に策定した「第9次東近江市交通安全計画」に基づき、究極の目標として定めている交通事故のないまちをめざし、次の3点を重点的に推進します。 @高齢者および子どもの安全確保 A歩行者および自転車の安全確保 B生活に密着した身近な道路および交差点における安全確保  「交通事故ゼロ」の目標に向かって、今後とも高齢者や子どもを対象とした交通安全教室の充実など、きめ細かな交通安全対策を推進します。さらに、関係機関・関係団体と連携を深め、交通事故のないまちづくりに取り組みます。 ◇交通事故ゼロのまちをめざした取り組み@ ・高齢者が同世代や地域のお手本として交通マナーを指導  高齢者の死亡事故が多いことから、高齢者にも交通安全の指導員となってもらい、同世代や地域での交通安全の啓発活動をしていただくことで、交通事故ゼロをめざそうという取り組みです。東近江警察署と本市が、248人の交通安全シルバー指導員を委嘱しました。  交通安全シルバー指導員のみなさんには、地域で安全に活動していただくため、交通安全反射ベストをお渡しし、啓発活動をお願いしています。 写真=交通安全反射ベストを手に持つ2人の交通安全シルバー指導員さん ◇交通事故ゼロのまちをめざした取り組みA ・ケンちゃんと楽しく交通ルールを学ぶ  幼児期から正しい交通ルールを身につけることは、大変重要です。市では、専任の交通指導員を配置して、保育園や幼稚園を対象に、親しみやすく理解しやすい交通安全教室を開き、交通事故がゼロとなるように努めています。  子どもたちは、腹話術人形のケンちゃんと「とまとのお約束(止まる、待つ、飛び出さない)」をして、交通ルールを守る大切さを学んでいます。 写真=ケンちゃんと幼稚園児たちの交通安全教室の様子 ●運転免許自主返納支援事業  不安を感じながらも、買い物や通院時の交通手段として自家用車を運転されている高齢者に、安全・安心な公共交通への利用をうながす取り組みとして、運転免許自主返納支援事業を創設しました。  平成24年4月以降に運転免許証を自主的に返納された70歳以上の市民を対象に、ちょこっとバス・ちょこっとタクシーの回数券(5,000円分)または、近江鉄道バスの回数券(5,000円分)をお渡ししています。  また、自主返納された人は、警察署に「運転経歴証明書※」の申請をすることができます。通常は有料(1,000円)ですが、自主返納される場合のみ公益財団法人滋賀県交通安全協会が助成します。 ※運転経歴証明書:運転免許証と同じサイズで、氏名、住所、生年月日、免許証番号と同一の番号などが記載されています。提示することにより、運賃割引、商品割引などの特典を受けることができます。 ◇返納する勇気 小杉佳正(こずぎよしまさ)さん(五個荘竜田町)  以前から、大きな事故を起こす前に、運転をやめようと考えていました。家族の賛成もあり、今年の5月に運転免許証を返納しました。  当初は、運転できないことにさみしさを感じていましたが、ありがたいことに、返納したことで、周りの人たちに車に乗せてもらうなど助けてもらっているうちに、だんだん苦にならなくなってきました。  車は便利ですが、その反面、危険を背負っている、そのことを自覚して運転しないという選択をすることも必要だと思います。 写真=小杉さんの顔写真 問=交通政策課 電話=0748−24−5658 IP=0505−801−5658 ■記号の説明・・・問=問い合わせ IP=IP電話