特集「東近江市観光物産振興ビジョン」    人も 自然も 歴史も、み〜んな大好き 暮らしたくなる東近江市へ 写真=百済寺から望む湖東平野。琵琶湖や比良山系まで見渡すことができます。      四季を彩る山々や田園風景、古くから残る町並み、地域に伝わる伝統の祭り、由緒ある寺社仏閣など、本市には、全国に誇れる多くの観光資源があります。  今後、さらに観光・物産の分野を盛り上げ、地域の活性化につなげるため、「東近江市観光物産振興ビジョン」を策定しました。 ■“ほんもの”を求めて  みなさんが、個人や家族、仲間と旅行をする時、どこに出かけたいと思いますか?景勝地のすばらしい眺め、趣のある町並み、名物料理など、さまざまな場所が候補に挙がるでしょう。旅に求める理由は個々に違いますが、どれをとっても、普段と違った体験ができるところではないでしょうか。非日常を楽しむ、これこそが旅の醍醐味といえます。  同様に、本市を訪れる人たちも、ここにしかない魅力を求めて来られているのだといえます。 ◆東近江市の暮らしに根付く“ほんもの”とは? @自然や歴史に根ざしたもの A暮らしや営みから生まれたもの B東近江市の人が大切にしているもの Cこれらの考え方が表現されているもの Dこれらの表現が伝わり、感動するもの ■もう一度訪れたい場所へ  では、東近江市だからこそ味わえる魅力とは何でしょうか。  鈴鹿の山から琵琶湖まで、さまざまなアウトドアが楽しめる自然環境、縄文・弥生期の遺跡や中世から伝わる祭りや文化などの歴史的資産、今も残る近江商人の町並みなど、本市にはたくさんの魅力があります。  しかし、平成22年度滋賀県内の市町別観光入込客数の調査では、本市は近隣の彦根市(4位)や近江八幡市(5位)に続く7位となっており、その魅力が十分に伝わっていないことがわかります。  そこで、今回策定した「東近江市観光物産振興ビジョン」では、次のような3つの戦略を設定しました。  この戦略では、東近江市の暮らしに根付く“ほんもの”に焦点を当て、物産の育成や隠れた観光資源を広く発信することで訪れる人を増やしたいと考えています。  さらに、魅力を肌で感じてもらうことで、東近江市を好きになってもらい、何度も訪れてもらえるリピーターを増やす取り組みを進めます。 ◆「東近江市観光物産振興ビジョン」暮らしたくなる東近江市  平成25〜28年度(4年間)を目標に、東近江市のイメージづくり、市民の愛着の醸成、地域の農林水産業・商工業の振興などを次の3つの戦略で取り組みます。 ◇戦略1【観光物産戦略】 東近江市の暮らしに根付く“ほんもの”を育てる  ●魅力的な物産づくり「東近江市が生んだほんもの物産づくりプロジェクト」   日々の暮らしから生まれた物産の発掘や新商品を開発します。また、地元の食材を活用した郷土料理が提供できる場をつくります。  ●いなかを満喫「里山里地里湖(さとうみ)・いなかほんもの体験プロジェクト」   農業体験など豊かな自然環境を生かしたプログラムを拡大・充実させます。  ●近江商人を核とした観光「悠久の歴史文化と近江商人の知恵活用プロジェクト」   全国的に知名度の高い近江商人をメインに、縄文・弥生期の遺跡や万葉文化など市内各地に存在する歴史文化資源をつなぎ活用します。 ◇戦略2【情報発信戦略】教えたくないほど大好きな東近江市を伝える  ●市民によるとっておきスポットの発信で認知度アップ「東近江市の魅力の市民発信&ブランド構築プロジェクト」    市民が直接、市の魅力を伝える「市民リポーター制度」を新しく設置するほか、「東近江ブランド」を作り、市の認知度を高めます。 ◇戦略3【人材育成戦略】市民みんなが“おもてなしびと”になる  ●人は宝「東近江市の観光まちづくり人材育成プロジェクト」    市民みんなが来訪者に魅力を発信できる「おもてなしびと」になれるよう観光資源の周知活動に取り組みます。また、観光に携わる人と市民が交流し、情報を共有する場をつくります。 ■観光地から暮らしたくなるまちへ  また、このビジョンは、“市民も来訪者も暮らしたくなる東近江市”をコンセプトに策定しました。  観光や物産の振興をするのに、暮らしたくなるってどういうこと?そんな声が聞こえてきそうです。  これまでも観光の分野では、リピーターを増やし、地域経済や産業の活性化を図ることが必要だとされてきました。  もちろんリピーターとして来ていただくことは大事です。しかし、観光を通じてまちを盛り上げようとする時に、観光スポットを訪れてもらうだけでは、来訪者はお客様のままで、発展のための新しい発想や力を出していただくことができません。  魅力ある観光資源であり続けるためには、地域で大切に守られてきた自然や文化、歴史などの観光資源に愛着を持ち、私たち市民と一緒になって守り将来へとつないでくださる来訪者になっていただくことが必要です。 ■大好きな東近江市へ  今後、観光・物産を振興する取り組みを通じて、人と人との出会いから新たなつながりが育まれるように働きかけます。その中で、市民だけでなく訪れた人も本市に愛着を持ち、誰もが住みたい、住んでよかったと思えるまちをめざします。 ◆「笑顔でお見送りする時が一番ホッとします」  五個荘観光ボランティアガイド協会 林 輝子さん(五個荘竜田町)  平成8年から、五個荘近江商人屋敷を中心に金堂地区のボランティアガイドを務めています。  当日、お会いしてあいさつを交わした時に、案内する人の人数や性別、年齢層などから、どんなことを知りたいか求めておられるものを考え、プランを組み立てています。  帰り際に「楽しかった。また来ます」と言っていただけると、とてもうれしいですね。  良いガイドをするためには勉強も欠かせません。五個荘観光ボランティアガイド協会で開催される月1回の勉強会に参加し、仲間と情報交換しています。  これからも、当時の面影を残す近江商人屋敷など地域のすばらしさを伝えていきたいです。 写真=近江商人屋敷をガイドする林さん ◆かやぶき屋根と大きな梁(はり)のある家に一目ぼれしました  佐藤 滋彦さん、恵子さん(政所町)  平成24年、20年間暮らした長野県から、政所町にある築100年以上の民家に移住しました。  もともと永源寺地域には、30年程前に趣味(滋彦さん)の釣りをするため、当時住んでいた大阪から通っていたことがあります。その時から紅葉や星空がきれいで、自然の宝庫だと思っていました。  移住してからは、ご近所さんにおすそ分けをいただいたり、お祭りや地蔵盆の時にはおいでと誘っていただくなど、地域の人の温かさを感じます。最近では、「政所茶レン茶゛ー(チャレンジャー)」(下記参照)のみなさんも遊びに来てくれます。  山菜や湧き水など豊かな自然環境は、住んでいる人には何でもないものかもしれませんが、生かさないのはもったいない。  若い人たちなどと知恵を出し合い、地域を盛り上げられたらいいですね。 写真=自宅前に立つ滋彦さんと恵子さん 写真=炭で暖を取られている佐藤さん宅。パチパチとはじける火を見ながらお酒を飲み、ジャズを聴くのが好きなのだそうです。 ◆伝統ある茶畑を盛り上げよう!「政所茶レン茶゛ー(チャレンジャー)」  滋賀県立大学の学生・院生、卒業生や社会人などのメンバーが、地域の人たちと一緒に、伝統の政所茶を活用した地域の活性化にチャレンジしています。  茶農家にお借りした茶畑で栽培、加工、販売までを行うことを目標に活動されています。 写真=政所町に広がる茶畑 ◆ぜひご活用ください 観光物産ガイドブック「ゆうゆう東近江市」発行  東近江市の魅力をたっぷり紹介した観光物産ガイドブック「ゆうゆう東近江市」を発行しました。  市役所本庁やぷらざ三方よし(市観光協会)などに設置しています。  このガイドブックを持って市内を散策してみませんか? 写真=「ゆうゆう東近江市」を持つ女性 問=観光物産課 電話=0748−24−5662 IP=0505−801−5662