■記号は、場=場所 定=定員 ¥=費用 申=申し込み 問=問い合わせ 特集 夢を形に 女性のための創業塾 小さなお店の開き方     昨年の7月・8月に開講された女性のための創業塾。今、その修了生たちは、トリマーや雑貨店、カフェのオーナーなど、さまざまな分野で活躍されています。今回は、輝 く一歩を踏み出された女性を紹介します。 写真=昨年開講された創業塾の講義の様子 ■素敵な笑顔で生きていきたい  「私の得意なこと、やりたいことを仕事にしたい」「もっと笑顔で毎日を過ごしたい」。そんな思いから自分のお店を持ってみたいけれど、ちゃんとやっていけるのか、やっぱり不安…。  このような女性の背中をそっと押してくれる、『女性のための創業塾』を、八日市商工会議所、東近江市商工会、東近江市の3者が連携して昨年開講しました。専業主婦や会社員など20歳代から60歳代まで幅広い年齢層の女性29人が集まり、そのうち8人の修了生が創業されています。東近江市商工会職員で塾の運営に携わる経営支援員の大和田絹代さんは、「修了生が創業されることは、やっぱり嬉しい」と振り返ります。 ■商業の新たな担い手を育成  本市内外を問わず、中小企業の数は減少傾向にあります。その原因のひとつが、次世代の担い手不足です。八日市商工会議所が平成21年に実施した市内事業所の実態アンケート調査では、回答した事業所のうち約4割が事業承継に悩んでいることがわかりました。  そこで、企業の減少を食い止めるため、事業を承継する若手を育成する一方、新たな商業の担い手を育成する取り組みとして『女性のための創業塾』が開講されました。対象を絞った理由として、女性の活躍を後押しすることで地元経済の活性化につなげたい、さらには「元気なまちは、女性がいきいきとしているまちだと思います。自分の中で眠っている能力をぜひ輝かせてほしい」という大和田さんの思いも込められています。  今年も開講する創業塾では、経営コンサルタントの上田実千代さんから収支計画の立て方などを学び、ビジネスプランを立案します。そのプランをもとに、希望者は能登川地区の「子民家etokoro」などで期間限定のチャレンジショップを構えることができ、立案したビジネスプランをより洗練させることができます。講義による気づき≠ノ加え、そこから創業に繋げる仕掛けが、創業塾には存在します。 写真=創業支援に携わる大和田さん ■夢を描く女性を応援  多くの修了生が創業した喜びもさることながら、「創業塾を修了した後も、連絡をくれたり、相談にきてくれたりするのがとても嬉しい」と大和田さん。夢を形にする女性を応援するため、商工会のネットワークを使って専門家を紹介するなど、奔走されています。大和田さんは、「夢への漠然な思いに悩む人でいいんです。この塾を受けてから数年後に、再び相談に来てくれて、そこから歩き出す人でいいんです。土日だけお店を出したい、仲間とコラボしたお店を出してみたい。そんな人たちが、たくさん根付いてくれたら」と創業塾への熱意を話してくれました。  人は前に進むとき、不安な気持ちを抱えることもあります。この塾では同じ道を進もうとする仲間や、商工会、商工会議所職員の支えが、そんな人の背中をそっと押してくれるはずです。あなたがもっと笑顔になれる一歩を、踏み出してみませんか。 ◆ とにかく、動いてみないと何も始まらない  京都市の法律事務所で働いていた八尋さん。その後トリマーになりたいと専門学校に通い、29歳の時に資格を取得。それと同時にサラリーマンの夫と結婚し、東近江市に住まいを移しました。現在、8歳の女の子と5歳の男の子が元気に家の中を走り回っています。  「資格を取得したものの、子どもに手がかかるので、7年間はさみを持っていませんでした」と話す八尋さんは、いつか自分のお店をと考え、不安を取り除くためにペットショップでアルバイトを始めます。そしておよそ1年半が経ったころ、女性のための創業塾を知り、独立へのきっかけにと参加しました。  「とにかく、考えるだけでなく動いてみないと何も始まらないと思うんです。創業塾では、子どもを背中におんぶしてお店を出している仲間もいました」と話す八尋さんは、家族の理解や商工会職員のサポートもあり、市内の自宅でペットのトリミング店『りんごの木』を昨年の12月にオープン。お客さんも、八尋さんが散歩途中で出会った人にチラシを配るなどして、少しずつ増えていきました。  「私が楽しそうに仕事をしている姿をみて、夫も定年退職後、好きなことで仕事をしたいって言うようになりました」。素敵な笑顔で周りを巻き込みながら、思いを行動に移し、八尋さんは夢を実現していきます。 八尋裕子さん 税の申告などをする時に、開業したんだと実感します。創業にあたっては、商工会の大和田さんの「わからないことがあればなんでも聞いて」という言葉が心強かったです。今年の創業塾では、創業の体験談やお仕事のお話をさせていただく予定です。 りんごの木/電話=0748-42-9713 写真@=ペットの美容師、トリマー。ハサミさばきは手馴れたもの 写真A=5歳の息子悠介君は、お仕事中のお母さんによくちょっかいを出しに来るのだそう 写真B=左から2番目、先の曲がったハサミが丸くかわいく仕上げる秘訣 ◆ 「これから始めるんだ」という塾生仲間のパワーに刺激  市内の自宅の一室で3年前からアロマリンパトリートメント「Re:Birth」を営む村井さん。勤めていたお店が廃業となり、常連のお客さんからの要望に後押しされた形での開業でした。独立をしたものの、仕入れなどすべて自分で行う大変さや、上司には頼れない責任の重さに自身の甘さを感じつつ、また収益や損失といったお金の管理の仕方に困ったこともあり、女性のための創業塾の門をたたきました。「講義では、難しい突っ込んだ内容もありました」と頭を抱えながらも、今では講義を踏まえ、工夫しながら立ち向かっています。  また、村井さんは、講義だけでなく、創業塾を受講する仲間から多くの刺激を受けたと話します。「これから始めるんだというパワーが凄かった。生ぬるい気持ちで参加して、こんなんじゃだめだという気持ちになりました」。今でも仲間たちと連絡を取り合ったり、一緒にショップを出したりしているそうです。  村井さんは、仕事をする上でお客さんとのコミュニケーションを大切にされています。「お客様によって異なる癒し≠汲み取ることに気をつけています。お話を聞いたりして、少しでも安らいでいただければ」。  日々勉強と話す村井さんの真剣に仕事と向き合う姿が、凛として輝いていました。 村井枝里香さん ー創業塾を受講してー 講師の方はとてもパワフルで、ご自身のパートから創業に至るまでの経験も話してくださり、とても興味深かったです。チャレンジショップを構えた子民家etokoroの蔵は、古くて趣きがあり、落ち着いたいい雰囲気でした。 Re:Birth/電話=080-5762-1182 写真@=落ち着いた雰囲気の店内 写真A=お客さんの気持ちに合わせて、アロマオイルを選びます 写真B=塾生仲間が作るプリザーブドフラワーを販売中 ◆平成25年度 女性のための創業塾 第2期生募集  日程         内容 @6月29日(土) 創業のための基礎知識、創業計画書の書き方、創業塾修了生の創業体験談&質疑応答 A7月6日(土) マーケティングの基本             お客様の声を聴くコーチングスキル B7月13日(土) 売上予測・損益予測の考え方 C7月27日(土) 公的支援制度の紹介、売れるお店の販売促進 D8月3日(土) ビジネスプラン発表会 いずれも10:00〜16:00 講師:中小企業診断士 上田実千代さん(写真)    ビジネスコーチ 栗栖佳子さん 場=東近江市商工会能登川支部 定=20人(申し込み先着順) ¥=10,000円 申=6月21日(金)まで 申問=東近江市商工会本部 電話0749-46-8770