■記号は、問=問い合わせ IP=IP電話 特集@:見守ってくださった 地域のみなさん       今までありがとう。僕たち、私たち、卒業します。  3月末が近づいてきました。そう、卒業の季節です。  子どもたちは期待と不安を胸いっぱいに抱えながら、次のステップへと進んでいきます。  学校生活を振り返ると、つらいことも、楽しいこともありました。そして子どもたちの学習や思い出の中に、絵本を読んでくれた人、あるいはあいさつをしてくれた交通立ち番の人もあるでしょう。そうした今までお世話になった地域のみなさんに、お話をうかがいました。 ●地域の子どもを地域で育てる   あかね通学合宿実行委員   大塚 ふささん 写真=大塚ふささん  蒲生地区の小学校6年生を対象に、5年前からあかね通学合宿を行っています。集会所に宿泊し、炊事、洗濯などを子どもたちだけで行います。生活力の向上だけでなく、親の苦労を子どもたちが知る機会にもなります。親も、わが子がいないさみしさを感じることで、互いに存在を確かめ合う期間になればと思っています。  合宿を受け入れるのは自治会です。宿泊時のお世話だけでなく、大正琴や親父バンドを体験させたり、伝統行事で奉納するお寿司を作ったりします。子どもたちのためなら一肌も二肌も脱ぐという地域のみなさんの気持ちが、この合宿が継続している一番の理由ですね。  みなさん、卒業おめでとう。機会を逃さず、今しかできないことを大切にしてください。 写真=あかね通学合宿の炊事の様子 写真=蒲生西小学校の6年生 吹き出しコメント「ごはんや洗濯など、みんなで協力してできました。楽しかったです!」 ●心豊かに、成長してね   ひまわりおはなし会   深尾 智子さん 写真=深尾智子さん  「ひまわりおはなし会」を仲間とともに作って30年。五個荘地区の保育園や幼稚園、小、中学校などで絵本の読み語りや紙芝居、素話などを行っています。  読み語りや素話は、頭の中で場面のイメージを描いたり、登場人物の感情を読み取ったりといった想像力を駆り立てます。見るだけですべての情報を与えてくれる「映像」では培えません。また、絵本の美しい文章から、豊かな言葉の表現も感じてくれたらいいなと思います。この読み語りの活動が、子どもたちにとって本を手に取るきっかけとなれば、とても嬉しいです。  卒業おめでとうございます。少しずつ大きくなって、そして周りの人を思いやる心を育んでくれたらと思います。 写真=読み語り活動の様子 写真=五個荘小学校の6年生 吹き出しコメント「いろんな本を読んでくれて、わくわくしました!」 ●気をつけて、帰ってね   子ども見守り隊   門野 幸一さん 写真=門野幸一さん  八日市西小学校区で170人ほどが登録している子ども見守り隊に、私も参加しています。当番を決めて、毎日誰かが子どもたちの登下校をサポートしています。オレンジのジャケットを着て、列が横に広がらないように、交差点で安全に道を渡れるように、時には、けんかをしないようなだめることもあります。「おはよう」「さようなら」といったあいさつも大切にしています。  普段、子どもたちと直接話す機会がなかったのですが、見守り隊の活動でよく話すようになりました。「おっちゃん、ありがとう!」という一言で、つい嬉しくなります。  みんな、卒業おめでとう。中学生になっても、気をつけて登下校してください。 写真=登下校時の見守り活動の様子 写真=八日市西小学校の6年生 吹き出しコメント「寒い日も毎日見守ってくれて、ありがとう!」 ●多様な支えに感謝   市原小学校 橋野 勝校長  学校は、文化や豊かな人間性を持つ「地域」の教育力と、その教育力が浸透した「家庭」に支えられています。子どもが知を蓄え、仲間を育むことを通して、学校は地域に還元していく必要があります。  本校では、除雪作業や奉仕活動などのボランティアに加え、近年では各集落にミニ図書館を設置する活動や、校区を花でいっぱいにする活動などを地域と学校が協力して進めています。地域のみなさんからは本当に多くのパワーをいただいています。  地域の手助けを大事に思い、感謝しています。ともに歩んでいけることを幸せに思うとともに、地域の手助けに甘えてしまわないことも大切ですね。