請願討論 ◎請願第9号 TPP交渉「大筋合意」に関する請願  国会決議は、農産品重要5品目については関税の撤廃だけでなく削減も行わない「除外」であり、 これが満たされない場合は交渉からの撤退を明記しており、国会決議違反は明白です。  日本の農林水産業への影響は計り知れず、食料自給率をさらに引き下げ、日本を「存立危機事態」 へと追い込むものです。  政府は、自民党の選挙公約や国会の決議を無視し、「大筋合意」を行ったことは許されず、政府 は「大筋合意」を撤回すべきです。ましてや、この「合意」に基づくTPP協定への調印、批准は 認められません。 一.大筋合意の内容を余さず開示し、国民・国会の論議を保障すること 一.衆参国会決議を守ること 一.農林水産業への影響調査をおこない公表すること 賛成討論  岡ア嘉一議員  TPP交渉で大筋合意がなされた今、日本の国益を考え、速やかに内容が公開されるとともに 国民的な議論がされ、国家あげての対策を強く求める。  日本の農業は、法人化や農地の集積が実施されているが、国際的な競争に耐えられるものでは ない。  また、輸入米の影響や使用農薬、遺伝子組換作物など、日本の基準との関係も心配される。  農業従事者等が今後も安心して働ける状況や、若者が参入しやすい構造改革などへの取り組み が行われることを切に願う。 その他賛成討論者 野田清司議員 反対討論  加藤正明議員  市内の4JAからのご意見にもあるように、国内農産品の保護は重要であり、農業者の不安を 払拭するための万全な国内対策を実施するなど、国内の農業構造の改革や農産品の輸出構造が確立 するまでの間、段階的な関税削減やTPPに対応できるよう、国は早急な対策を実施すべきである。  しかし、今回の請願においては、農林水産業への影響調査の実施・公表など請願趣旨は理解する が、請願内容はTPP大筋合意からの撤回、調印および批准に反対するとなっている。  TPPは他の視点から、重要性、必要性を論じることも不可欠である。 ◎請願第10号 「治安維持法犠牲者国家賠償法(仮称)」の制定を求める請願書  大正14年に制定され、その後改悪された治安維持法は、国体を変革し、私有財産制度を否認して、 すべての結社や個人の言論と運動を犯罪とし、死刑を含む重罰に処する悪法でした。  治安維持法により、革新政党や労働組合はもとより、宗教団体をはじめ、果ては自由主義者まで、 逮捕者は数十万人にのぼり、獄死者も出ました。  治安維持法は廃止されましたが、何らの謝罪も被害補償もされず、今日に至っています。 一.国が、治安維持法は悪法であったことを認めること 一.国が、治安維持法犠牲者に謝罪し、賠償をおこなうこと 一.国が、治安維持法による犠牲の実態を調査し、その内容を公表すること 賛成討論 野田清司議員  治安維持法は、自由と民主主義、平和を求める全ての結社や個人の言論と運動を犯罪とし、死刑 を含む重罪に処する悪法であった。  逮捕された者は数十万人、拷問により虐殺された者は93人、獄死したものが400人余りに上って いる。  この法律は廃止されたが、何ら謝罪も被害補償もされず今日に至っている。  法制定以来、今年で90年を経過しており、犠牲者もそれぞれ高齢に達していることからも、一刻 も早く国家賠償法の制定が必要だ。 その他賛成討論者 西澤善三議員 反対討論 市木 徹議員  請願には、政府は悪法と認めよとあるが、治安維持法は当時の国家にとって必要であり、政府に おいて適法に制定されており、現政府が悪法であったと認めることはできない。  よって法律に基づき処罰されたことに対し、賠償することも不可能である。  言論の自由がなかった時代に気骨にも反戦の言論を述べられ、当時の法律によって処罰された方々 には、現在の社会においては思うところもあるが、法律論においては、法律による適法な処罰におい ての国家賠償法の制定には反対である。