東近江市のオンリーワンみいつけた!  県外に住む友人が遊びに来たとき、東近江市のどんなところを紹介しますか。県外に行ったとき、東近江市ってどんなところだと紹介しますか。  「東近江市には何もない。」という声を耳にすることがありますが、本当にそうでしょうか。生活している私たちにとっては日常のことでも、ほかの地域から見ると特徴的で、魅力的ということがあります。  鈴鹿山脈や琵琶湖、またこれらをつなぐ河川などの自然資源、さらにこうした自然の恩恵により味わい深いあいとうメロンやぶどうなどの農産物が育ちます。また、聖徳太子にゆかりのある百済寺や、永源寺、太郎坊宮などの寺社仏閣。昨年日本遺産に認定された重要伝統的建造物群保存地区と伊庭の水辺景観。これらは東近江市にしかない宝物です。  そんな宝物を取り上げ、皆さんに紹介していきます。「東近江市にはコレがある!」と自信を持って言えるまちに。さあ一緒に東近江市の宝物を再発見しましょう! 写真=鈴鹿山脈、千草街道、雪野山、伊庭内湖、田園風景、ドラゴンカヌー、百済寺、永源寺、太郎坊宮、木地師、近江鉄道、ドケ踊り、江洲音頭、鮒寿司、近江牛、政所茶、菜ばかり、にごりワイン、永源寺こんにゃく、ホンモロコ、近江の麻、あいとうメロン、ぶどう、梨、地酒、万葉の文化、ひな人形、ちょこっとバス、伊庭の水辺景観、重要伝統的建造物群保存地区 VOL.1近江牛  きめ細かな赤身に良質の脂肪が入り混じった柔らかな肉質、一口食べると甘みのある脂が溶け、独特の香りが広がると言われている国内最古のブランド牛「近江牛」。しかしながら、「近江牛」と「東近江市」のイメージがつながらないというのが正直なところかもしれません。  本市における近江牛の畜産農家数は滋賀県下で2番目に多く、本市が約15パーセントを占めます。鈴鹿山脈からの良質な水と、湖東平野に広がる肥沃な土壌という最適な環境に恵まれ、本市の近江牛は育てられてきたのです。  今回は「東近江市の近江牛」について、調べました。 ■実は近江牛の歴史に東近江市も関連がある!?  江戸時代には牛肉は薬用とされていました。1687年に彦根藩で牛肉の味噌漬けが考案され、養生薬「反本丸(へんぽんがん)」として日本各地に知られていきました。当時、彦根藩の区域であった現在の愛東・湖東・能登川地区においても、農耕用として牛が飼われていました。もしかするとこの地域の牛も、近江牛の起源に関係しているのかもしれません。 ■実は近江牛のほとんどが九州生まれ!?  「豊かな自然環境と水に恵まれた滋賀県内で最も長く飼育された黒毛和種」が近江牛の定義とされています。近年は市内の農場で繁殖させる農家も増えてきましたが、畜産農家の多くは主に宮崎県や熊本県、鹿児島県などの九州地方から黒毛和種の子牛を購入し、東近江市で育てられています。 写真=子牛2頭(ボクたちは鹿児島県から来たんだよ〜) ■実は本市には品評会で最優秀賞の牛がいる!?  滋賀食肉センターでは定期的に共進会などによる近江牛の品評会が開催されています。  昨年11月、近江、松阪、神戸の「日本3大銘柄和牛」などが一堂に会して牛肉の出来ばえを競う「近畿東海北陸連合肉牛共進会」が京都市で開催され、大中町の畜産農家である田井中龍亮さんが出品した和牛(雌牛の部)が最優秀賞に輝きました。 写真=龍亮さんの息子さん夫妻、枝肉(近江牛がこの賞を受賞したのは8年ぶり!) ■畜産農家インタビュー ◆子どもを育てるように、牛を育てる  大中町で沢牧場を経営する沢晶弘さん(67歳)。農協に勤めながら乳牛を育てていましたが、25歳で退職し畜産業に専念、30歳のときに現在の場所に牧場を設け、肉牛の飼育を始めました。 ○牛を見れば分かる 「ねり(口を咀嚼するような仕草)を噛んでいるのは元気な証拠。目やにが出ているからこの子牛は寝すぎや。」と、ちょっとした牛の様子から体調や性格などを語ってくれます。そんな沢さんも当初は牛の体調がまったく分からなかったそうで、夜10時に獣医さんを呼んだこともあったとか。 ○近江牛ブランドを確立したい   沢牧場では1日2回、近江米のワラとえさを与えています。外国産の肉に赤身が多いのはワラがないからで、このワラが近江牛の美しいサシのもとではないかと沢さんは話します。えさは麦やとうもろこしなどの配合飼料で、大中の畜産農家や農協と相談しながら配合を決めているそうです。「昔はそれぞれの農家がえさを配合していたので、牛の育ち具合も様々だった。1軒だけが良い牛を育てても意味が無い。近江牛のブランドを広めるためにはみんなで底上げしていかなければならない。」東近江市の近江牛を全国へ発信していくためにどうすればよいか、日々、仲間と議論を交わします。  ○牛飼いとしての役割  沢牧場では、中国・九州地方で買い付けた生後10か月の子牛を、牧場で約20か月育てた後出荷します。愛情たっぷりに育てた牛を手放すのは寂しくないかと尋ねると、「牛の能力を最大限に引き出し、一番満足した状態で出荷できるように育てている。そのために技術を磨くのが我々の役目。」と話し、次に出荷するという米俵のようにまん丸に育った牛に優しい眼差しを向けました。 ■牛の個体識別番号に注目してみよう!  平成16年12月1日に施行された、「牛肉の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法(通称:トレーサビリティ法)」により、国産牛肉には10桁の個体識別番号がつけられ、個々の牛が生まれてから食肉になるまでを一元管理されるようになりました。  この10桁の番号は精肉店ではもちろんのこと、スーパーマーケットなどでパック販売されている牛肉にも表示されています。この番号を家畜改良センターのホームページなどで検索すると、牛の生年月日、性別、飼育地や飼育者などの情報を確認することができます。 写真=牛個体識別番号が記載されたパック売りの牛肉 (独)家畜改良センター提供 ■東近江市で市内産の近江牛を食べる 「肉を食べると元気になる」とよく言われますが、これは近江牛のサシと言われる良質な脂に起因します。  頻繁に食べるものではないかもしれませんが、「近江牛を食べよう!」と、市内のお店に足を運び、お肉を買うときには、10桁の個体識別番号に目を向けて、東近江市産を選んでみませんか。  自然の恵みと畜産農家の思いがたっぷりつまった地元の近江牛は、あなたを元気にしてくれるでしょう。 ■市内で近江牛が買える・食べられるお店を紹介しています。 東近江市観光協会  住所=五個荘塚本町279 電話=0748-48-2100  HP=http://www.higashiomi.net/ 問=広報課  電話=0748−24−5611 IP=050−5801−5611