■記号は、問=問い合わせ IP=IP電話 情報ピックアップ ■東近江市のオンリーワンみいつけた! VOL.2 天然ホンモロコ 写真=ホンモロコ ◆名前 ホンモロコ(コイ科) ◆体長 10〜15cm(約12g)  春になると、伊庭内湖や大同川流域では天然ホンモロコのふ化が見られ、漁の最盛期を迎えます。今回は、琵琶湖の固有種であり、コイ科の魚の中で最も美味とされる「天然ホンモロコ」を紹介します。  本市では、ホンモロコの価値を皆さんに知ってもらい、特産品化を図るため、能登川漁業協同組合と能登川料理飲食組合が中心となって、昨年5月に「東近江市ホンモロコ特産品化推進協議会」を立ち上げました。その後、8月にホンモロコシンポジウムを開催し、10月に能登川ふれあいフェアへの出展、1月には能登川料理飲食組合加盟店での「ホンモロコ試食キャンペーン」と、協議会が主体となって様々な取り組みを行ってきました。  伊庭内湖は水温が高めで湧水が多く、プランクトンなどの餌が豊富なため産卵に適し、さらに稚魚が成長する格好のポイントとなっています。また、外来魚駆除や能登川漁業協同組合が4年間実施してきた産卵期における自主禁漁(4月中旬〜5月中旬)などの取り組みにより、多数の稚魚が生き残って成長し、ふ化した場所に戻って産卵するという循環が生まれています。  ホンモロコの親魚の約95%は1歳であり、 そのほとんどは一生に一度だけ産卵します。  伊庭内湖で産まれた稚魚は6月ごろには全長2〜5cmに成長し、琵琶湖へ移動します。中主沖、彦根沖、竹生島、白石、今津沖など広域に分散し漁獲されますが、滋賀県水産試験場の調査では琵琶湖の天然ホンモロコの約30%が伊庭内湖に由来することが分かりました。 ●平成27年8月1日ホンモロコシンポジウム 写真=「ホンモロコの生活」と題した講演 写真=ホンモロコの炭火焼と佃煮の試食会 ●平成27年10月18日 写真=能登川ふれあいフェア ●平成28年1月18〜24日 写真=試食キャンペーン ■能登川漁業協同組合長 伊関照男さんインタビュー ◆「本当の美味しさ」を伝えるために  「今日はこんだけや。」3月某日、能登川漁業協同組合には次々と漁師仲間が集まってきました。前々日に降った雪で水温が低いことが影響しているのか、本日の収獲は両手に収まるほどだったようです。   同組合は、平均年齢70歳、23人の組合員で構成されています。代表理事組合長を担い2年になる伊関照男さん(71歳)は、「ホンモロコやニゴロブナの水揚げ時期である3月から5月にかけて、伊庭内湖は活気付きます。ホンモロコは刺網(夕方に網を仕掛け、早朝に網をあげる)という手法で獲るのが一般的です。」と漁について語ってくれました。  ホンモロコは平成6年ごろから減少し、市場から消えた時期がありました。平成20年ごろから漁獲量は復活してきましたが、これをさらに増やすために平成24年から伊庭内湖での産卵期における自主禁漁を始めました。開始から4年、この取り組みはホンモロコの生態系に大きく寄与していることが分かり、琵琶湖全体でもこうした禁漁の取り組みを始めてはどうかと検討されているそうです。  「ホンモロコは獲れたてのものを焼いて食べるのが一番おいしいが、生のホンモロコを販売している小売店は少ない。一般消費者が獲れたてのホンモロコを買える場所を増やしたい。」ホンモロコの魅力を広めるための取り組みは続きます。 ■能登川料理飲食組合長 小林晃さん、同組合 堀川卓次さんインタビュー ◆高級食材の旬を味わうなら春と秋  春は子持ちの、秋は脂がのったホンモロコを味わうことができます。ホンモロコはクセのない上品な味で骨まで柔らかく食べられます。また、高級食材として京都の料亭などでも提供されています。  「川魚を食べることは長寿の秘訣だと思っています。特に子どもたちには、伊庭内湖の恵みで育ったホンモロコを食べて、丈夫で健康に育ってほしいですね。」(能登川料理飲食組合長・小林晃さん・写真左側)  「川魚はクセがあると思っている人が多いと思いますが、食べたことのない人にもおいしいと言ってもらえるように、臭みを消すなど工夫しながら料理をしています。」(同組合・堀川卓次さん・写真右側)  能登川料理飲食組合加盟店では年間を通してホンモロコを提供しています。加盟店については、東近江市ホンモロコ推進協議会事務局へお問い合わせください。 問=東近江市ホンモロコ特産品化推進協議会事務局(能登川支所内)  電話=0748-42-1331 IP電話=050-5801-1331