■記号は、問=問い合わせ IP=IP電話 情報ピックアップ ■東近江市のオンリーワンみいつけた! vol.3   東近江の地酒 水あり、米あり、名酒あり。  田植えの季節が終わり、湖東平野に緑豊かな苗が揺れる。雄大な鈴鹿山脈から愛知川が流れ出し、地の下に潜った水流は、時間をかけて豊富な地下水になる。そして、良い米、良い水があるところに、名酒がある。  本市には、古くから酒蔵が数多く存在し、この土地の風土が染み渡ったその味を、蔵元が長い歳月の間守り続けてきました。人々はその味をこよなく愛し、地域がお酒を育ててきました。  そんな東近江市の地酒に今、注目が集まっています。若手蔵元の誕生や、酒蔵の魅力が詰まったこだわりの銘酒の醸造が相次いでいます。また、この地で日本ワインを醸造し、新しいライフスタイルや文化の発信も行われています。  全国にファンが生まれ、確かな技術と熱意をかけて造られている東近江市の地酒を、味わってみませんか。 ●近江藤兵衛(増本藤兵衛酒造場/神郷町)  明治初期に蔵元として出発。能登川地区で長年愛され続ける銘酒「薄桜」を造ってきた。愛知川の伏流水を仕込水として使い、口当たりがやわらかいのが特徴。近年では搾り立てを瓶詰めし、蔵元の特徴を閉じ込めた無ろ過の生酒「近江藤兵衛」が人気。増本さんが酒造りから販売までを担い、味と品質を守っている。 ・増本庄治さん(写真) 「地元の神郷営農組合の酒造好適米『吟吹雪』も使用しています。」 ●喜楽長(喜多酒造/池田町)  文政3年(1820年)創業。「喜楽長」は心地よい甘みと酸味がバランスよく調和し、あとキレが良い。地元とともに発展できればと、地元大学生や農業団体とのコラボレーションにも取り組む。喜多さんは「喜楽長」の伝統を継承できるよう、将来、蔵元を継ぐために営業や酒造りに精を出す。地元に愛され続ける酒造りをめざしている。 ・喜多麻優子さん 「愛知川の伏流水は、やわらかく、ふくらみのある豊かな水です。」 ●h3 Caribou(ヒトミワイナリー/山上町)  無ろ過の「にごりワイン」にこだわる。アミノ酸や食物繊維といったうまみ成分を含むオリを一緒に瓶詰めすることで、瓶内での熟成が進みやすく、味の変化が楽しめる。すべて国産100%のぶどうを使った「日本ワイン」。この地でパンとワインのあるライフスタイルを提供するため、澤田さんは笑顔を大切にしながら、お客さんを出迎えている。 ・澤田枝里さん 「土地の風土が感じられるワインになるよう意識して造っています。」 ●近江龍門(近江酒造/八日市上之町)  大正6年創立。熱燗にするとうまみが増すのが特徴で、特別純米の「近江龍門」はスローフードジャパン燗酒コンテスト2015で最高金賞を受賞した。味を丸くするために創業当時からある土蔵で半年寝かす。30年以上寝かした濃厚な貴醸酒や、酒かすを使い、タンクで20年熟成させた焼酎も人気を博す。 ・今宿喜貴さん 「冬は冷え込む土地柄なので、お酒造りに適しています。」 ●一博(中澤酒造/五個荘小幡町)  江戸後期に創業。昨年、15年ぶりに自社の蔵で酒造りを再開した。休業の間は畑酒造で酒造りに携り、中沢さんの独自銘酒「一博」を造りながら「必ず再開したい。」と強い思いを持ち続けた。「一博」は甘めでうまみがある一方で、後味がすっと切れ、飲み飽きない。地元から「再開してよかった。」と声を聞き、一層酒造りに打ち込む。 ・中沢一洋さん 「良いお酒ができるのは、地元の良い水、良い米に恵まれているからです。」 ●大治郎(畑酒造/小脇町)  大正3年創業。16年前に生み出した「大治郎」は、味のあるうま口タイプ。原材料にこだわり、地元契約農家と信頼関係を築きながら、酒米を仕入れている。酒造りは年に1回のサイクルで、どれだけ経験を積んでも毎年が大一番の1回勝負。だから難しく、かつ面白いと話す。畑さんは酒造りの細部まで目を光らせ、蔵人たちをまとめ上げる。 ・畑大治郎さん 「水とお米が素晴らしいですね。『豊かな湖東平野』の一言に尽きます。」 ●稲玉(奥野酒造場/下二俣町)  明治38年創業。生酒を杉樽から直接瓶詰めする「生樽酒」にこだわり、杉の香りやフレッシュ感を大切にしている。品質管理が難しい技法だが、長年にわたり磨いてきた技が生かされている。奥野さんが営業や配達までを一手に担い、日々顔が見える関係を大切にしながら販売している。 ・奥野筆夫さん 「市内の祭りで限定酒を販売して、地域との関わりを深めています。」