■記号は、問=問い合わせ IP=IP電話 FAX=ファックス 特集 地元の恵みに恋をする  地元で育ったみずみずしい野菜たち。旬の野菜は新鮮であるだけでなく、生産者と消費者の距離が近く、安心して口に運ぶことができます。  そうした魅力にひかれ、地元の人はもちろん、特産品として市外、県外から買い求めるファンもいます。  さぁ、豊かな自然と愛にあふれた「地元の恵み」をご賞味あれ。 写真=自慢の料理を持ち寄った東近江市消費生活学習会の皆さん ●採れたて安心 旬の味に魅かれる  まごころたっぷりの料理を持ち寄ったボランティアグループ「東近江市消費生活学習会」の皆さん。かぼちゃを使ったパンや冷製スープ、コーンライス、水なすの漬物、ゴーヤの佃煮、糸かぼちゃの酢の物や近江牛のすき焼きなど、地元の農作物をふんだんに使った自慢の料理が並びます。  お待ちかねの試食では、「これ、おいしい。どうやって作ったの。」と会話が弾みます。どの食材も自分の畑で収穫したり、隣近所からもらったり、近くの商店や直売所で買ったものばかり。「地元の野菜は採れたてで安心。季節の旬の味も楽しめて、おいしいよね。」とメンバーの皆さんは話します。 ●食べた人も、恋する味に  同会は、消費生活について正しい知識や考え方を学び、伝えていく活動をされています。その内容は、悪徳商法の啓発や料理教室の開催など多岐にわたります。  本年は地産地消にもスポットをあてて、地元農家を訪ねて農産物について学ぶ勉強会を開催しました。メンバーの皆さんは「地産地消の取組みを多くの人に取り入れてもらえるように、活動していきたい。」と話します。  皆さんが持ち寄った料理は、どれも素材の味が生かされています。愛情たっぷりに育てられた野菜たち。家族や周りの人を思い、支えてきた技とまごころ。その2つが混ざり合い、食べた人は自然と恋に落ちるはずです。 ■地元の恵みを育む 中村 豊さん (39歳 北坂町) 上大森町など市内5か所の農地で、安心安全にこだわった野菜を栽培。「ゆたかマンの農園」の愛称で活躍中。 ●こだわりと愛情を野菜に注ぐ  1年間で約50品種もの野菜を育てる中村さん。消費者と顔が見える関係を大切にしながら、地元のスーパーや直売所、レストランに出荷しているほか、イベントなどでも自ら出店し、丹精込めて育てた野菜を販売しています。  大阪で飲食関係の仕事をしていましたが、野菜好きが講じて「おいしい野菜をつくりたい。」と本市に移り住み農園に勤務し、5年前に独立しました。  中村さんの野菜作りにはこだわりがたくさん詰まっています。肥料は一切使わず、農薬も使いません。特定の異なる野菜を同じ場所で一緒に育てると病気になりにくいといった特性を見極め、根に栄養を蓄え畑の肥やしとなる作物を植えて連作障害を防ぐなど、畑を自然の作用でコントロールします。  種も購入するのではなく、植えて、種をとって、また植えることを繰り返します。次第に野菜もその土地の環境に合うようになり、「土地の風土に染まった味の野菜になります。」と中村さんは話します。「失敗を繰り返して、学んで、ようやく思ったような野菜ができるようになりました。」熱い話しぶりからその長い道のりの苦労がうかがえます。 ●顔が見える関係と絆を大切に  中村さんの野菜は、手間と愛情をかけているので、値段は少し高めです。それでも、『子どものために、地元で育った安心安全な野菜を』という思いで野菜を買う親が多いそうです。お店に顔をのぞかせたときには、日ごろ中村さんの野菜を愛用している親子との会話が弾み、子どもたちからは「ゆたかマン、肩車して!」とねだられ困ることも。  地元だからこそ、中村さんだからこそ築ける、顔が見える関係と絆。「皆さんの想いが大きなモチベーションになります。」と話す中村さんの笑顔は、次の未来を見据えています。  写真=畑で笑顔でたたずむ中村豊さん ■地元の恵みと出会う  市内には特色ある常設の直売所が9つあります。あいとう直売館が全国直売所甲子園2015で優秀賞に選ばれるなど、本市の直売所は全国的に見ても魅力があふれています。こうした直売所に加え、近年ではスーパーでも地元産にこだわった野菜コーナーや加工品のブースが設けられ、地元の恵みと「出会う」ことができます。 写真=スーパーで野菜を手に持つ店長 写真=直売所で野菜を手に持つ従業員 @菜々笑(垣見町680)  朝市から常設の直売所としてオープン。新鮮な野菜が手に入るほか、平日は毎日惣菜を販売しています。丁子麩のからしあえやおはぎが人気 Aごきげん館(五個荘塚本町279)  昔懐かしいお菓子などの加工品が並ぶのが特徴。てんびんおかきなどお土産にぴったりの商品を、五個荘地区の街の散策と合わせて堪能できます。 B八日市やさい村(八日市緑町27-17)  八日市地区の台所を自負する歴史ある直売所。地元で採れた新鮮な野菜が並ぶほか、お米はその場で精米できます。 C湖東 味咲館(横溝町424)   地元の豊かな自然が育んだ、新鮮でおいしい季節の野菜や果物を手ごろな価格で販売。お食事処柳家も併設し、地元の野菜を使った料理も楽しめます。 D万葉の郷ぬかづか(糠塚町1253)  加工部では地元産環境こだわり米「こしひかり」を精米・製粉し、丹精込めてこねあげた米粉パンや草団子を販売。直売部では有機減農薬栽培された旬の野菜や米、仏花が並びます。 Eあいとう直売館(妹町184-1)  道の駅あいとうマーガレットステーションにある直売所。豊富に並ぶ果樹・野菜類や加工品は、品質にも定評があります。5月からメロン、8月には梨、ブドウなど果物も充実。冬から春にかけて行われるイチゴ狩りも大人気 F旬菜館さくら(桜川西町79-3)  精米サービスはもちろん、米粉機で米粉を作ることができます。地元野菜のほか、味噌や豆腐、おかきなど種類が豊富。烏骨鶏の卵など珍しいものも揃っています。 G永源寺ふるさと市場(山上町123)  周辺の農家が野菜や山の幸を出荷しています。石榑トンネル開通後は県外からの利用者も増加。敷地併設の永源寺そばも人気。こんにゃくや味噌などはお土産におすすめ H道の駅 奥永源寺渓流の里(蓼畑町510番地1)  物販コーナーでは、奥永源寺地域の特産品「政所茶」をはじめ、永源寺地区の魅力あふれる特産物を数多く取り扱っています。 ■地元の恵みを送り出す 端 修吾さん (62歳 永源寺相谷町) 端 信子さん (54歳) ご夫婦で作る永源寺こんにゃくが大好評! ●2人3脚で昔ながらのこんにゃく作り  永源寺地区の家庭の味として受け継がれてきた「永源寺こんにゃく」。きめが粗く、味が染みやすいのが特徴です。「うちは、ガスや灯油でなく薪を使って火をおこし、こんにゃく芋をゆがきます。それがおいしさの秘訣かな。」とご夫婦が話すように、リピーターが絶えません。  端修吾さんがこんにゃく芋の栽培を始めたのは40歳の時でした。こんにゃく芋は風に弱く、病気にもかかりやすいデリケートな作物で、「手を抜くとすぐに病気にかかり、畑が全滅したこともありました。20年ほどかかって、ようやく理想のこんにゃく芋が安定的に収穫できるようになりました。」と修吾さんは話します。  修吾さんの立派なこんにゃく芋を使って永源寺こんにゃくを作るのは妻の信子さん。昔ながらの製法を守り継ぎ、白こんにゃくや赤こんにゃく、永源寺特産の政所茶が入ったこんにゃくを作るなど、まさにこんにゃく加工のエキスパートです。 ●魅力的な「恵み」として光を放つ  夫婦2人が手を携えて作るこんにゃくには熱烈なファンが多く、「ここのこんにゃくじゃないとダメ。」と遠方から買い求める人がたくさんいます。「とても忙しい日々ですが、そうした声がとても嬉しいですし、次へのエネルギーになります。」と信子さんは話します。  お2人は新たにしょうがの栽培も始められ、しょうがジャムなどを開発。修吾さんは「しょうがは獣害に強い。地域に根付く特産品にならないか。」と新しい試みにも挑戦されています。  自然の豊かさだけでなく、手間隙かけた愛情と地域への思いが、多くの人をひきつける「恵み」として光を放ちます。 写真=畑で寄り添い笑顔の端修吾さんと信子さん 農業の力、全国へ発信! 問=農業水産課 電話=0748-24-5660 IP電話=050-5801-5660 ファックス=0748-23-8291 ・全国農林水産物直売サミット  全国の直売所の関係者が一堂に集うサミットを東近江市で開催します。本市や滋賀県の直売所運営や6次産業化などに関する先進事例の発表、現地視察、意見交換を行います。  本市の取組みや新鮮な農作物を全国にPRします! 時=10月20日(木)、21日(金) 場=サミット会場:能登川コミュニティセンター   交流会場:クレフィール湖東(平柳町) ・一日東近江市  東近江市の農産物や特産品を都心部に出向きPRする「1日東近江市」を9月24日(土)、25日(日)に大阪府豊中市のせんちゅうパルで開催しました。  当日は新鮮な農作物の販売などに加え、試食として近江牛を振る舞いました。本市の恵みを堪能し、東近江市へ訪れたような体験をしていただきました。