■記号は、問=問い合わせ IP=IP電話 FAX=ファックス ●多くの観光客が訪れるオンリーワンのまちをめざして  東近江市観光戦略  ※タイトルは東近江市の魅力が詰まった切り絵。鯰江町在住の奥居匡さんの作品です。 地域の資源をつなぎ、魅力を磨く  鈴鹿の山々から琵琶湖まで広がる東近江市は、鈴鹿山脈を源流とする河川が幾筋も流れ、豊かな大地を育んでいます。この「水の流れ」を巧みに取り入れた文化や産業が暮らしを彩り、奥深い歴史を織りなす「時の流れ」を生み出してきました。さらに、多くの街道が交差する本市は、木地師や近江商人に代表される「人の流れ」を作ってきました。こうしたことから本市では、鈴鹿の山々から生まれる「水の源流」、木地師や謄写版(ガリ版)の発祥といった「ものづくりの源流」、そして、近江商人の発祥や市(いち)が立ったことによる「商いの源流」といった源流が私たちの暮らしを支えています。これらの地域資源をつなぎ、魅力を磨き、多くの観光客が訪れるオンリーワンの東近江市を目指すため、「東近江市観光戦略」を策定しました。 ●コンセプト・キャッチフレーズ 近江の水、近江の歴史、近江の暮らしに出会う「東近江市」 ◆水の源流(農業)  琵琶湖へ注ぐ水の集水峡 ◆ものづくりの源流(工業)  木地師(ろくろ技術)発祥の地、謄写版(ガリ版)印刷機発祥の地 ◆商いの源流(商業)  近江商人発祥の地、市が立つまち 3つの源流の魅力を大切にしながら、このキャッチフレーズをもとに観光施策に取り組みます。 知名度や発信力が低いのが本市の課題  本市は、鈴鹿山脈から愛知川・日野川などの河川を通して琵琶湖までの一連の豊かな自然を有しており、そこで培われた奥深い歴史・文化・産業などは私たちの暮らしの中で脈々と息づき、引き継がれています。  しかし、これらの地域資源は、「観光」素材としての結びつきがまだまだ弱く、十分にその潜在能力を発揮できていません。また、市内に大規模な観光施設がないこともあり、本市への観光に対するイメージは希薄です。  合併から10年以上が経過し、「東近江市」としての一体感は醸成されつつあるものの、平成の大合併により誕生した「新しいまち」ということもあり、まだまだ知名度や発信力が低く、ブランド化に至っていないのが現状です。 観光戦略は5本の柱で成り立つ指針  平成25年3月に、市民も来訪者も暮らしたくなる東近江市の実現を目指して「東近江市観光物産ビジョン」を策定しました。これを発展させ、より戦略的、実践的な施策を進めることを目的に、「東近江市観光戦略」を策定しました。  この観光戦略は、行政だけでなく、観光に関わる団体や事業者、市民の皆さんとともに実現するため、「5本の柱」を指針にしています。 ◆5本の柱 1 地域資源の磨き上げ 2 積極的な誘客 3 情報発信 4 受入環境の整備 5 人づくりとネットワーク構築  この5本の柱は単独で成り立っているのではなく、互いにつながり連携することで、より強い柱となり今後の観光事業の支えとなります。 本市の観光について聞きました! ・地域の素材を生かしたい 観光庁による『究極のお土産』に選ばれた工房しゅしゅ (社会福祉法人あゆみ福祉会)  工房責任者 大野眞知子さん  酒粕や丁字麩など地域の豊かな素材を生かした、ここにしかない特徴や物語性のある商品をつくりたいと考えています。工房で働く障害者が経済的に自立して生活できるように取り組みたいです。  当工房は雪野山を望む場所にあります。商品と同様に観光も雪野山や雪野山歴史公園のような地域の豊かな素材を生かして何かできないかと考えています。例えば、蒲生スマートインターチェンジから見えることを生かして、古墳で有名な雪野山に子どもが遊べる場所が整備できればいいですね。  東近江市にも市民一人ひとりが来訪者をもてなす「お遍路さん」のような文化が醸成されるといいですね。 ・地域全体でおもてなしを 全国各地から参拝者が訪れる太郎坊・阿賀神社  神主 松井佑一さん  太郎坊宮は勝利を授ける神様です。そのためスポーツ選手や経営者の皆さんが全国から来られます。初めてお越しになる人は「こんなに良い所があるとは知らなかった。」と驚かれます。より多くの皆さんに魅力を知ってもらえるよう、情報発信に力を入れていきます。  昨年は市内の窯元さんと話し合い、夫婦岩のカケラが入ったお土産を作りました。今後はさらに地域の皆さんと手を携え、お越しになる人に「東近江市の良いモノ」をアピールしたいと考えています。もっと東近江市のヒトやモノとつながりを持てる場があれば嬉しいですね。ぜひ、地域全体で観光客をもてなすという心と絆を築いていきましょう! 観光戦略 3つの重点施策 観光戦略の「5つの柱」を早期に実現するため、3つの重点施策に取り組みます。 1 地域資源の磨き上げと人材育成と連携  地域資源を観光資源とするためには、市民の皆さんがその価値に気づき、地域を越えて互いに共有することが必要となります。そのため、地域に根ざした私たちの資源を発信できる人材の育成に加え、資源を紡ぎ合わせた物語性のある観光や歩いて楽しむまちなか観光の推進に取り組みます。  写真=昨年10月に「水」をテーマにしたツアーを開催。地域の食材をふんだんに使ったランチ 2 ターゲットとニーズを明確にした誘客と情報発信の展開  観光関連のデータや地域情報を収集・検証することで、的確にターゲットと需要を絞り込み、情報を発信します。SNSやPR動画など発信の形態も多角的に展開し、さらに、魅力ある旅行プランを作ってもらえるよう民間観光事業者との連携を進めます。  写真=昨年10月に阪神百貨店(大阪市北区)で、ターゲットを絞った物産展を開催 3 観光資源と土地利用  観光案内、飲食、物産販売、公衆トイレ、駐車場、宿泊などの誘客機能を整えます。本市の観光資源は、市街化調整区域に存在していることが多く、こうした地域について具体的な内容を定めた個別計画を策定し、誘客機能の設置が可能となるよう、関連条例や基準の見直しを検討します。  写真=平成27年10月に開業した道の駅「奥永源寺渓流の里」。季節ごとにイベントを開催 観光のポテンシャル(可能性)を調査しました 本市の地域資源にはリピーターを増やすポテンシャルあり!  中学生、観光関係者などを対象にしたアンケート調査や、不特定多数を対象としたオンラインアンケート調査を実施し、地域資源の現状でのポテンシャル(可能性)を調査しました。  右の表はそのうちの一つで、右にいくほど実際に訪問または体験した割合が高く、上にいくほどその満足度が高いことを示しています。  この表から、全体的に満足度はほぼ高く、リピーターを増やすポテンシャルがあることがわかります。  ほかの調査項目で認知度や興味度は全体的に低いことが判明しており、地域資源にポテンシャルはあるものの、PRに課題が見受けられます。 トピックス1 観光パンフレット「近江の國 ここたび」  本市の観光パンフレット「近江の國 ここたび」が完成しました。  神社や寺院などの名刹、伝統ある祭りのほか、体験施設や食に関する情報が盛りだくさん。  また、市内の写真をたくさん掲載し、「このまちが育んだ、ここにしかない空気感」を伝えるパンフレットになっています。本市の魅力を伝える表紙の切り絵も見どころです。  パンフレットは観光物産課で配布しています。詳しくはお問い合わせください。 トピックス2 おとなりの三重県いなべ市と広域観光戦略を策定  豊かな生態系に恵まれ、アウトドアなどに適している鈴鹿山脈の知名度アップや、両市の観光資源を生かした広域での観光施策を推進するため、本市の観光戦略とあわせて、三重県いなべ市と県境を越えた観光戦略を策定しました。これまで、両市によるアウトドアフェスの開催、両市観光協会によるパンフレットの発行など、交流を深めてきました。  さらに、琵琶湖から鈴鹿山脈を介して伊勢湾に通じる広域観光を進めていきます。  両市の魅力を伝える新たな観光パンフレットも発行する予定です。ぜひご覧ください。  市民の皆さんが大切に守り継いできた、歴史的な景観や社寺。  作り手の愛情がたっぷり注がれた、おいしい作物。  人々の生活と密接し、文化が蓄積された豊かな自然。  私たちの日々の暮らしに目を向けると、たくさんの魅力があふれていることに気づきます。  いつも一息つける景色が、多くの人をひきつける風景かもしれません。  いつも口にしている食べ物が、多くの人を魅了する「大地の恵み」かもしれません。  皆さんにとって、お気に入りの日常は何ですか。  東近江市観光戦略では、本市の観光資源を「水の流れ」になぞらえました。鈴鹿の山々から伝う水は、東近江市の大地を潤し、農業をはじめ文化・産業に恵みをもたらしながら琵琶湖へ注いでいます。  この戦略をもとに、「水の流れ」のように絶えず観光資源を磨き、情報を発信し続けながら東近江市の知名度の向上、ブランド化に向け取り組んでいきます。  皆さんもいっしょに、私たちのまち「東近江市」のお気に入りを伝えませんか。 問=観光物産課 電話=0748‐24‐5662 IP=050‐5801‐5662 ファックス=0748‐23‐8292