■記号は、問=問い合わせ IP=IP電話 FAX=ファクス 地域に住み、地域で働き、    野球で日本一を目指す 県内初!女子硬式野球社会人クラブチーム 東近江バイオレッツ  今年の春、東近江市に県内初となる女子の硬式野球社会人クラブチーム「東近江バイオレッツ」が誕生しました。チーム名は市の花「ムラサキ」から命名し、チームカラーは、市の木「イロハモミジ」が、秋になると真っ赤に紅葉することから赤色に決定しました。  チームの代表は池庄町の中嶋輝さん。総監督に京都両洋高等学校女子硬式野球部監督で元女子硬式野球日本代表の上田玲さん。選手は県内外出身の10人。そして、主将は青森県出身の蝦名郁美さんです。  チームの特色は「地域密着型」のチームであることです。   蝦名さんと福岡県出身の横山彩実さん、和歌山県出身の尾ア香保さん、大阪市出身の嶋倫子さん、本市出身で中嶋輝さんの娘である優菜さんの5人は、池庄町の空家を改修した一軒家で4月から共同生活をしています。それぞれ市内の事業所に就職し、平日の午前は「すこやかの杜運動公園」で野球の練習、午後からは仕事、週末は練習試合などと忙しい毎日を過ごしています。  東近江市に住み、市内で働き、野球で日本一を目指す。地域とともに始動した東近江バイオレッツを紹介します。 ■野球が続けられる環境を  サッカー、ゴルフ、卓球、柔道などスポーツ界では、女性の活躍を目にするようになり、女子スポーツへの人気も高まっています。   しかし、女子野球は、ほかのスポーツと比べ、高校や大学まで野球を続けてきた選手たちが、卒業後も活躍できる受け皿が少なく、社会人として野球ができる環境が整っているとは言い難いのが現状です。  そんな中、チーム代表の中嶋さんは、「女子選手たちが、当たり前に野球ができる環境をつくりたい」という思いを持っており、娘の優菜さんが所属していた京都両洋高等学校女子野球部の監督である上田総監督も同じ思いであることを知りました。 「全国から選手に来てもらい、女子野球を地域活性化の起爆剤として、東近江市を元気にしたい」という考えに賛同する市内の経済団体などから支援をうけ、1年半前からチーム設立に向けて準備を進めてこられました。   ■空家を5人の住居に改修  チーム設立に向けて、課題の一つが選手の「住まい」でした。   5人の選手が住む池庄町自治会では、少子高齢化が進む中、子や孫の世代まで続く地域づくりをめざし、「住み続けたいまちづくり委員会」を設置されています。  その活動の中で、全国各地から集う女子野球選手の住まいとして、空家を利用することで、町内の空家対策や人口減少対策につながるという考えに至り、市が行う「空家などの可能性を生み出すモデル事業」を活用し、改修費用の一部の補助を受けるなどして、空家の改修が実現しました。  改修中、庭に生い茂った雑木の伐採や除草作業に池庄町の皆さんも協力。地域と選手が一緒になって改修作業に取り組み、今年3月、池庄町に選手5人の住居が完成しました。 ■地域で働きながら野球を続ける   チームを設立するためのもう一つの課題が「雇用」でした。社会人クラブチームとして野球を続け、生活をしていくためには、働く場所が必要です。  そこで、市が行っている「東近江市しごとづくり応援センター」(無料職業紹介所)を活用し、市内の事業所の中から、選手5人が働ける時間、仕事内容などを考慮して、野球と仕事の両立に理解のある事業所が紹介されました。  そして、4月から、蝦名さんと尾アさんは小脇町の「株式会社白石製作所 八日市営業所」で、横山さんは上中野町の「小川良株式会社」で、嶋さんは五智町の「御園こどもの家」で、中嶋優菜さんは平柳町の「株式会社クレフィール湖東」で働き始めました。  「職場は優しい方が多く働きやすい環境で、楽しく仕事しています」と中嶋さん。蝦名さんは、「試合の案内チラシを職場に貼ったりして、チームを応援していただきうれしく思います」とのこと。また、御園こどもの家で支援員として働く嶋さんは、「もともと子どもが好きで、毎日子どもたちと楽しく遊んだり、一緒におやつを食べたり、勉強したりして、野球も仕事も充実した日々を過ごしています」と話します。 ■地域との交流を深め、地域活性化に貢献できるチームに   「チームが活動できるのも経済団体や市役所、そして市民の皆さんの協力があってこそと感謝しています。また、お出会いする皆さんから温かい言葉をかけていただき、本当に恵まれているなと感じています」と語る上田総監督。  チームのメンバーは、「ももクロ春の一大事2018in東近江市」や「びわこジャズ東近江2018」といったイベントに参加したり、池庄町の清掃活動に参加したりと地域との交流を深めています。また、学童野球とのコラボイベント「ティーボール教室」や「野球教室」などにも参加し、子どもたちと一緒に野球を楽しみました。  「地域の皆さんとの交流を通じて、バイオレッツのことを応援しているよなどと、声をかけてもらえてうれしい」「子どもたちと交流することで、野球を続ける人が増えてほしい」「子どもたちとのふれあいを通じて、保護者の皆さんにもバイオレッツのことを広く知ってもらうきっかけになれば」など、選手の皆さんは、それぞれの思いを話します。    上田総監督も、「今後も地域の行事やお祭り、イベントなどに積極的に参加していきたいです。小椋市長からも、人口の流出に歯止めをかけるためにも、力を貸してほしいと言っていただき、このチームが少しでもまちの元気につながればと思っています」と話します。 ■全国大会出場決定!   東近江バイオレッツは、毎年8月に開催される全日本女子硬式野球選手権大会で優勝することを目標の一つに掲げています。6月30日におくのの運動公園野球場で行われた試合で「丹波ガールズ」に勝ち、全国大会出場が決まりました。  「勝つことにこだわり、滋賀県といえば東近江バイオレッツと言ってもらえるよう、全国に名前を広めたい」と選手の皆さんは意気込みます。  この日は、池庄町の皆さんをはじめ多くの人が観戦に訪れ、応援をしました。また、福岡県から娘の応援にかけつけた横山さんの母、磨由実さんは、「野球と仕事と家事もこなして大変だと思うのに、『ここに来てよかった』と笑顔で話してくれたのが何よりうれしいです。皆さんに支えていただいているおかげだと思っています。試合にも勝ててよかったです」と笑顔で話しました。 ■地域に愛されるチームを目指して  「これから先、このチームを継続していくことが大切です。」とチーム代表の中嶋さん。  「まずは東近江バイオレッツを知ってもらいファンを増やしていくこと。そして女子野球の魅力を知ってほしい。そのためには自分たちのプレーで多くの人を魅了し、地域の皆さんの力を借りながら、地域に愛されるよう地域貢献、社会貢献を果たす。そして、自分たちがまちを活気づける存在になれれば」と意気込むチームの皆さん。  みんなで東近江バイオレッツを応援しましょう! 問=広報課 電話=0748‐24‐5611 IP=050‐5801‐5611 FAX=0748‐24‐1457 私たちも応援しています 御園こどもの家 支援員 岡本 麻紀さん  嶋さんには4月から支援員として、子どもたちの勉強をみてもらったり、遊んでもらったりしています。 気配りができる人で、頼りがいがあり、すぐに人気者になりました。私たち支援員も一緒に働くことができてとても喜んでいます。  大阪市から移住し、働きながら、野球を続けるというのは不安もあったと思います。私たちは、この学童での生活を家族のように過ごしたいと思っています。嶋さんが、子どもたちに元気を与えてくれているように、困ったことがある時は、私たちに頼ってもらい、子どもたちの笑顔に癒され、この学童で元気をもらって、野球に打ち込み、夢を追いかけてほしいと思います。 池庄町自治会長 久保 恒雄さん  空家の持ち主から利用に理解を得て、市からの補助も受けることができ、彼女たちの住居が完成してよかったと思っています。長年放置されていた家の庭も自治会の皆さんと彼女たちが協力して整備することができました。  今年4月に開いた自治会の総会に、彼女たち5人も参加して自己紹介をし、6月の清掃活動にも積極的に参加してくれました。  彼女たちが池庄町に移住してくれたことで、自治会行事の夏祭りでは新しい企画を考えたり、若い力で助けてもらうこともできて喜んでいます。今年以上に来年という思いを持って、頑張ってほしいと思います。自治会としても彼女たちを応援していきます。 永源寺リトルスターズ 監督 大野 多己夫さん  初めて彼女たちの試合を見たとき、ひたむきに野球に取り組む姿や女子野球に魅力を感じ、たくさんの地元の人たちに見てほしいと思いました。  地域の学童野球と東近江バイオレッツが交流できる企画をし、子どもや保護者の皆さんにも、彼女たちのプレーを見てもらい、刺激を受けることで、お互いに野球界を盛り上げていきたいと考えています。   彼女たちには地元のヒロインになってもらい、女子野球といえば、東近江市と言われるくらいになってほしいと思っています。彼女たちの活躍が、私たちにとっても勇気とエネルギーになるので、大舞台で活躍し、東近江市の名前を全国に広めてほしいと思います。 東近江バイオレッツを応援しよう!! ◆今後の予定◆  8月4日(土)〜9日(木) 全日本選手権大会(愛媛県松山市)  10月6日(土)〜8日(月) クラブ選手権大会(千葉県千葉市)  11月17日(土)、18日(日) 西日本大会(広島県広島市)  11月23日(祝)       女子硬式野球地域交流大会(予定)                (東近江市 湖東スタジアム) ◆応援団を募集しています!!◆  「地域密着型」のチームとして、日本一を目指す東近江バイオレッツの応援団になっていただける人を募集しています。詳しくは問い合わせてください。  東近江バイオレッツ代表 中嶋 輝  電話=0749-45-1455 ファクス=0749-45-3237