■記号は、問=問い合わせ IP=IP電話 FAX=ファクス 特集 障害のある人も暮らしやすい地域になるように 毎年12月3日から9日までは障害者週間です。これは、障害者福祉についての関心と理解を深め、障害のある人が社会活動へ積極的に参加する意欲を高めることを目的に定められたものです。  今月は、障害のある人の社会参画や暮らしをサポートするボランティア団体の皆さんを紹介し、障害のある人もない人もともに暮らしやすい社会にするために一人一人ができることを考えます。   ●障害児の放課後活動を支援 八日市障害児童クラブ「おそらの家」  「おかえりー」と学校から帰ってきた子どもたちを温かく元気な声で出迎える支援員や保護者、ボランティアの皆さん。八日市野々宮町の旧八日市中央公民館別館で毎週水曜日と土曜日に開所される「おそらの家」には、県立八日市養護学校の中学生3人と高校生4人が通っています。  「みんな食べることが大好きなので、主におやつ作りをしています」と話す支援員の高橋信子さん。子どもたちも自分にできることを手伝います。また、月に2回程度、土曜日にボウリングや日帰りでお出かけもしています。  「ここは子どもたちだけでなく、私たち保護者にとっても憩いの場所です。助け合いながら、人と人とのつながりを大切にするところでありたいと思っています」と代表の勝見聡子さん。良さを知ってもらい、利用する仲間を増やしたいと話す勝見さんやここに集う皆さんには、いつも笑顔があふれています。 ●手話で交流の輪を広げる 八日市手話サークル「ノアの会」  「ノアの会」は毎週水曜日の夜の部と、木曜日の昼の部に分かれて手話の練習などの活動をしています。  この日、昼の部には、聴覚障害のある4人を含む13人が福祉センターハートピアの一室に集まり、聴覚障害者の皆さんが先生となって、手話での文章の表現方法や、手話を交えた歌を一緒に練習していました。  「手話で話している中で、耳の不自由な人とも普通に会話ができる楽しさと、手話の必要性を感じています。また、ここに参加する皆さんは、積極的で魅力的な人が多く、和気あいあいとした雰囲気で活動しています」と話す会員の永田真由美さん。  このほか、指文字を学んだり、レクリエーションを行ったりしています。また、聴覚障害のある人と一緒にチームを組んで、出前講座として市内の小学校へ出向き、障害についての理解を深め、交流の輪を広げています。 ●声の広報 朗読サークル「むらさきぐさ」  朗読サークル「むらさきぐさ」。皆さんは、「広報ひがしおうみ」や東近江市社会福祉協議会が発行する「社協だより」のほか、生活に役立つ情報を集めた声の月刊誌「生活あれこれ」をカセットテープに吹き込んでダビングし、視覚障害を持つ利用者に毎月届けています。  また、市ホームページにも、むらさきぐさの皆さんが録音した「広報ひがしおうみ」を声の広報として毎月掲載しています。  月に2回、福祉センターハートピアに集まって、作業の打ち合わせなどをし、録音作業は分担してそれぞれ自宅で行っています。  「平成元年に立ち上げて30年がたち、私たちも利用者も高齢化が進んでいますが、できるところまで続けていきたいです」と話す代表の村田洋子さん。ほかの皆さんも「声を出すことが活力にもなっています」とにこやかに話します。 ●難病や障害を持つ人たちとともに 「ほっとサロンひなた」   「ほっとサロンひなた」は、難病を持つ人やその家族が気軽に集まって、お互いが励まし分かち合い、楽しみを見つけられるような場を作ろうと平成24年から活動している団体です。情報交換やものづくりを中心に、年4回程度活動しています。   この日は、難病や障害を持つ人たちが外へ出てゆっくり楽しめるように、また、少しでも地域に貢献できるようにと、ほかの福祉団体などと協力し、あかね文化ホールでマルシェを開催しました。  「初めて主催した今回のマルシェでは、いろいろな人とのつながりが広がりました。『つらいことをなくすことはできないけれど、心は元気にすることができる』と難病を抱えながらこのサロンを立ち上げた仲間の思いを大切にし、  企画を考え、参加者から元気をもらいながら活動しています」と副代表の田中幸さんは、明るく生き生きとした表情で話します。 ●障害のある人に寄り添って   今回紹介したボランティア団体の皆さんは、自分ができる範囲で障害のある人に寄り添い、何より楽しみながら生き生きと活動されています。  市内にはこのほかにも、各地区で点字サークルや手話サークル、音訳、朗読サークルなどボランティアで活動されている団体がたくさんあります。  また、毎年夏休みに、障害のある子どもたちの仲間づくりや理解者づくりを目的とするサマーホリデー事業を、障害児の保護者の会「サマーの会」の協力を得て実施していますが、  地域の皆さんや学生などのボランティアの協力が大きな力となっています。  自分にできることを楽しみながら活動するボランティアにあなたも参加してみませんか。  ■ボランティアに関する問合せ    東近江市社会福祉協議会 地域福祉課   電話=0748‐20‐0555   IP=050‐5801‐1125   ファクス=0748‐20‐0535 ●人と人とのつながりが広がるところ ・親子にとって大切な場所 八日市障害児童クラブ「おそらの家」福富恵さん(妙法寺町)  息子は高校3年生で、「おそらの家」には小学1年生から通っています。学校とは違い、異学年の友達やその親、ボランティアの皆さんと過ごすことで、彼の「できること」が増え、子どもたちも理解しあって過ごせているようです。  また、私たち親にとっても、ストレスや悩みを分かち合うことができ、リラックスして過ごせる大切な場所です。  今年度で息子は卒業することになりますが、ボランティアとしてこれからも関わっていければと思っています。 ・手話でコミュニケーションの場を広げたい 八日市手話サークル「ノアの会」祐耆明人さん(東沖野五丁目)  障害のない人ともコミュニケーションをとり交流を深めたいと思い、「ノアの会」に参加して40年近くになります。ここでは、講演会などいろいろな行事が楽しめ、聴覚障害がある私たちには伝わりづらい情報も共有して語り合うことができます。  小学校への出前講座では、講師として参加し、クイズや簡単な手話を教えたりしながら子どもたちとの交流を楽しんでいます。障害に対する理解と手話での交流を広めるためにも、小学校に限らず、  地域の皆さんからもぜひ出前講座に申し込んでほしいと思っています。 ●「ヘルプマーク」の普及に取り組んでいます  「ヘルプマーク」は援助が必要な人のためのマークです  この赤いカードは「ヘルプマーク」といい、「困っていたら支援をしてほしい」というメッセージが込められています。このマークは義足や人工関節を使用している人、内部障害や難病の人、  妊娠初期の人など援助や配慮を必要としていることが外見から分からない人が持っています。このマークを見かけたら、電車やバスの中などでは席をゆずるなど、思いやりのある行動や気遣いをお願いします。  また、「ヘルプマーク」が必要な人には障害福祉課、各支所または滋賀県東近江健康福祉事務所の窓口でお渡ししています。 ●障害のある人もない人もともに暮らすために  肢体が不自由な人、知的障害がある人、聴覚や言語障害、視覚障害がある人、難病を抱えている人、精神障害のある人、発達障害のある人、内部障害のある人など障害にはさまざまな種類があり、  障害名が同じでも一人一人状況が異なります。  障害の種類に応じて身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳がありますが、現在、市内で障害者手帳を所有している人は6,314人で、市民のうち18人に1人が障害者手帳を持っていることになります。  平成28年には、障害者差別解消法が定められました。この法律は、障害を理由とする差別の解消を推進することにより、障害のある人もない人も分け隔てられることなく、  お互いに人格と個性を尊重し合いながらともに生きる社会をつくることを目指しています。   たとえば、聴覚障害のある人から手話での会話を求められても手話ができないときは、筆談で応じます。また、レストランなどで、スペースの余裕がないことを理由に、車椅子を利用している人の入店を断るのではなく、  店内のテーブルや椅子の配置を変更して通路を広くし、車椅子が通れるように工夫するなど、少しの配慮と気遣いが共生社会の大きな力になります。  障害のある人もない人もともに暮らすためには、障害の特性を理解し、障害のある人の立場になって考えることが大切です。また、お互いに歩み寄る気持ちを持つことで理解を深めあうことができます。  まずは自分たちができることを少しずつ始めましょう。  問=障害福祉課  電話=0748‐24‐5640  IP=050‐5801‐5640  ファクス=0748‐24‐5693 ●手話公開講座を開催します  テーマ「聴覚障害者の生活」  耳の不自由な人たちはどんなことに悩み、困っているのでしょうか。また、どんな工夫をしているのでしょうか。  当事者が、子育てや職場、病院などでの体験を話されます。  時=12月12日(水)19:00〜21:00  場=市役所新館3階314会議室  対=東近江市、日野町、竜王町に在住、在勤、在学の15歳以上の人(中学生を除く)  ※要約筆記が必要な人は障害福祉課へ12月4日?までに連絡してください。