■記号は、時=日時、場=場所、対=対象、定=定員、持=持ち物、申=申込み、問=問合せ、IP=IP電話 特集 住み続けたい地域づくり 私たちの暮らしは、地域のさまざまな人たちの助け合いで成り立っています。今回は、支え合いながら豊かに暮らすまちづくりに取り組む団体と自治会を紹介します。   ●まちづくりは誰のため?何のため?   少子高齢化や人口減少が進み、労働形態が多様化するなど、私たちのライフスタイルは大きく変化してきました。そのような中、これまで当たり前のように行われてきた地域の環境整備や伝統文化の継承など、地域で支え合う暮らしの維持が難しくなりつつあります。   自治会や各種団体においても、役員の担い手や後継者不足、地域行事への参加率低下、運営者の負担感の増大など、さまざまな問題が生じています。   しかし、同じ地域にさまざまな立場の人が暮らす中で、子どもたちの見守りや防犯活動、環境美化、地域の祭りや運動会などの交流機会といった互いの立場を尊重しながら支え合い、暮らし続けるためのまちづくりは、人口が減少するこれからの時代にますます重要になってきます。  まちづくりは誰のためのものなのか、何のために行うのか。一般社団法人中野ヴィレッジハウスと能登川地区の桜ヶ丘自治会の取組を紹介し、これからのまちづくりについて考えます。 ●地域の人が集える居場所づくり −中野ヴィレッジハウス−   東中野町の御代参街道沿いにあるコミュニティスぺース「中野ヴィレッジハウス」は、空き家だった築200年の塩蔵を改築し、地域のふれあい活動の場として平成29年4月にオープンしました。カフェや習字、英会話、お菓子作り教室などさまざまな教室や催しを開いています。  なかでも、中野地区ボランティアセンター事業として、毎週木曜日に中野地区社会福祉協議会が中心となり、たくさんのおもちゃで遊べる「おもちゃ図書館」や大切なおもちゃを修理してもらえる「おもちゃ病院」、カラオケ喫茶、カロム遊びや将棋サロンなどを開き、子どもから高齢者まで誰もが集える居場所づくりに取り組んでいます。 おもちゃ図書館に参加する親子からは、「年配の人に子どもの顔を覚えてもらえ、地域の人に見守ってもらっている安心感がある」と好評です。   ほかにも、さまざまな世代の人々が交流し楽しめるように、流しそうめん大会やハロウィンパーティーなども開催しています。  「地域のいろんな人に応援を頼んでいますが、みんな快く協力してくれます」と話す一般社団法人中野ヴィレッジハウスの代表理事を務める西川勉さん。 独居高齢者で引きこもりがちの人に声をかけて、ここへ来てもえるようになり、学校帰りの子どもたちとの会話も弾むようになったそうです。 「ここは、子どもたちやその保護者とも顔見知りになれる場所です。顔見知りが増えることで地域のつながりも広がっていきます。そのつながりが災害が起こった時などにも役立つと思っています。これからも地域の人たちが気軽に集える企画を考えながら、顔見知りを増やしていくことが、この地域に住み続けたいという思いにもつながっていくと考えています」と話します。   「中野ヴィレッジハウス」は地域の活動拠点として、これからもつながりの輪を広げていきます。 ・子どもから高齢者までをつなぐ場所にしたい   地球ハートヴィレッジ モリコーニ直美さん  ものづくりやアート、国際交流などを通して子どもの心を豊かにし、地域も活性化する楽しい場をつくりたい。そんな思いを持つメンバーと 「地球ハートヴィレッジ」を立ち上げ、中野ヴィレッジハウスを拠点に活動しています。  私たちがここで運営しているコミュニティカフェ「A&H Cafe' Gallery」もその一つで、誰もが気軽に入れる場所にしたいと思っています。  中野ヴィレッジハウスにはこの場所を大切にしたい人が多く集まり、自発的に活動され、その活動がうまく循環しています。ここに愛着を持つ人が増え、子どもから高齢者までをつなぐ場所になるよう、カフェ運営やイベントなどを通してさらに活動していきたいと思います。 ●災害にも強い見守り合いの地域づくり−能登川地区桜ヶ丘自治会−   「もしもし、ふれあいホットラインです。昨日は寒い日でしたけど、どうしてました?」  能登川地区の桜ヶ丘自治会の「福祉の会」では、地域の見守り活動のひとつとして、希望する独居高齢者などに定期的に電話をかける「電話訪問ふれあいホットライン」を行っています。毎週水曜日の午後、桜ヶ丘に住むボランティアの皆さんが「桜ヶ丘草の根ハウス」に当番制で集まり、利用者に電話をかけ、なにげない会話の中で近況を聞き取ります。 お宅を訪問するよりも、電話のほうが気軽に利用してもらえると平成21年から始まりました。  「声の調子で相手の体調や様子も分かるんです」とスタッフの皆さんは話します。電話だからこそ話せることもあり、楽しみにしている利用者も多いそうです。何か変わったことがあれば、民生委員・児童委員さんが訪問したり、自治会で対応したりすることもあります。  「福祉の会」では、人と人との関わり合いを見えるようにし、気になる人を見守っていこうと「支え合いマップ」づくりにも熱心に取り組んでいます。住宅地図に独居高齢者などの家を記したもの、中学生、小学生、乳幼児のいる家を記したものなど7種類の支え合いマップを作成しています。 そのほか災害時の助け合いマップも9種類作成し、これらのマップを毎月1回更新しています。  また、自治会では、一人でも多くの高齢者に、外へ出て交流の輪を広げてもらおうと毎月1回「いきいきサロン」も行っています。  住み慣れた地域で心豊かに安心して暮らしていけるように、日頃から隣近所の様子をさりげなく気にかけ、声をかけながら、情報を共有し、地域全体で援助の必要な人を見守っていく。そういった人の結びつきが防災、減災にもつながっていきます。 ・ 向こう3軒両隣の絆の輪を広げたい    ふれあいホットラインリーダー 中村紘之さん   以前アパート暮らしをしていた時は、地域とのつながりがなく残念に思っていました。退職後桜ヶ丘に引っ越してからは自治会活動に積極的に参加し、5年間、「福祉の会」の会長を務めた後も役員として福祉活動に取り組んでいます。  しかし、見守りに携わる私たちも高齢になってきました。今後見守ってもらう側の立場になったときにも、地域で見守られ、安心して暮らせるように、私たちより少し若い世代が関心をもち、参加してもらうにはどうすればいいのかが悩みの種です。  これからも昔から言われている向こう3軒両隣の輪をさらに広げて、絆を深め、見守り活動を継続していきたいと思います。 ●暮らしやすいまちをつくる  自分や家族をはじめ、みんなが笑顔で豊かに地域で過ごせるようにするにはどうすればいいのか。  地域に暮らす人たちが地域に愛着をもって、まちづくりを「わがこと」として捉えること。そして、地域住民や団体などが参画し、それぞれの特性を生かして、助け合いながら、地域のにぎわいづくりや困りごとに寄り添える体制づくりを通じて、誰もが暮らしやすいまちをつくっていく。  そんなまちづくりが、これからは必要となってきます。  しかし、自治会や各種団体では、年度当初に計画された行事をこなすことで精一杯。役員が輪番制で交代していく中で既存の行事や活動を見直し、改善していくのはひと苦労です。  未来を見据えた住民自治、団体運営のあり方をすぐに実現することは困難ですが、まずは「ここで安心して暮らしていくために、私たちにできることは何か」を話し合うことが重要です。そして、将来にわたって継承したいものは何なのかを共通認識できるように、現状を把握しましょう。  また、課題を先送りせず、見直すべきは見直し、できることから一歩ずつ進めていきましょう。  まちづくり協働課  電話=0748‐24‐5623  IP=050‐5801‐5623  ファクス=0748‐24‐5560   ●TOPIC 「住み続けたい地域づくり交付金」を活用しよう!!  環境、伝統行事、子育て、暮らしの支え合いなど地域のさまざまな課題を洗い出して解決しようと取り組む自治会を支援します。  助成限度額  世帯数が100未満の自治会  70,000円  世帯数が100以上の自治会 100,000円  助成の条件や対象となる経費、申込み方法など、詳しくはまちづくり協働課へ問い合わせてください。 ●地域創生講座 〜まち・むらの課題をまち・むらの力で解決するために〜  講演 「行事から事業へ、役から経営へ、現場づくりからひとづくりへ」 講師 IIHOE(人と組織と地球のための国際研究所) 代表 川北秀人さん  東近江市の人口や財政の状況を含む資料に基づき、加速的に進む“少子多老化”に市民はどう対処すべきか、持続可能な地域のために、各組織が具体的に何をどう進めていけばよいか(地域の行事と会議の棚卸し、人口構成の予測、全住民調査の設問づくりなど)について解説します。  ■講師紹介   1994年にIIHOEをたちあげ、市民団体のマネジメントや、企業の社会責任(CSR)への取組を支援するとともに、NPO・市民団体と行政との共同の基盤づくりを進め、   毎年約60の自治体で、職員や市民との合同研修を担当されています。  時=第1回 2月28日(木)19:00〜21:45(受付 18:30から)  第2回 3月3日(日)14:00〜16:45(受付 13:30から)   ※どちらも同じ内容です。  場=市役所新館3階313,314,315会議室  定=各150人(申込み先着順)  持=総会資料など、地域の行事や会議および事業計画などが分かる資料    ※講座の中で参照する場合があります。  申=2月18日(月)までに団体名、氏名をまちづくり協働課までメールか電話で伝えてください。  問=まちづくり協働課  電話=0748-24-5623  IP=050-5801-5623  ファクス=0748-24-5560  メールmachikyo@city.higashiomi.lg.jp