情報ピックアップ 農業に新しい風を吹き込む 〜新規就農者を応援しよう〜 各地で農業の後継者不足が課題となっている一方で、都市部から移住して農業をしたいという若者が増えています。市内でも地域に受け入れられ、皆さんとともに農業をする移住者が増えてきました。  今回は大切な農地を次世代に引き継ぐための愛東地区・湖東地区での就農支援の取組について紹介します。 農業水産課 電話=0748-24-5660 IP=050-5801-5660 ファクス=0748-23-8291 「なこーど」が農業の後継者を紹介   愛東地区は、昭和50年代にナシやブドウなどの果樹の生産振興が始まり、今では県内有数の果樹産地となっています。しかし、時代とともに生産者の高齢化が進み、後継者不足が深刻な問題になっています。    「NPO法人愛のまちエコ倶楽部」は、資源循環型の社会づくりを目指す団体で、これまで地域活動の一つとして、愛東地区を中心にナシやブドウづくり、米づくりなどさまざまな農業体験プログラムを実施してきました。  参加者の中には、真剣に就農を考える人もいたため、高齢化により廃業を検討していた果樹農家の園地と結び付けることができないかと考え、活動を開始。平成23年に1人目がナシ農家から果樹園を継承されて以降、ブドウ、イチゴ、メロン、有機野菜など、7人の新規就農を支援してきました。  平成29年には、愛のまちエコ倶楽部のほか、地元生産者やあいとうマーガレットステーションを運営する一般社団法人愛の田園振興公社、湖東農業協同組合、滋賀県、東近江市、東近江市農業委員会が連携し、東近江市愛東・湖東地域新規就農促進協議会(通称「なこーど」)を設立。それぞれが力を合わせて就農支援に取り組んでいます。果樹の技術研修や農地の紹介のほかにも、空き家の紹介、就農見学ツアーの開催など、取組内容は年々充実してきています。 「園バンク」に登録を  「なこーど」では、農家の果樹園や園芸施設などの所有物件、求める後継者の条件などの情報を登録し、就農希望者から相談があれば、双方の希望を考慮しながらマッチングするシステム「園バンク」の取組を始めました。このシステムは、離農者にとって愛着のある園地や施設を継承してくれる人が見つかり、就農者にとっては、就農時の初期費用が抑えられ、地域になじみやすくなるなど、お互いにメリットがある制度です。  自信を持って「愛東メロン」を名乗れるように  遠藤優介さん・真野さん夫妻(前)と上岸本温室組合長 中ア浩一さん(後)  京都市出身の遠藤さん夫妻は、「なこーど」に相談する中で、メロン栽培に興味を持ち、本市へ移住しました。半年間の研修を受けて1月から上岸本温室組合の一員として本格的にメロンづくりを始めました。「『なこーど』や組合員の皆さんが親身になって相談にのり、指導してくださるので本当に心強いです。自信を持って名乗れる『愛東メロン』が作れるよう日々努力します」と遠藤さん夫妻は力強く話します。 ワインづくりも始めました  漆ア厚史さん(右下)と植田義雄さん・恒子さん夫妻(左下)、松吉清助さん・知津子さん夫妻(上)  旧八日市市出身で大阪市に住んでいた漆アさんは、愛のまちエコ倶楽部の紹介で、植田さんにブドウづくりを一から習いました。その後、廃園しようとしていた松吉さんからブドウ農園を受け継いで家族とともに愛東地区へ移住。就農して6年が経ちました。「今年は念願のワインも作ることができました」と話す漆アさん。今後はブドウづくりからワインの製造、販売までを手掛けていきたいと挑戦は続きます。 ベテランの技術と若い力を融合させ、農業の活性化を支援します  就農支援機関「なこーど」の皆さん  関係機関が連携して就農者を応援する「なこーど」。会長を務める愛の田園振興公社専務理事の藤関明雄さんは、「『園バンク』の取組を農家の皆さんに広めていき、登録を増やし、ベテランの技術と新規就農者の若い力が融合して、農業がますます活性化するよう支援します。また、就農による移住者が増えることで地域が盛り上がり、特産の知名度向上にもつなげたいです」と意気込みを話します。 「なこーど」の就農支援のイメージ @相談・登録  後継者を探すことが難しい場合に「なこーど」へ相談。貸出可能な農地、農業用ハウスなどと、後継者として希望する人の条件を「園バンク」に登録します。 A面談  条件が合いそうな就農希望者との相談を設定します。 Bマッチング(事業継承)  話し合いを重ね双方が合意すれば、事業継承の契約をお手伝いします。 農業の担い手について一緒に考えましょう   8,430ヘクタールという近畿最大の耕地面積を有する本市にとって、農業は基幹産業であり、後継者を育成し、農業を継承していくことは大変重要です。  市では、新たに就農を考える人に対して、技術の習得、農地や住まいの確保などを一貫して支援していくことで、就農による定住移住の拡大を目指しています。  今年度は「園バンク」の活動を市内全域に広げ、市内外の就農希望者へ積極的に働きかけていきます。  市内外からの新しい力を迎えようとお考えの農家や集落の皆さんは、ぜひ農業水産課まで相談してください。   水田野菜の生産拡大を支援します 水田野菜の生産拡大に挑戦する人へ10アールあたり最大で8万円の補助を行います。詳しくは農業水産課へ問い合わせてください。