■記号は、時=日時 場=場所 対=対象 定=定員 持=持ち物 ¥=費用 申=申込み 問=問合せ IP=IP電話 ■特集 手話で伝えよう!つながろう!     〜自分の思いが伝わるまちへ 私たちができること〜 ■手で話し、目で聴く言葉  講演会などに行った時、ステージ上で講演している人の隣で手話をしている人(手話通訳、写真@)や講演している人の話の内容がスクリーンに打ち出されている光景(要約筆記、写真A)を見たことがありますか。これらは、聴覚に障害のある人にその内容を伝えるためのものです。  市内には、聴覚障害(平衡機能障害を含む。)で身体障害者手帳を持っている人が337人います。聴覚に障害のある人にとって、手話はコミュニケーションを図る大切なツールの一つです。  今回は、手話を学ぶ人や、手話を使ってコミュニケーションを図る皆さんを紹介しながら、手で話し、目で聴く(見る)言葉である手話について紹介します。  ●市内で障害者手帳を所有している人(令和元年11月1日現在)  身体障害者手帳4,368人 療育手帳1,247人 精神保健福祉手帳773人 合計6,388人  ●身体障害者手帳を所有している人の部位別内訳(令和元年11月1日現在)  肢体不自由2,435人 内部1,301人 聴覚平衡337人 視覚246人 音声49人 合計4,368人 ■私たち、東近江市の専任手話通訳者です  手話通訳者の藪下さんと澤さん  市役所窓口での手話通訳はもちろん、病院や学校、自治会などにも依頼があれば手話通訳に出向きます。  手話や要約筆記に関しての相談があれば、私たちが応対します。  障害福祉課までお気軽に問い合わせてください。 ■交流しながら 互いに学び合う  大森真佐子さん  私は、生まれつき耳が聞こえず、聾学校に通い手話を覚えました。普段の生活では手話や筆談などでコミュニケーションを図っています。  しかし、耳が聞こえないことで困ったことも少なくありません。例えば、事故で電車が遅れていても、アナウンスが分からず、ずっとホームで待っていたこともあります。2軒隣で火事が  発生した時にも気付かず、家の中にいて危険を感じたこともありました。  手話ができる人が増えれば、耳の聞こえない人が暮らす環境が改善できると考え、10年以上前から手話講座の講師を務めています。手話講座を通じて、受講生と手話でコミュニケーションを図れるようにな  ることに喜びを感じています。  また、幼少期から手話に関心を持ってもらおうと市内の小学校へ出前講座にも行っています。  手話での交流を広げていくため、今後もこうした活動を続けていきたいと思います。  ※手話や筆談のほかに、口の動きを読み取る「口話」、身ぶり、手ぶりで伝える手段もあります。 ■みんな 楽しく 手話講座  東近江市では、日野町、竜王町と合同で、5月から11月までの間、23回連続の手話講座を開催し、24人が受講されました。10月9日(水)の講座では、大森真佐子さんが講師を務めました。  まずは受講者が手話で1分間スピーチ。スピーチが終わると気になった点などを講師に確認し合いました。  次に演習。この日は、「あなたは便秘で困っていませんか。便秘解消には・・・」という例文を基に二人一組になって互いに手話を教え合いました。講師の大森さんは、「手話にこだわりすぎず、いろんな表現があってよい。顔の表情も意識して、手話を知らない人にでも気持ちが伝わるように」とアドバイスしました。  初めて手話を学ぶ人を対象とした体験講座も来年5月に開講予定です。ぜひ一緒に学んでみませんか。 ■自然なかたちでコミュニケーションを  小柳貞行さん  職場に耳の聞こえない人が入社されコミュニケーションを取りたいと思い手話講座の受講を始めました。  手話を覚えることは大変ですが、自分の手話を理解してもらえるとうれしいです。これからも手話を通じて、自然体でコミュニケーションを図っていければと思います。   ■憩いの場 手話サロン  毎月第3水曜日の午後0時20分から午後0時50分まで、市役所本館ロビーで手話サロンが開かれています。10月は16日(水)に開催され、参加者の皆さんは楽しいひと時を過ごしました。  参加された田中佳美さんは、「自分の知りたい手話を教えてもらえる楽しいサロンです」と笑顔で話します。  12月の開催日は18日(水)です。皆さん、一度のぞいてみてください。  ■福祉共育を通じて  東近江市社会福祉協議会では、福祉共育に取り組んでいます。この取組は、身近な地域で起こるさまざまな生活課題に関心を持ち、共に生きることの大切さや優しさを学び、お互いに支え合う地域づくりに参画する人を増やそうとするものです。  取組の一つとして、福祉体験講座を行っています。これは、手話、点字、車椅子、アイマスク、盲導犬、シニア体験など、依頼者のニーズに合わせた出前講座です。  11月6日(水)、御園小学校4年生を対象に「出前講座東近江市手話チーム」による講座が開催されました。聴覚に障害のある人の体験談を聞いたり、あいさつの手話を教えてもらったりと子どもたちは熱心に講師の話を聞いていました。  受講した竹村乙希君は、「手話で気持ちを表すことができると分かりました。手話は少し難しかったけど、これからも少しずつ覚えていきたいです」と笑顔を見せました。  ※「共に育ち合う」という意味を込めて、東近江市社会福祉協議会では「共育」とされています。  ●福祉共育に関する問合せ   東近江市社会福祉協議会地域福祉課  電話=0748‐20‐0555  IP=050‐5801‐1125  ファクス=0748‐20‐0535 ■会話が始まるきっかけワンポイント手話  あいさつの手話一つでも会話が始まるきっかけになります。コミュニケーションを取ろうとしている思いが相手に伝わるのではないでしょうか。  あいさつの手話は、「グー・チョキ・パー」で簡単に覚えることができます。  また、私たちが暮らす「東近江」の手話も一緒に覚えてみましょう。  「おはよう」「こんにちは」「こんばんわ」「東近江」 ■市内の手話サークル紹介  ●八日市「ノアの会」(昼の部)  活動日=毎週木曜日10:00〜12:00  場所=八日市コミュニティセンター  ●八日市「ノアの会」(夜の部)  活動日=毎週水曜日20:00〜21:30  場所=福祉センターハートピア(今崎町)  ●能登川「ほのぼの」  活動日=毎週水曜日10:00〜12:00  場所=能登川コミュニティセンター  ●能登川「手と手」  活動日=第1・2・3木曜日19:30〜21:30  場所=能登川コミュニティセンター  ●蒲生「ひまわり」  活動日=毎週水曜日(第5週は休)20:00〜21:00  場所=長峰コミュニティセンター(宮川町) ■知っていますか。「ヘルプマーク」  「ヘルプマーク」は、義足や人工関節を使用している人、内部障害や難病の人、聴覚に障害のある人など、援助や配慮を必要としていることが外見からは分からない人が、周囲の人に配慮を必要としていることを知らせるためのものです。  「ヘルプマーク」を見かけたら、電車内で席をゆずったり、困っているようであれば声をかけたりするなど、思いやりのある行動や気遣いをお願いします。  「ヘルプマーク」が必要な人は、障害福祉課、保健子育て複合施設ハピネス、各支所または滋賀県東近江健康福祉事務所の窓口までお越しください。 ■はじめましょう「合理的配慮の提供」  滋賀県では、障害の有無により分け隔てられることなく、お互いにその人らしさを認め合いながら、ともに生きる社会をつくることを目的に『滋賀県障害者差別のない共生社会づくり条例』が今年度施行されました。  この条例では、障害者差別解消法で努力義務とされている民間事業者や個人の「合理的配慮の提供」について、差別解消の取組を一層進めるため義務としています。  「合理的配慮の提供」とは、障害のある人から何らかの配慮を求める意思の表示があった場合において、配慮する側の負担が重たくならない程度に配慮を行うことです。  聴覚に障害のある人への一例としては、手話での会話を求められても手話ができないときは筆談で応じたり、身振り手振りなどで伝えたりすることです。  また、飲食店などでは、メニューや商品の表示を写真などを活用しわかりやすく説明したり、盲ろう者のお客様に手のひらに手書き文字を書くなどコミュニケーションにおいて工夫したりすることです。  ●合理的配慮の提供に係る費用を助成  滋賀県では、障害を理由とする差別の解消を推進するため、お店など民間事業者や自治会など地域の団体が、障害のある人に必要な合理的配慮を提供するためにかかる費用を助成しています。  点字メニューなどのコミュニケーションツールの作成や筆談ボード、折りたたみ式スロープなどの物品の購入などが助成の対象です。  詳しくは、滋賀県健康医療福祉部障害福祉課まで問い合わせてください。  電話=077‐528‐3541  ファクス=077‐528‐4853  私たち一人一人の配慮と気遣いが、障害のある人もない人もともに生きる社会をつくる上で大きな力になります。  皆さん、「合理的配慮の提供」をはじめましょう。 ■人格と個性を尊重し支え合う12月3日から9日までは障害者週間です   障害者週間は、障害者福祉についての関心と理解を深めるとともに、障害のある人が社会、経済、文化そのほかあらゆる分野の活動に積極的に参加する意欲を高めるために設けられているものです。  この機会に障害についての理解を深め、人格と個性を尊重し支え合う「共生社会」をつくっていきましょう。 ■誰もが笑顔で暮らせるように  今回は、聴覚に障害のある人とのコミュニケーション方法の一つとして、手話にスポットを当て、その活動などについて紹介しました。  聴覚に障害のある人以外にも、手や足の機能に障害のある人、心臓や腎臓など身体の内部に障害のある人、相手の話の内容がつかめず周囲にうまく合わせることができないといった障害のある人など、障害の種類はさまざまで、それぞれの障害の特性により、障害のある人への支援の仕方も違ってきます。  社会全体でさまざまな障害に対して正しく理解し、合理的配慮の提供などを行うことで、障害のある人が直面する社会的障壁を取り除き、「誰もが健やかに笑顔で暮らせるまち」をみんなでつくっていきましょう。  問=障害福祉課  電話=0748‐24‐5640  IP=050‐5801‐5640  ファクス=0748‐24‐5693  (取材:広報課 片山晴紀)