■記号は、問=問い合わせ IP=IP電話 FAX=ファクス ■特集 見守り・支え 地域をつなぐ民生委員・児童委員   民生委員・児童委員の活動スローガン:支え合う 住みよい社会 地域から ■地域の相談役として  皆さんは「民生委員・児童委員」をご存じですか。民生委員・児童委員は、誰もが安心して暮らしていくための地域の身近な相談役です。  少子高齢化や核家族化の進展とともに、人と人とのつながりが薄れつつある現代社会。「初めての子育てで不安がいっぱい。だけど頼れる人が身近にいない」「高齢になり、ひとりで暮らすのが心細い」、そんな地域のSОS≠ノ耳を傾け、地域福祉の担い手として奔走されています。  民生委員・児童委員の皆さんの相談・支援の活動内容は、左のグラフのとおり、高齢者、子ども、障害者に関することなど多岐にわたります。 ■民生委員・児童委員のシンボルマーク  幸せの芽生えを示す四つ葉のクローバーをバックに、民生委員の「み」の文字と、児童委員を示す「双葉」を組み合わせ、平和のシンボルの鳩をかたどって愛情と奉仕を表しています。  このマークは、民生委員・児童委員が身につけるバッジのデザインなどにも使われています。 ■教えて! 民生委員・児童委員さん  「民生委員・児童委員」という言葉は聞いたことがあっても、実際にどんな活動をされているのか知っている人は少ないかもしれません。  気になることを民生委員・児童委員に聞いてみました。  ●民生委員・児童委員ってどんな制度?  厚生労働大臣から委嘱され、地域福祉の向上のために活動するボランティアです。  任期は3年で、全国一斉に改選が行われます。東近江市には、現在、293人の委員がそれぞれの担当区域で活動しています。  そのうち28人は各地区に配置される「主任児童委員」です。  ●どんな活動をしているの?  高齢者や子育て世帯など地域の皆さんを見守ります。  悩みや心配ごとを抱える人の相談に応じます。 支援が必要な人と行政や専門機関をつなぐ「パイプ役」となります。  ●主任児童委員はどんな人?  子どもや子育てに関する支援を専門に担当する民生委員・児童委員です。  地域の子どもたちが元気に安心して暮らせるように、子どもたちを見守り、子育ての不安や心配ごとなどについて、相談・支援を行います。  ●どんな時に相談したらいいの?  暮らしに関する悩みや不安があれば、気軽に声をかけてください。民生委員・児童委員には守秘義務があるので、安心して相談できます。  生活の不安  福祉サービスのこと  介護のこと  子育てのこと など ■お住まいの地域の民生委員・児童委員さん  皆さんの立場に立って相談に乗り、悩みや心配ごとの解決に向けたお手伝いをします。ぜひ地域の民生委員・児童委員にお気軽に相談してください。  お住まいの地域の民生委員・児童委員については、健康福祉政策課へ問い合わせてください。また、市ホームページにも掲載していますので確認してください。 ■つなぐ  ◆はじめまして赤ちゃんにこにこ訪問  ●「こんにちは」から始まるコミュニケーション  南部地区で活動を続けている主任児童委員の大槻礼子さんと民生委員・児童委員の小林喜代和さん。  よく晴れた今日は、「はじめまして赤ちゃんにこにこ訪問」の日です。この訪問事業は、保健師の新生児訪問後に、民生委員・児童委員の来訪を了承された人を対象に行われています。ここ南部地区では、年間約50戸のご家庭を訪問しています。  この日、訪れたのは、那須風香さんと未來ちゃん親子(聖徳町)。「こんにちは」とあいさつを交わした後は、世間話に会話が弾みます。そして話が盛り上がるうちに、出産時や子育てについて自然と話が移り、子育てサークルなど、地域で実施されているイベント情報などにも触れられていました。  訪問を受けた那須さんは、「地域に気軽に相談に乗ってもらえる人がいて安心しました」と笑顔を見せました。  ●地域とのパイプ役として   訪問を終えた大槻さんは、「行政などには相談しにくいこともあると思います。そんなことを気軽に私たちに相談してもらえるような雰囲気づくりを訪問時には心がけています。いつもどんなお母さんや赤ちゃんと出会えるか楽しみにしています」と和やかに話しました。  また、小林さんは、「この地域には県外出身の人が多く、そんな人たちの地域の相談相手として、そして地域とのパイプ役になれれば」と今後の展望を話しました。   ■見守る  ◆子ども見守り隊  ●会話のキャッチボール  市辺地区で活動する民生委員・児童委員の松下幹男さんは、子ども見守り隊としてスクールガードを長年続けています。松下さんが活動している野口町では、民生委員・児童委員をはじめ、ボランティアの皆さん約30人が八日市西小学校の下校時に見守り隊として活動しています。低学年と高学年では下校時間が異なるため、2班体制で行っています。  松下さんたちが、小学校で子どもたちを出迎え、「お帰り」と声をかけると、子どもたちからは元気な「ただいま」の声。そして、小学校から約20分の道のりを子どもたちと一緒に歩きます。松下さんは、「子どもたちは学校であったことなどを楽しそうに話してくれます。子どもたちが仲良く歩いている光景を見ると思わず顔がほころびます」と下校時の様子を話します。  子どもたちの家が見えてくると、「気を付けて帰るんだよ」と声をかけます。「ありがとうございました」としっかりあいさつしてくれたり、恥ずかしそうに手を振ってくれたり、いろんな形で応えてくれる子どもたちに癒されると松下さんは話します。  ●子どもたちは「地域の宝」  この活動を通して松下さんは、「子どもたちに寄り添って歩くと、子どもの様子、学校の様子、家庭の様子などが伝わってくるので、民生委員・児童委員の大切な活動の一つだと考えています。子どもたちは地域の宝であって、私たちが見守っていかないといけません」と活動の大切さを語ります。 ■支える  ◆見守り給食  ●地域の愛情が詰まったお弁当   建部地区では、地域見守り支援事業の一つとして、見守り給食を長年続けられています。この事業は、建部地区にお住まいの75歳以上のひとり暮らしで見守りが必要な高齢者が対象です。月に一度、建部コミュニティセンターで各種団体やボランティアの皆さんが交代でお弁当を作り、対象の人に民生委員・児童委員8人が手分けして配達。現在、39人にお届けしています。  また、お弁当を配る10日程前には、お弁当の配達日を伝えるために訪問しており、月に2回は顔を合わせ、様子を確認できます。  4月下旬、民生委員・児童委員の種村さんに同行し、訪問させてもらったのは、今年97歳の日比野渥美さん。  種村さんが日比野さんに大きな声で「元気にしてましたか」と尋ねると、日比野さんは笑顔でうなずきます。この日は、サンドウィッチを手渡し、その後玄関先で世間話に花が咲きました。  ●地道な活動を続ける大切さ   種村さんとの会話を終えた日比野さんは、「私も昔は民生委員・児童委員として活動していたので、活動の苦労がよく分かります。今は、お世話になっていて感謝しています」と話しました。  種村さんは、「お弁当の作り手が高齢化してきて、運営が厳しい状況ですが、定期的に高齢者の皆さんと顔を合わせて話をすることが大切だと感じています。これからもこの活動を継続していきたいです」と地道な活動を続ける大切さを話します。 ■インタビュー 皆さんとともに安心して暮らせるまちに  東近江市民生委員児童委員協議会 会長 山田 滋さん  私たちは、市内14地区でそれぞれの地域の実情に即した活動を行っており、悩みや生きづらさを抱える人に頼ってもらえる民生委員・児童委員でありたいと思っています。同じ地域に住んでいるからこそ、気付けること、支えになれることがあると思います。  これからも地域の皆さんとともに、安心して暮らせる地域づくりを進めていきたいと考えています。 ■地域を見守り、支え、つなぐ活動  今回は、「はじめまして赤ちゃんにこにこ訪問」など、民生委員・児童委員の活動のほんの一部を紹介しました。地域を見守り、支え、つなぐために、民生委員・児童委員は、少しでも地域の皆さんの相談に応じられるように福祉サービスの情報収集や研修を重ね、日々の活動に取り組んでいます。  また、地域の中で孤立する人がいないよう地域での支え合いやつながりづくりに努めています。  そんな民生委員・児童委員の活動を多くの人に知っていただき、安心・安全で笑顔があふれるまちになるよう、これからも皆さんのご協力をお願いします。 問=健康福祉政策課 電話=0748‐24‐5512 IP=050‐5801‐0945 ファクス=0748‐24‐1052 (取材:広報課 片山晴紀) ※新型コロナウイルス感染症の影響により、民生委員・児童委員の皆さんは、取材当時の内容を変更して活動されている場合があります。