■記号は、時=日時 場=場所 対=対象 定=定員 持=持ち物 ¥=費用 申=申込み 問=問合せ IP=IP電話 ■特集 地域に学び、地域で活躍する若者〜高校生と連携した取り組み〜 ■部活動を通じて 地域で活躍する高校生 近江鉄道八日市駅から東に真っすぐ通り沿いを15分程歩くと東近江市役所がありますが、その中間に位置するのが県立八日市高等学校(以下、八日市高校)。その八日市高校で学ぶ高校生一緒に何かできないかと学校側に相談したところ、学校の協力の下、同校新聞部13人のメンバーが高校生ライターとして広報ひがしおうみの製作に参加することになりました。  高校生の視点で切り口を考え、企画から取材・記事の作成まで担当してもらいました。今月号では、そんな高校生ライターの取り組みを紹介します。  また、新聞部のほかに美術部・書道部の皆さんが部活動を通じて地域で活躍されている様子も取材しましたので、その活動も併せて紹介します。 ●自分たちの思いを伝えたい 八日市高校 新聞部 × 東近江市  ■新聞部先輩から学ぶ  私たちはこれまでに戦争の悲惨さや平和の尊さを学んできました。しかし、戦後75年の今、皆さん、戦争の記録や記憶が風化してきていませんか。  二度と戦争を起こさないため、この時を大切に生きるために、私たちが戦争の残した傷跡を語り継いでい  く必要があると考えます。  その役目を担っている一人が我が校新聞部の大先輩、中島伸男さん(昭和町)です。今回、中島さんの経験談を通して改めて戦争について考える機会を得ましたので報告します。 ■今も残る掩体壕  終戦間近、陸軍八日市飛行場では布引丘陵に敵の空襲から戦闘機を隠すための掩体壕が数多く造られました。  現在、近畿地方に残っているコンクリート造の掩体壕は3カ所のみ。そのうち2カ所が市内に残っています。また、市内には土で造られた掩体壕も残っており、これは全国的にも大変珍しいそうです。  これらの掩体壕は、当時の土地の所有者に許可を得るどころか説明すらなく、一方的に造り始められ、土地の所有者が憲兵に尋ねると、怒鳴られて畳に刀を突き刺されるなど、何もできなかったそうです。  この掩体壕の直径は38メートルもあることから、横幅12メートルの当時の一般的な飛行機ではなく、横幅22メートルの本土決戦用の戦闘機を隠すために造られたものと考えられています。 ■戦争を語り継ぐ中島伸男さん  中島さんは60歳の時、掩体壕など戦争に関することに興味を持ち、「二度と戦争を繰り返してはいけない」という教訓を残す活動を続けています。  今回、掩体壕を案内してもらったり、当時の写真を見せてもらったりしながら、中島さんから貴重な話を聞きました。中島さんが掩体壕のことを「何も語らないけど、大切な語り部だ」と話されたことが心に響きました。実際に戦争の遺物を目の前にして感慨深い話が聞け、貴重な経験になりました。 ■身近なところで平和学習  次に私たちが取材先に選んだのは、滋賀県平和祈念館(下中野町)です。ここには、東近江市をはじめ県内に残る戦争に関する文献や実際に戦争に行かれた人が所有されていた遺物などが展示されています。  同館では、テーマを決めて、一定期間展示をされています。私たちが取材に伺った時は、主に戦時中の教員の様子が展示されていました。  市内には実際に戦争で使われていた飛行場があり、県内の中でも戦争の爪痕が多く残っています。戦時中、市内で教員として働いていた人たちの日記などは生々しく、私たちの生活とかけ離れている戦争を身近  に感じることができました。戦争の悲惨さを忘れないためにもぜひ、滋賀県平和祈念館を訪れてみてはいかがでしょうか。 ■取材を終えて  今回、取材を通じて身近に残る戦争の痕跡を知ることができました。  終戦から75年。今、戦争という負の記憶は薄れてきたように感じます。戦争は二度と起こしてはならないものだと分かっていながら、次の世代の人は、自分たちとは無関係だと思っていないでしょうか。  記録は事実を伝えても、被害を受けた「人」の気持ちは同じ「人」にしか語り継ぐことはできません。私たちは、戦争の悲惨さと平和の重要性を伝えていくべきだと改めて感じました。【八日市高校新聞部一同】 ●自分たちの手で光あふれる街に 八日市高校 美術部 × 八日市商工会議所青年部  今年で16年目を迎える八日市商工会議所青年部(以下、青年部)主催の冬の風物詩「East Rainbow☆」。  近江鉄道八日市駅から東近江市役所までの通り一帯がイルミネーションで彩られています。この事業に、昨年度から八日市高校美術部の皆さんが参加。  近江鉄道八日市駅から市役所までのちょうど真ん中に位置する高校前をイルミネーションで彩れないかと青年部が学校に呼びかけたことがきっかけで始まりました。  1年生9人、2年生3人の計12人の美術部員で飾り付けた今年のテーマは、「夜のテーマパーク」。コロナ禍の中、地域の皆さんにイルミネーションを見て楽しんでもらいたいという美術部の思いが込められています。  美術部の藤野麻奈美部長は、「慣れないイルミネーションの飾り付けに苦労しましたが、青年部の皆さんにも手伝っていただき、何とか仕上げることができました。美術部のみんなで達成感を味わうことができました」と笑顔で話します。  また、美術部の活動を見守ってきた青年部の小嶋大記会長は、「コロナ禍で学業も大変な中、高校生の斬新な感性で素晴らしい作品に仕上げてくれました。きっと、まちの皆さんの癒しの場所になると思います」と美術部の皆さんへ思いを伝えました。  「East Rainbow☆」は、今月19日(金)まで、一日も早くコロナ禍前の生活に戻れるように願いを込めて輝きを放っています。 ●ちょこっとバス試乗レポート  いつも通学途中で目にしていたちょこっとバスにワクワクしながらいざ初乗車。車内は和やかな雰囲気で、近江鉄道八日市駅から滋賀県平和祈念館まで乗ること約20分。  心地よい揺れを感じながら、時間があっという間に過ぎていき、思っていたよりも手軽に利用することができました。  また、路線や距離に関係なく均一料金(中学生以上200円、小学生100円、小学生未満は無料)が分かりやすくて魅力でもあります。  皆さんもちょこっとバスで「ちょこっと」市内を巡ってみませんか。 ●自分たちの作品で交通安全啓発 八日市高校 書道部 × 東近江警察署 × 東近江市  毎年12月1日から31日までは、年末の交通安全県民運動の実施期間です。今年度は、東近江警察署・市・八日市高校書道部の皆さんがタッグを組み、交通安全の啓発を行いました。  その一つが近江鉄道八日市駅ギャラリーで実施された交通安全メッセージ展。書道部員13人が横断歩道利用者ファースト運動の推進をテーマに交通安全に対する思いを「書」で表現し、  ギャラリー全体を一つの作品に仕上げました。思いを表現した一文字は「護」。「護る」は「守る」より「大切にする」、「助ける」という意味合いが強く、子どもや高齢者の命を「護る」ため、  思いやりの心を持って安全運転に努めてほしいという願いが込められました。12月7日には、近江鉄道八日市駅前で東近江警察署・市・書道部の皆さんが駅の利用者への交通安全啓発を実施。  書道部の皆さんは、「交通事故に気を付けてくださいね」と呼びかけていました。書道部の青木陽向部長は、「警察や市役所の皆さんと啓発活動を行えることを誇らしく感じています。これからも  『書』を通じて一緒に活動できれば」と展望を話します。また、書道部の皆さんと活動を共にされた東近江警察署交通課の澤山豊巡査部長は、「交通安全について前向きに考え、思いやりのある運転  ができる未来のドライバーになってほしい」と高校生に思いを寄せました。 ●一人一人が輝けば地域が輝く  まちづくり活動と聞くとさまざまな事例があり、何から始めたらよいか戸惑うかもしれません。  しかし、今回取材した高校生たちの活動は、自分の得意なこと・やりたいことで社会に貢献し、地域を元気にできると実感するきっかけになったのではないでしょうか。  東近江市では、市民の皆さんが心地よく自分らしく暮らせる地域を目指して、「東近江市地域づくり人材育成アクションプラン」を策定しています。「一人一人が輝けば地域が輝く」という発想で、同プランに基づき、互いを応援しあえる仲間を増やせる仕組みや場を作り、豊かな自然のもとで育まれた伝統や文化が次世代に継承できるような取り組みを進めていきたいと考えています。  問=広報課 IP=050‐5801‐5611 ファクス=0748‐24‐1457(取材:広報課 片山晴紀) ■高校生の活動は、フォトニュースでも紹介しています。