選挙について考える 10月31日に任期満了を迎える東近江市議会。これに伴い、10月には市議会議員の一般選挙が執り行われます。また、この秋には衆議院議員総選挙も予定されています。近年、若者の選挙離れだけでなく、社会全体の政治不信・無関心が問題となりつつある中、今号では過去のデータを基に、選挙について考えてみました。 どうする?若者の選挙離れ 右の図は、衆議院議員総選挙におけ(%)る年代別の投票率の推移です。20代、30代の投票率が他の年代に比べて低い水準となっており、「政治への関心の低下」「若者の選挙離れ」が大きな課題と言えます。 選挙ごとに公表される投票率は政治への関心の目安として注目されますが、年を追うごとに下がってきています。 かつての衆議院議員総選挙は約70%、参議院議員通常選挙は約60%と高い投票率を維持してきましたが、直近の衆議院議員総選挙は53.68%、参議院議員通常選挙(令和元年)は48.80%という結果でした。 なぜ投票しなかった? 下の図は、投票を棄権した理由を聞いたものです。「選挙にあまり関心がない」「適当な候補者も政党もない」「政策の違いがよくわからない」など、政治や選挙への関心の低さがうかがえます。 平成29年衆議院議員総選挙における意識調査 棄権理由(複数回答) (公財)明るい選挙推進協会「第48回衆議院議員総選挙全国意識調査」 選挙にあまり関心がなかったから 20.4% 適当な候補者も政党もなかったから 20.2% 仕事があったから 18.9% 政党の政策や候補者の人物像など、違いがよくわからなかったから 12.9% 選挙によって政治はよくならないと思ったから12.4% 体調がすぐれなかったから 11.9% 解散の理由に納得がいかなかったから 9.5% 重要な用事(仕事を除く)があったから 8.9% 私一人が投票してもしなくても同じだから 8.9% 支持する政党の候補者がいなかったから 8.2% 自分のように政治のことがわからない者は投票しない方がいいと思ったから 6.9% 天候が悪かったから 5.0% マスコミの事前予測を見て、投票に行く気がなくなったから 3.2% 投票所が遠かったから 3.0% 今住んでいる所に選挙権がないから 1.5% その他・わからない 7.6% 市議会議員一般選挙の投票率は? 下の図は、市民に最も身近な市議会議員一般選挙の地区別投票率の推移です。 市全体の投票率は、高いときで平成17年の62.44%、低いときで平成25年の49.60%。平成29年の58.54%は、衆議院議員総選挙と同日であったため、投票率が上がったと思われます。 地区別では、転入・転出、また、単身世帯が多い地区で投票率が低い傾向にあることがうかがえます。 浸透してきた期日前投票制度 平成15年の公職選挙法改正により現在の形となった期日前投票制度。全国的にその利用は年々高まりを見せています。右の円グラフを見ると、平成29年の市議会議員一般選挙では投票総数53,837票中24,864票、実に46.2%もの人が期日前に投票したという結果が出ています。本庁や各支所に加え、市街のショッピングセンターに期日前投票所を設置したことも利用が伸びた要因といえるのではないでしょうか。 しかし、投票日以外にも投票できる、投票しやすい環境になったと言える一方で、投票率向上に直接つながっているかどうかは今後検証が必要であると言えます。 期日前投票の割合 平成29年10月22日執行東近江市議会議員一般選挙 当日投票53.8% 期日前投票46.2% 選挙に行こう! 東近江市明るい選挙推進協議会 会長 森島 秀雄 明るい選挙推進協議会とは、「①選挙違反のないきれいな選挙を行うこと②有権者がこぞって投票に参加すること③有権者が普段から政治と選挙に関心をもち、候補者の人物や政見、政党の政策などを見る眼を養うことを目的として設立され、選挙に関する啓発活動を行っています。 選挙権年齢が満18歳に引き下げられたこともあり、特に若年層に対する啓発に力を入れる必要があると考えており、当協議会では、市内小学校への出前授業やポスターコンクールなどを通して、選挙に関心を持ってもらえるような活動を継続して行っていきたいと考えています。 選挙は、私たちが政治に参加する大切な機会です。一人一人の投票の積みかさねが、この国やこの地域の未来を決めます。棄権することなく、かけがえのない一票を是非投票してください。