■記号は、問=問い合わせ IP=IP電話 FAX=ファクス ■特集 これから広がる教育の可能性 GIGAスクール構想 ●GIGAスクール構想って?  文部科学省が掲げる構想で、学校内の高速大容量の通信環境と、児童生徒一人一台のタブレット端末の整備を一体的に行い、従来の教育と組み合わせることで、すべての児童生徒に対する質の高い学びを実現させることを目的としています。  今年度からは、通信環境のさらなる高速・大容量化を図っています。 ●情報モラル教育  近年、スマートフォンの保有やSNSの利用が子どもたちの間に急速に普及しています。こうした情報化の波は、子どもたちの世界を広げ、さまざまな人や物事に出会う機会を与えてくれます。その一方で、犯罪やいじめなど多くの課題もあります。  本市では、GIGAスクール構想を進めるにあたり、タブレット端末を適正に管理・運用するとともに、自分を危険にさらしたり、他者を害したりしないよう情報モラルの教育にも力を入れています。 ●タブレットの概要 アップル社製iPad   同社の製品は、故障などによる動作不良が少ないという実績から選定しました。基本的なアプリケ―ションは、社会に出たときに利用する可能性が高いマイクロソフトのオフィス365を導入しています。 ●取組1 ICTを活用した学校と家庭のつながり   市内の小中学校では、スマートフォンなどの専用アプリ「コドモン」を活用した教育の質向上と教職員の働き方改革に取り組んでいます。コドモンとは、ICT(情報通信技術)を活用した学校業務支援システムのことです。  今回は、その主な機能と活用方法を紹介します。 ◆連絡帳・欠席受付機能  コドモンで保護者が欠席や遅刻の連絡のほか検温結果の管理ができ、現在、約半数の保護者が利用しています。これにより、教職員は忙しい朝の電話対応が減り、保護者と教職員双方の負担軽減につながりました。 ◆連絡網・緊急連絡機能  保護者は、学校からの配布物をコドモンで確認することができます。プリントと異なり、紛失のおそれがなく、保護者へ確実に情報を届けることができ、既読の確認も可能です。特に、フルカラーの写真を多く掲載できるようになり、保護者からも好評です。また、印刷に係る手間や費用も減り、教職員の事務負担も軽減されました。 ◆カレンダー機能  教職員が行事予定をコドモンのカレンダーに登録することで、保護者とのタイムリーな情報共有をすることができます。  このようなICTを活用した保護者の利便性向上とともに、教職員の負担軽減を図ることで、子どもとゆっくり向き合う時間を作り、より質の高い教育の実現を目指します。 ◆保護者の声 スマートフォンで体温を簡単に報告できるので、朝の忙しい時間帯には、助かっています。 学級通信などの写真がカラーで、学校での様子が分かりやすくなっていいなと思います。 行事やテストなどの日程がすぐに反映されて便利です。 細かくお知らせが届くので、子どもに提出物のことを何度も言わなくてよくなりました。 ◆教職員の声 朝の電話対応が減ったことで、授業の準備や事務作業の時間が確保できるようになりました。 休日の練習試合の状況を連絡することで、子どもの帰宅時間を把握してもらえます。 新型コロナや自然災害などの緊急時にも、一斉に連絡が可能になり安心です。 ●取組2 タブレットを活用した学習 ◆子ども一人一人に合った学び  御園小学校では、通常授業の振り返りの時間に、タブレットを活用したドリル問題に取り組んでいます。ドリル問題には、3段階の難易度があり、授業内容を復習したり、少し難しい問題に挑戦してみたりと、子どもたちは自分に合った学習をしていました。学習データは自動的に集計され、今後の授業に活用されます。 ◆人とのつながりから学ぶ  教室に設置された大型提示装置には、子どもたち全員のタブレット画面を映すことができます。  これまでの授業では、意見を発表する子どもが限られていましたが、今では、全員の考えをリアルタイムで共有できます。子ども同士で意見を交換したり、いろいろな考え方に触れたりすることで活発なコミュニケーションが期待されます。 ◆子どもの声 教科書とタブレットを両方使うので、たくさん勉強できています。このタブレットで調べものなどもしています。 eライブラリには、「基本」の問題や「挑戦」の問題があります。「挑戦」の問題は、少し難しいけど、タブレットを使った授業は、とても楽しいです。 自分が間違えた問題を繰り返し勉強できます。苦手だった問題が解けたときは、とてもうれしいです。 ●取組3 学校行事を動画で配信  八日市南小学校では、新型コロナウイルス感染症の影響により、校内音楽会の様子を動画で配信しました。これは、演奏の練習を頑張ってきた子どもたちの思いや発表を楽しみにしている保護者の期待に応えるために、ビデオ配信サービス「ストリーム(マイクロソフト社)」を活用した取組です。教職員が撮影から配信まで準備し、無事に音楽会を開催することができました。 ◆学校行事の振り返り  学校行事を動画配信することで、保護者は自宅のパソコンやスマートフォンなどで自由な時間に視聴することができます。また、子どもたちは家族と一緒に学校行事の様子を振り返ることができます。  ストリームでの動画配信は、学校関係者しか閲覧することができないようにするなど、個人情報保護にも配慮しています。 ◆今後の活用方法  今後は、学校行事だけでなく、PTAの子育て講座の配信などにも活用していく予定です。 ◆保護者の声  本当は参観したかったのですが、コロナ禍の影響もあり、動画を見ることができてよかったです。動画は、ほかの学年の様子も配信されるので、ゆっくり見ることができ、祖父母にも子どもの頑張っている姿を見てもらえました。 ◆子どもの声 いつもと違った音楽会だったけど、あまり緊張しませんでした。みんなに見てもらえてうれしかったです。 配信されるのは、少し恥ずかしかったけど、頑張って練習したピアニカをお母さんに見てもらえてうれしかったです!お姉ちゃんの演奏は、とても上手でした。 ●自分で考える力を育てる   本市では、タブレットを使って、子どもたちに自分の知りたい情報を見つける力を身に付けてほしいと考えています。そのためには、キーボードで文字を打つことに慣れる必要があります。また、アプリケーションの活用方法を覚えたり、検索したい言葉を考えたりといった力を早い段階で身に付けることで、社会に出たときに本当に使いこなすことができるのではないでしょうか。  タブレットはあくまで道具であって、それをどう使うのかが大切です。これからも授業は対面が基本であり、ICT機器はそれをサポートをするものと考えています。 問=学校教育課 IP=050‐5801‐0494 ファクス=0748‐24‐5694