■記号の説明・・・問=問合せ IP=IP電話 FAX=ファクス 特集 今、万感の思いを込めて 「新生」近江鉄道の汽笛が鳴る  本市の将来への発展に欠かせない生命線であり、市民の日常生活になくてはならない公共交通である近江鉄道線。125年もの長い歴史とともに、沿線住民50万人余りの移動を支えてきました。  4月から始まる上下分離に先立ち、近江鉄道線の安全・安心輸送を支える人々にスポットを当てます。 いよいよ始まる「上下分離」  令和元年度から、滋賀県および本市を含む沿線5市5町が中心となって国の法律に基づく近江鉄道沿線地域公共交通再生協議会(法定協議会)を立ち上げ、約5年間にわたって沿線住民をはじめ、滋賀県全体にとって最も望ましい近江鉄道線の在り方について、さまざまな議論や検討を重ねてきました。  利用者の減少や担い手の人材確保をはじめとする、近江鉄道を取り巻く状況は大変厳しい状況でしたが、総延長59・5キロメートルの全線を存続することを決定しました。  いよいよ4月から、近江鉄道線は、「公有民営方式による上下分離」という運行形態に移行し、新たなスタートを切ります。  公有民営方式による上下分離とは、これまで近江鉄道が所有していた駅や車両、線路や変電所などの鉄道の運行に必要な施設や設備の管理を県や市町が公費で行い、鉄道事業者は日々の運行や利用者へのサービス向上に専念する仕組みのことです。今回のケースは、今後の公共交通の在り方を示す先進的な取組として全国から注目されています。 始動する、「上下分離」方式 公有民営方式による上下分離とは 上 近江鉄道株式会社 運行・運営、サービスの提供 日々の安全運行を基本とし、利用者目線に立ったサービスの向上を図ります。 下 一般社団法人近江鉄道線管理機構 インフラの管理 沿線市町や県が中心となって法人を作り、駅舎や線路などのインフラの管理運営を行います。 近江鉄道株式会社(鉄道事業法に基づく第二種鉄道事業者) 社員 112人(本社部門15人、現業部門97人)※記載の従業員数は、鉄道事業に関わる人員のみ 主な業務 鉄道事業法に基づく鉄道の運行、利用者サービスの向上など 近江鉄道株式会社  代表取締役社長 飯田 則昭  いよいよ4月1日から近江鉄道線は上下分離へ移行し、弊社は第二種鉄道事業者として新たに出発いたします。  私たちは運行を担う鉄道事業者として、今後も安全安心で快適なサービスの提供に努め、沿線の自治体や住民の皆様、第三種鉄道事業者と一体となり、沿線地域のにぎわいを創出できるよう全社一丸となって取り組んでまいります。今後とも皆様のご理解とお力添えをよろしくお願いいたします。 一般社団法人近江鉄道線管理機構 (鉄道事業法に基づく第三種鉄道事業者) 社員 沿線市町および県で構成    事務局体制は、代表理事を含む6人 主な業務 近江鉄道線の運行に必要な鉄道施設、設備の維持管理など 一般社団法人近江鉄道線管理機構 代表理事 南川 喜代和(東近江市副市長)  今年で開業126周年を迎える歴史ある近江鉄道線の鉄道施設の維持管理や設備更新などの重責を担う当機構の代表として、鉄道施設の安全管理を徹底し、電車が安全に走り続ける環境を整えていきたいと考えています。  今後、近江鉄道を利用されるお客様から「便利になったね」と言っていただけるよう、近江鉄道株式会社と一緒に知恵を絞り、創意工夫を凝らした事業に取り組んで参ります。 常に安全!もっと便利に! でかける人を、ほほえむ人へ! それぞれの現場から 電気区 電線や変電所、踏切、通信関係の保守 昨年4月に採用されました。日々の設備点検やレール交換に伴う電気の作業などはもちろん、障害物検知装置が誤作動しないように草刈りや除竹作業なども行っています。体力仕事ばかりですが、無事に列車が走っている姿を見ると達成感があります。【電気区】 藤川真ノ介さん 保線区 線路の点検などの保線作業 小さい頃から近江鉄道の沿線に住んでいます。高校にも近江鉄道を使って通学していたこともあり、電車が大好きでこの仕事を選びました。夜間の寒い中で保線作業をして、始発電車が無事通ったときは、特にやっててよかったなと感じます。安全輸送のため、すべての作業に緊張感をもって取り組んでいます。【保線区】 安部翔平さん 電車区 車両の点検や修繕、改造、部品の購入など  車両の検査や修繕などを担う技術者です。少ない人数でオールマイティに仕事をこなす必要があり、苦労も多いですが、次の世代にしっかり技術を継承できるよう取り組んでいます。当たり前のように電車が走る、そして、それが維持できるようお客様目線で日々仕事に励んでいます。また、若手の成長にもやりがいを感じています。【電車区】 橋本雄馬さん CTCセンター 近江鉄道全線の情報を統括・指令、運行状況の把握・監視  トラブルを早期に発見し、すぐに対応する。有事の際には、的確な指示を出す。電車が定刻に走れるよう心がけ、お客様に安心して利用していただけるよう、常に目を光らせています。トラブルが起こったときには、駅や運転士からの報告や信号などの情報を統括し、通常運行に戻せたときは、「やってやったぞ」と思うとともに、ホッとします。【CTCセンター】 馬場宏志さん 駅員 乗車券の販売、改札係、収支管理など 「笑顔あふれる駅」をモットーに、地域の人に愛されるような駅を目指して日々取り組んでいます。始発から終電まで何事もなく無事に運行できることが一番大切。今後もより一層、お客様のニーズを捉え、さらに多くの人に近江鉄道線を利用していただき、また乗りたいと思っていただけるよう努めます。【主管駅長】 丸山正信さん さまざまな「思い」を乗せて  新しい仕組みでスタートする近江鉄道線。この上下分離は、ゴールではなく新たなスタートラインです。公共交通は、道路や橋と同じ市民の日常生活にとって欠かせないものであり、地域の発展に大きな影響を及ぼすことから、みんなで大切に守り育てていく必要があります。市民の誰もが便利で快適に感じられる近江鉄道線にしていくためには、これからも市民の皆さんのアイデアや思いを実現していくことが必要です。一緒になって、未来の公共交通を創っていきましょう。 ■問合せ 公共交通政策課 IP電話 050‐5801‐5658 ファクス 0748‐24‐1249