2006年1月1日、東近江市と蒲生・能登川両町が合併し、新生「東近江市」がスタートしました。 今回は、新しくスタートした東近江市の蒲生・能登川地区を中心にご紹介します。 新年のごあいさつ・新生「東近江市」の門出にあたり 東近江市長 中村功一 新年明けましておめでとうございます。 昨年2月11日、市民のみなさまの深いご理解、ご協力を得て東近江市を誕生させることができました。 そして、新たに蒲生町、能登川町が加わり、本年1月1日から人口11万8千人、面積383平方キロと人口では大津市に次ぐ県下2番目の大きな市となりました。 市政を預かる責任の重さを考えますと、改めて身の引き締まる思いがいたします。 新生「東近江市」は、雄大な鈴鹿の山々から琵琶湖まで連なり、愛知川、日野川の流域に広がる豊かな農地、近江商人が築いた古い町並み、万葉ロマンの蒲生野、古くから続く伝統文化、多くの人々が働く先端工場、人々が集う商店街など、個性豊かな地域を持ち合わせたまちです。 また、今回の合併でJRや琵琶湖、地域医療の拠点など新たな要素も加わり、ますます発展の可能性が高まったものと思っています。 もとより市町村合併は、自治能力を高め足腰の強い自治体をつくることや、地域の資源を活かし新しいまちづくりに挑戦することなどが大きな目的です。 また、スケールメリットを活かした行政改革、地方分権改革の取り組みも重要であると考えています。 こうした点を踏まえて、これから始まるまちづくりにおいては、「市民と行政との協働」を基本に、新生「東近江市」が名実ともに滋賀県東部の中核を担う都市となりますように一生懸命努力をしてまいります。 どうか、みなさまの変わらぬご支援ご協力をお願いいたします。 あなたが描く東近江市は・・・ 市民のメッセージ 『自然を大切に』 朝桜中学校 かつみ さき さん 15年間過ごしてきた蒲生が新しく東近江市に生まれ変わりました。 私は新市への希望でいっぱいです。 蒲生の地域はこれまで、自然を大切に守ってきたまちです。 もちろん、今も大切にしているつもりですが、道にゴミが落ちていたり、木々がばっさいされたりしているのを見るのは残念です。 東近江市になっても今まで以上に自然を大切にし、美しいまちであってほしいと思います。 『協力し合う気持ちを大切に』 能登川中学校 中村 まさと さん 新市になって生まれ育った町名は消えるけれど、「水車のまち能登川」として地区のシンボルでもある水車を大事にし、これから生まれてくる子どもたちのためにも残していきたいです。 また、市全体で取り組む行事などには積極的に参加し、地域の人たちとかかわりをもちたい。 そして、いろんな場面で常に周りと協力し合うという気持ちを大切にし、交流の場が広がることを期待しています。 『みんなが心を一つに』 新成人 みつだ めぐみさん(下中野町) 大きなまちになると、小さなまちで行ってきた個性的な行事や良さが薄れてしまわないかと心配です。 これまで行ってきた地域内での人と人の交流、つながりの大切さを忘れないでほしい。 生まれ育ったまちが好きだから、機会があれば積極的に参加し、交流をしたいと思います。 また、それぞれの地域の行事や良さを新しいまち全体に広げ、何事にもみんなが心を一つにして取り組めたらすばらしいですね。 『心温まるまちに』 新成人 うかいかんたさん(宮川町) 蒲生町が東近江市と合併することに最初は少し抵抗を感じていました。 それは、「蒲生町」という名が消えてしまうことを寂しく思っていたからです。 しかし、今まで私が過ごしたまちはみんなの心の中で決して消えることはないと思います。 これからは東近江市の一員として、この市がより良くなることを願っています。 そして、市民のみんなが優しく、心温まるまちになれば良いなと思っています。 『特色を活かした作物づくりを』 農業従事者 野田真由美さん(大中町) 農業にたずさわる女性として、また子どもをもつ親として一番に思うこと、それは、子どもたちが通う学校給食の食材に、栄養面だけでなく安全面においても安心できる地元の農産物を使ってほしいということです。 東近江市の食育の行方を考えたとき、合併により少しでも地域の特色を活かした作物づくりができる取り組みをめざしてほしいと思います。 このような発想のもてる東近江市を期待しています。 『市全体で新しいことができれば』 株式会社アラカツ代表取締役社長 松吉 ようし さん(八日市本町) これまでの各地域の良いところを残しながら市全体で新しいことができればと考えています。 例えば、住基カードに商店街で利用できる市域統一のポイント機能が付加できれば、地元の商店などを利用する人が増えるのではないでしょうか。 各地域で商業に関わる若者同士が交流を深め協力しながら、空き店舗の活用や商店街の活性化に新しい発想を取り入れてくれることを期待しています。 うるおいとにぎわいを求めて・・・ 東近江市の魅力を探る ―新しい魅力、蒲生・能登川地区― 問=問い合わせ先          =蒲生地区= 古墳や遺産、文化財が 歴史を今に伝える ■蒲生支所(市子川原町) 0748−55−1161 ■石塔寺(石塔町) 聖徳太子が開設したと伝えられる天台宗の寺院です。 本堂から石段を登ると、1万基におよぶ石仏や石塔が並びます。 その中心は、高さ7.5メートルの三重塔で、この塔はわが国最大・最古の石塔として国の重要文化財に指定されています。 問 石塔寺 0748−55−0213 ■ゆうきゅうの丘あかね古墳公園(川合町) この公園は、同一地域に5基以上の古墳が築かれた県内最大級の古墳群の保護と活用のため、当時の姿を復元した史跡公園です。 2基の大きな古墳には竪穴式石室が復元され、約400本の信楽製の円筒形はにわ埴輪が並び、古墳について学習したり、歴史に親しんだりできる公園です。 問 埋蔵文化財センター 0748−42−5011 ■ガリ版伝承館(蒲生岡本町) 「ガリ版」とは正式にはとうしゃ版といい簡単便利な印刷機として国内で80年以上使われた大ヒット商品です。 印刷機の鉄筆から出るガリガリという音から「ガリ版」と呼ばれました。 この印刷機を考案したのが堀井新治郎親子。 堀井家の洋館およびおもや母家を改修した伝承館には、ガリ版の第1号機や印刷物が展示され、ガリ版制作も体験できます。 問 蒲生教育分室 0748−55−4885 ■野口謙蔵記念館(綺田町) 昭和初期に活躍した滋賀県を代表する洋画家、野口謙蔵画伯のアトリエを改修した記念館です。 館内には、蒲生野の自然や里人を描いた作品、複製画、関連資料が展示されています。 アトリエ独特の大きな窓からは、蒲生野の美しい山野や田畑を目にすることができます。 問 野口謙蔵記念館 0748−55−3836 ◇蒲生地区・・・面積:34.64平方キロ(9.0%)、人口:15,281人(12.9%)、世帯数:4,438世帯(11.4%) ※( )内は本市に占める割合、人口および世帯数は平成17年12月1日現在 =能登川地区= 琵琶湖の水とシンボルの水車が うるおいを伝える ■能登川支所(躰光寺町) 0748−42−1331 ■能登川水車とカヌーランド(伊庭町) 関西一の大きさを誇る直径13メートルの大水車が回り、琵琶湖に注ぐ水と芝生の緑が楽しめる親水公園です。 地区のシンボルとして親しまれ、錦鯉が泳ぐ小川やかわいいカモのいる池があり、家族連れなどでにぎわいます。 また、ボートや釣り舟の利用もできます(有料)。 問 水車資料館 0748−42−3000 ■JR能登川駅(林町) 平成15年の新駅舎開業により、通勤や通学など利用者の利便性が高まり、本市の新しい交通の拠点として期待されます。 駅西口広場には、2連の水車やからくり時計、噴水があり憩いの場所としても親しまれています。 ■能登川博物館(山路町) 郷土の歴史についての資料を展示し、ひと月ごとに内容を変えた企画展を開催しています。 また、飼育されているスズ虫などの昆虫を観察したり、自然や民具に触れたりする体験学習も楽しむことができます。 併設の図書館と埋蔵文化財センターとともに、生涯学習の場として利用できます。 問 能登川博物館 0748−42−6761 ■法堂寺遺跡公園(佐野町) 約1,300年前に創建された古代寺院跡で、県史跡に指定されています。 広い公園には、五重塔の中心柱の礎石が当時のまま残り、発掘調査で確認された建物の一部が復元されています。 また、園内にはこの地の歴史を解説した説明板や出土品の写真を展示しています。 問 埋蔵文化財センター0748−42−5011 ◇能登川地区・・・面積:31.12平方キロ(8.1%)、人口:23,441人(19.8%)、世帯数:7,401世帯(19.0%) ※( )内は本市に占める割合、人口および世帯数は平成17年12月1日現在