「高齢者にやさしいまち」をめざして 高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の見直し 市では、高齢者の保健や福祉、介護サービスを進めるための指針となる、「高齢者保健福祉計画」と「介護保険事業計画」の見直しを行いました。 今回見直した計画は、平成18年度から20年度までのもので、計画に基づいて、元気な人から介護が必要な人まで、すべての高齢者と高齢者をとりまく地域社会を視野にいれて事業を進めていきます。 【一体的に見直す2つの計画】 ■高齢者保健福祉計画 高齢者の健康と福祉の増進を図るために策定する計画です。介護予防や健康づくり、高齢者の自立支援などについて、本市の課題や取り組みを盛り込んだ内容となっています。 ■介護保険事業計画 介護保険事業を円滑に運営するために策定する計画です。サービス利用者数や必要なサービス量の見込みを立て、必要とされる費用を算出しています。 2つの計画を一体的に見直すことにより、すべての高齢者を対象とした保健と福祉の取り組みを効果的に進めます。 今回見直した計画は、旧市町で平成15年に作成した計画に盛り込まれた事業の実績や課題をふまえたものです。 また、今年度からの介護予防を重視した介護保険制度改正や高齢者人口がピークとされる平成26年度の高齢者介護までを見据えて、本市に必要なサービス内容や費用などを十分に検討し、介護保険料の改正を含めて見直しを行いました。(表@) 表@高齢化率の推移(東近江市)※高齢化率は総人口に占める65歳以上人口の割合 12年度 17.4% 17年度 18.8% 18年度 19.1% 19年度 19.5% 20年度 19.8% 21年度 20.2% 26年度 22.8% ※本市の高齢化率は、平成21年度に20%を越え、平成26年度には約23%になると予想されます。 【計画がめざすもの】 2つの計画がめざすものは次の4項目で、目標の達成に向けて取り組みます。 @いつまでも元気で安心して暮らせるまち 高齢者の豊かな経験や知識を地域社会でいかせるよう、シルバー人材センターなどを活用した就労機会の拡大や、スポーツ・文化活動、ボランティア活動への参加を促進します。 また、いつまでも健康で自立した生活ができるよう、「自分の健康は自分で守り育てる」という意識を高め、生活の質の改善や死因で高い割合を占める疾病の予防、早期発見、早期治療など関係機関との連携を図り、健康寿命を伸ばすよう取り組みます。 介護予防事業では、運動機能向上と栄養改善を図る通所事業や口腔衛生教室の開催、介護者交流事業、介護用品支給による介護者支援も行います。 A認知症になっても安心して暮らせるまち 今後、急増する認知症高齢者に対応するため、早期発見・早期対応の体制づくりや認知症への正しい知識の普及と啓発、専用電話による相談窓口の設置、地域での見守り体制の充実などに取り組みます。 また、保健師の訪問や自治会での学習会、初期の認知症高齢者の家族を対象とした個別相談窓口の設置に取り組みます。 Bいつまでも住み慣れた地域で暮らせるまち いつまでも家庭や地域で自立した生活ができるよう、日常生活圏にある保健・医療・福祉の関係機関と住民やボランティアが連携を図ることができる体制づくりを進めます。 そのため、日常生活圏域を設定し、中学校区程度の規模となるよう市内を10圏域に区分します。 各圏域の高齢者数や世帯状況、地域の特性、サービスの普及状況をふまえながら、圏域単位に必要とされる介護予防事業や基盤整備に取り組み、住み慣れた地域での生活を支援します。 また、「地域包括支援センター」を、市いきいき支援課内に新しく設置し、各機関と連携を図り総合的な支援を行います。 「地域包括支援センター」 保健師や社会福祉士など専門職員を配置し、介護予防や介護保険の利用などの相談に応えるとともに、軽度の介護が必要な人にサービス計画を立て、自立支援や生活改善を進めます。 また、身近な地域で相談できるよう各支所単位に相談窓口を設置し、早期対応を図ります。 【日常生活圏域の概要】※数値は、平成17年5月現在  圏域名 八日市   対象地域 建部・八日市地区     人口9788人   高齢者のいる世帯数767人   要介護認定者数(介護保険で介護が必要と認定された人数)330人 圏域名 八日市東  対象地域 玉緒・御園・南部地区 人口20809人  高齢者のいる世帯数1391人  要介護認定者数(介護保険で介護が必要と認定された人数)425人 圏域名 八日市西  対象地域 平田・市辺・中野地区 人口15657人  高齢者のいる世帯数1391人  要介護認定者数(介護保険で介護が必要と認定された人数)431人 圏域名 永源寺   対象地域 永源寺地区     人口6384人   高齢者のいる世帯数849人 要介護認定者数(介護保険で介護が必要と認定された人数)270人 圏域名 五個荘   対象地域 五個荘地区     人口12162人  高齢者のいる世帯数1073人  要介護認定者数(介護保険で介護が必要と認定された人数)279人 圏域名 愛東   対象地域 愛東地区         人口5613人   高齢者のいる世帯数736人 要介護認定者数(介護保険で介護が必要と認定された人数)184人 圏域名 湖東   対象地域 湖東地区         人口9181人   高齢者のいる世帯数1118人  要介護認定者数(介護保険で介護が必要と認定された人数)279人 圏域名 蒲生   対象地域 蒲生地区         人口14328人  高齢者のいる世帯数1540人  要介護認定者数(介護保険で介護が必要と認定された人数)373人 圏域名 能登川東  対象地域 JR能登川駅より東の地域 人口11335人  高齢者のいる世帯数813人 要介護認定者数(介護保険で介護が必要と認定された人数)255人 圏域名 能登川西  対象地域 JR能登川駅より西の地域 人口11986人  高齢者のいる世帯数1280人  要介護認定者数(介護保険で介護が必要と認定された人数)358人 C参加と協働によって生きがいをもって暮らせるまち 生涯を現役で活躍し暮らせるように、サークル活動支援による学習機会の拡大や、地域の子どもと高齢者などが交流する「あったかサロン」の開催、高齢者の就労機会を支援するための情報提供など、生きがいづくりの支援と高齢者の社会参加を促進します。 また、快適に生活できるよう住宅改修時に建築士・理学療法士などを派遣します。 このように、介護予防や生きがい活動、生活支援などにより要介護状態になることを予防するとともに、要介護状態になっても安心してサービスを利用できるよう取り組みを進めます。では、次に今年度から改定された介護保険料を中心に介護保険事業について紹介します。 【介護保険事業と介護保険料】 ■本市の介護保険事業の特徴 平成12年度に始まった介護保険制度は、サービス利用者数が増加するなど、制度は順調に定着してきています。 一方で、居宅・施設サービスともに介護サービス費用は急速に増え、平成18年度は、平成12年度と比べて2倍以上の伸びが見込まれます。(表A) 特に、本市の施設サービス費用は県内平均よりも高く、全体の費用が増加する要因の一つとなっています。 また、介護が必要になる人が増えることで、介護サービス費用のさらなる増加が見込まれます。(表AB) 表A介護サービス費用の推移(東近江市) 平成12年度 居宅など11.3億円 施設16.5億円 合計27.8億円 平成17年度 居宅など26.9億円 施設24.9億円 合計51.8億円 平成18年度 居宅など33.6億円 施設24.7億円 合計58.3億円 平成19年度 居宅など36.4億円 施設25.0億円 合計61.4億円 平成20年度 居宅など39.5億円 施設25.5億円 合計65.0億円 ※平成12年度は、11か月分の数値を1年分(12か月分)に換算しています。 表B要介護認定者数の推移(東近江市)※要介護認定者数は介護が必要と認定された人数 平成12年度 要介護認定者数2069人 平成17年度 要介護認定者数3390人 平成18年度 要介護認定者数3645人 平成19年度 要介護認定者数3790人 平成20年度 要介護認定者数3899人 平成26年度 要介護認定者数4820人 ■介護保険料(基準額)は月額3840円 介護保険料は3年ごとに見直すことになっており、今後の高齢者人口の推移や施設整備状況などを基に、平成18年度から20年度まで3年間に見込まれる介護サービス費用から算出します。 平成15年度から17年度の費用合計約143億円と比較すると、平成18年度からの3年間の費用は約185億円と、1.3倍になり費用の大幅な増加が見込まれます。 そのため、介護保険料もこれまでより高くなり、1人当たりの介護保険料(基準額)は月額3840円となります。 また、所得などに応じて区分する介護保険料の段階は、5段階から6段階にすることで、所得が低い人の負担が大きくならないよう配慮をしています。(表C) 表C平成18年度から平成20年度までの介護保険料 第1段階 対象者 生活保護受給者または市民税非課税世帯で老齢福祉年金を受給されている人  月額1920円(年額23040円)【基準額×0.5】 第2段階 対象者 市民税非課税で、合計所得金額と課税年金収入額の合計が80万円以下の人  月額1920円(年額23040円)【基準額×0.5】 第3段階 対象者 本人および世帯全員が市民税非課税で、第2段階以外の人          月額2880円(年額34560円)【基準額×0.75】 第4段階 対象者 本人は市民税非課税だが、世帯が市民税課税の人              月額3840円(年額46080円)【基準額】 第5段階 対象者 本人が市民税課税で、合計所得金額が200万円未満の人          月額4800円(年額57600円)【基準額×1.25】 第6段階 対象者 本人が市民税課税で、合計所得金額が200万円以上の人          月額5760円(年額69120円)【基準額×1.5】 ■問い合わせ いきいき支援課・長寿福祉課 電話0748−24−5641 ただし、介護保険料については、保険年金課 電話0748−24−5632 ※グラフの数値は、いずれも合併までは旧市町の合計値です。