特集 地域のちから 再発見!! あなたが「主役」  まちづくりの主役は、市民のみなさん一人ひとりです。  東近江市発足後、市内の各地区で市民が主役となり、活動の仕組みをつくり運営する「まちづくり協議会(略称:まち協)」の取り組みが始まっています。今回はまちづくりについて改めて考えるとともに、現在すすめられているまちづくり協議会の取り組みを紹介します。 なぜ、住民が主役のまちづくりか―  日本は、少子高齢社会となり、年金や医療・介護の負担が増える一方で、経済は安定した成長が見込めず、財政の縮小は避けられない状況です。また、住民のニーズも複雑・多様化する中で、行政がこれまでどおり市全域に一律にサービスを提供することは困難になってきます。  そのため、地域に密着した介護や子育て、防犯、地域交流など、行政だけでは解決できない課題については、住民のみなさんと行政が協働で解決していく仕組みが必要です。 住民による住民のためのまちづくりを―  あなたはどんなまちに住みたいですか。例えば「安心・安全なまち」、「活気にあふれたまち」、「住民同士が支え合えるまち」など、いろいろなまちを思い浮かべられると思います。自分たちが住みたい「まち」をつくるためには、みなさんの「まち」に対する考え方を取り入れた市民と行政の協働によるまちづくりを行うことが望ましい姿ではないでしょうか。  これまでの行政と地域との関係は、補助金などを通して、環境・福祉・教育などの分野ごとに連携をしてきました。しかし、地域では複雑な課題が数多くあり、総合的に解決していくことが必要です。そのためには、住民のみなさんが地域に必要な活動を選択し、これまでの行政と地域との連携をいかしながら進めていく、創意と工夫による「住民主導」のまちづくりが必要です。 まちづくり協議会とは―  まちづくりは、自治会を中心に行われています。しかし、自治会だけでは解決が困難な広範で複雑な課題が増えてきたため、身近な生活基盤を支える「新しい住民自治の仕組み」をつくることが必要です。地域の課題に住民のみなさんが自発的にかかわり、自分たちの問題として解決する。そのような取り組みが地域をよくしていくことにつながります。  集落や自治会より大きく、地域の一体感を保ち、住民が価値観を共有できる身近な自治の範囲において、市民と行政が協働して課題を解決し、個性をいかしたまちづくりを進める仕組みが、「まちづくり協議会」です。 だれもが参加できる住民自治の仕組みは―  市内の各地区には、地域固有の伝統文化や地域が築いてきた個性豊かな独自のまちづくりの歴史があります。それらを地域の宝物として継承するためにも、住民のみなさんが『主役』となり、地域を維持し、発展させていくことが大切です。  みなさんは、自治会や老人会、子ども会などの団体や、まちづくりに関心がある個人、ボランティア団体、NPO(非営利で社会的な活動を行う団体)、企業など、地域のあらゆる立場で自主的に参加できます(下図参照)。 積極的な参加を―  まちづくり協議会は、旧八日市市8地区の公民館区、旧6町では支所の区域を単位に設置し、それぞれの区域を主な活動エリアにします。現在、市内の14地区のうち7地区でまちづくり協議会が住民のみなさんによって設立・運営されています。  各協議会では、話し合いを重ね、個性ある活動が展開されています。 また、これから設置に向け取り組んでいる地区でも勉強会や組織づくりなどが進められています。  だれもが参加できる地域自治の仕組み「まちづくり協議会」へのご理解と積極的なご参加をよろしくお願いします。 次に、まちづくり協議会で活動されているみなさんの取り組みを紹介します。 ホントの“やりがい”みーつけた!! まちづくりは生涯現役 『まち協』。そこはまさに、やりがいの宝庫! それを育てるのはあなた次第です。 まちづくり協議会の区域と人口 八日市地区6500人、建部地区3300人、中野地区7400人、南部地区7300人、市辺地区4800人、平田地区3500人、玉緒地区5300人、御園地区8300人、永源寺地区6300人、五個荘地区人、愛東地区5600人、湖東9200人、蒲生地区15300人、能登川地区23500人 400人のボランティア 湖東地区 福田 純子さん 22万球のイルミネーションを飾り付ける「コトナリエ」では、多くの電球を飾り付けるのに苦労しました。7月の暑い中、延べ400人の市民ボランティアにご協力をいただきました。やっぱり何をするにしても、人と人のつながりを大切にしたいですね。 みんなの汗がまちづくりの資金に 湖東地区 西澤 勝見さん 資源ごみ回収を通して、資源循環型社会づくりを啓発しています。最近では、さまざまな人にお手伝いに来ていただき助かっています。また、資源ごみの売り払い収入は、まちづくり協議会の活動資金にもなっています。 みんなで創った、地域住民の交流イベント 永源寺地区 田中 進さん イベントに参加するだけでなく、駐車場係やゴミ拾いに協力してくれる人が増えました。まち協の活動が自分たちでできることは自分たちでやろうという、きっかけになったと思っています。このような意識がイベントだけで終わらず、広くまちづくりにつながっていくことに期待しています。 身近な情報をお茶の間に 永源寺地区 福井 均さん 協議会の広報紙を作成しています。情報収集や記事の編集、校正など、大変な作業ですが、楽しい雰囲気で活動しています。まち協の活動だけでなく、各地域の身近な話題などをどんどん取り上げ、人や地域がより元気になるような情報紙をめざしていきたいです。 まちの良さを再発見! 永源寺地区 松吉 義彦さん  久しぶりに「永源寺」を訪ね、ボランティアガイドの人に案内してもらい、歴史の豊かさとわがまちの良さを見聞できました。三重県につながるトンネル工事の説明を受け、工事の大変さも実感できました。普段住んでいながら知らなかったことを再発見しました。 私たちのまちだからコツコツと! 愛東地区 上川 裕子さん  訪れた人から「キレイやねぇ」と言ってもらえ、心が和んでいただけるようなまちづくりをめざしています。まち協とNPO愛のまちエコ倶楽部が、愛東支所から国道307号までの沿道の草むしりとひまわりの種まきをしました。花がみなさんの目に優しく映るようにと願っています。 勉強会で愛東のいい所を再発見 愛東地区 小椋喜八郎さん  今まで愛東地区で培ってきたいい所をみんなで再発見し、これらを継承してすばらしいものとするため、勉強会を実施しました。5回にわたり延べ238人の参加者があり、多くの宝物を見つけ出すことができました。 「住んでよかった」「住みたい」と言えるまちに 五個荘地区 辻 裕子さん  心身ともに健康で平凡な生活を営めることは、とても幸せなことです。それも自分たちを取り巻く地域の環境が整っていればこそ。みんなが気楽に語り合いながら、課題を解決したり新しいことに挑戦したりする。そんな「まち協」であることを願っています。 すばらしい自然環境を後世に 建部地区 南 馨さん まちづくりの基礎は『キレイなまち』から始まります。愛知川左岸のクリーンアップと補植・施肥(せひ)を行いました。きれいになった景観は、心をなごませてくれますね。仲間とともに体を動かし、心も体もリフレッシュしました。目標は、地区全体を「緑の湖(うみ)」にすることです。 互いに助け、支え合えるまちづくりを 南部地区 古道 清さん  地域通貨学習会で、だれもが自分らしく、安心して暮らせる地域の仕組みづくりを学びました。「頼み・頼まれる」関係を広げるためには、寄り合いの場づくりが必要で、本音を気軽に出せる信頼関係づくりが大切ですね。 休耕田を住民同士のコミュニケーションの場に 南部地区 小椋 祥行さん  休耕田を活用して、有機肥料での花・野菜づくりを進めています。昨年は、子どもたちのいも掘り体験や有機野菜の販売を行いました。これらの活動で地域住民のみなさんのコミュニケーションが深まればと考えています。 住民1000人に聞きました 平田地区 森井 源藏さん  地区内の住民を対象にしたアンケートの質問や選択肢を、みんなでワークショップをして考えました。地域のみなさんの関心も高まり、今後のまちづくりを進める上で貴重なデータになりました。このみなさんの率直な思いをまちづくり計画にまとめ、だれもが親しみやすく、楽しいまちづくりにつなげていきたいですね。 お問い合わせ先 まちづくり推進課 電話0748−24−5623