歴史のみち 「千草街道(ちぐさかいどう)」を訪ねて。  永源寺地区の市原野町から三重県菰野(こもの)町千草(ちぐさ)まで続く、歴史の道「千草街道」の魅力を再発見しようと4月29日、永源寺まちづくり協議会の「わがまち探訪フィールドワーク」が開催され、市内外から参加した13歳から77歳まで幅広い年齢層の人たち85人が甲津畑(こうづはた)町から千草まで約15キロの古道(こどう)を8時間あまりかけて歩きました。  「千草街道」は、市原野町で八風街道(はっぷかいどう)から分岐し、途中、標高約千メートルの杉峠や三重県との県境となる根の平峠を越えて伊勢方面に通じる道です。古くは商人の交易の道として栄えましたが、現在では、鈴鹿の名峰・雨乞岳(あまごいだけ)への登山道として親しまれています。  この街道には、多くの史跡や名所があります。その一つ「善住坊(ぜんじゅうぼう)のかくれ岩」は、戦国時代に織田信長が京都から岐阜への帰り道に通った際、岩に隠れた銃の名手・杉谷(すぎたに)善住坊から狙撃されたといわれる場所です。また、江戸時代から昭和にかけて採掘されていた銀や銅の鉱山跡やそこで暮らしていた人たちの住居や学校などの跡、昭和40年代まで盛んに行われた炭焼きの窯跡などがあり、当時の生活の一端をしのぶことができます。  街道沿いには、愛知川の源流となる神崎川・藤切(ふじきり)川が流れ、心地よい水音が聞こえてきます。また、目を上げると春の山にひっそりと咲く薄紅色のコバノミツバツツジや純白のコブシの花が心を和ませてくれます。さらに、ミズナラ、カエデ、クマシデなど大きく枝を広げた古木が、約350メートルにわたり並ぶ「古木の並木道」など、ここでしか感じることができない自然の雄大さが満喫できます。  今年度、この豊かな歴史と自然をもつ「千草街道」を、よりみなさんに親しんでいただけるよう、案内板の設置や危険箇所の整備などに取り組みます。 千草街道は、滋賀県の東部から三重県伊勢方面に抜ける山道 広報ひがしおうみ 6月号  平成18年6月1日発行(通巻17号)  編集・発行:東近江市企画部広報課 〒527-8527 滋賀県東近江市八日市緑町10番5号 電話0748-24-1234 電話0749-46-2100 FAX0748-24-1457 ホームページ http://www.city.higashiomi.shiga.jp 広報ひがしおうみは、古紙配合率100%再生紙に、環境に配慮した大豆油インキで印刷しています。 経費節減と印刷工程短縮化などのため、閉じ穴は開けておりませんのでご了承ください。