特集 国際交流 交流は、海を越える。  国際化の進展とともに国際交流は、私たちに身近なものとなり、その重要性を増しています。国際交流は、市民が交流都市の人たちとふれあう機会などを通して視野を広げ、文化や生活を見直すきっかけとなります。今回は国際交流について本市の取り組みや、交流している都市を紹介します。 写真・・・昨年8月、韓国・統營市から訪れた子どもたち(左側)と市内の小学生がサッカーで交流 ●国際交流はなぜ必要なのか  日本は、国土が海に囲まれていることもあり、国際交流を始める当時は外国の人と交流する機会が比較的少ない国でした。 そのため、外国の都市と友好関係をもち、交流の輪を広げることで、お互いの国の言葉や風土、習慣などの理解を深め、私たちも新しい発見をすることができる国際交流が始まりました。交流が進むことで、市民の国際感覚が豊かになり、地域の振興や活性化にもつながり、文化、スポーツ、教育、経済など各分野での発展が期待できます。 ●6都市との交流  本市では合併前の旧市町において、6都市との間で姉妹都市などの提携を交わしています(左表参照)。  姉妹都市(常徳市とは友好都市)とは、市民の相互訪問をはじめ、姉妹都市奨学生の派遣、都市を紹介する催し、図書の贈呈など、みなさんの身近なところで交流を深めています。   また、統營文化院と市教育委員会との間では文化交流協定の提携を交わしており、文化、芸術、教育、スポーツの分野で相互理解を深めることを目的に交流を行っています。これまでに双方の凧揚げの催しへの参加や、子どものスポーツ交流などをしています。  合併したことにより、アジアの隣国である中国や韓国から北米・北欧に至るまで、これまで交流することがなかった国の人たちとの出会いの機会が広がりました。また、これらの都市から訪れる使節団員に、鈴鹿山系から琵琶湖まで広がる本市の魅力に触れてもらうことで、日本の歴史や文化の縮図を感じてもらうことができます。  私たちが身近に感じられる国が増えることで、より国際的な視野が広がり、国際性豊かな人づくりと地域づくりにつながることが期待できます。そのため、東近江市誕生後、マーケット市・常徳市・レトビック市・統營文化院とは、すでに提携の調印を済ませ、テーバー町とは7月に、場岩面とは10月にそれぞれ調印を行います。  ●国際交流協会の活動  市民が中心となる交流活動も進んでいます。4月には、300人あまりの市民などを会員とする「東近江国際交流協会」が設立されました。同協会は、これまで八日市・湖東・蒲生地区でそれぞれ国際交流活動をしていた3つの協会が統合し、これまで協会がなかった地域の人にも参加を呼びかけ、市全体に交流の輪を広げようと設立されました。  市が行う相互訪問事業への協力をはじめ、外国籍の市民を対象とした日本語教室の開催、世界の歌や料理を紹介する催しなどにも取り組まれています。これらの活動は、本市に居住される34か国、3889人の外国籍の市民(平成18年6月1日現在の外国人登録者数)との交流を深めるきっかけにもなり、お互いに協力し合う地域社会をつくることにつながります。今後は、これまで深めてきた交流の絆を大切にし、市民による活動を市全体に広げ国際交流の輪をつくることが必要です。 【別表】合併までの国際交流の経過 都市名【提携の内容】=マーケット市【姉妹都市】  調印日=昭和54年8月13日  調印市町=八日市市  滋賀県の姉妹県州であるミシガン州に県使節団として訪れた八日市市からの参加者が、ホームステイで温かく受け入れていただいたこと、また同州の中で人口や面積などが比較的同じ規模であることがきっかけとなりました。歴史や文化を紹介する図書の寄贈や、姉妹都市奨学生の派遣、お互いのまちを紹介するパネル展などで交流しています。 都市名【提携の内容】=テーバー町【姉妹都市】  調印日=昭和56年3月27日  調印市町=能登川町  能登川町からカナダに移住されている人が多く、同町出身者の橋渡しにより、交流が始まりました。ホームステイを通して交流を深めてきました。 都市名【提携の内容】=場岩面【姉妹都市】  調印日=平成4年11月2日  調印市町=蒲生町   石塔寺(石塔町)に三重石塔、場岩面・長蝦里に三層石塔があることから交流が始まりました。お互いの催しに市民が参加することで交流を図ったり、日韓の文化交流をテーマにしたシンポジウムの開催で友好を深めたりしてきました。 都市名【提携の内容】=レトビック市【姉妹都市】  調印日=平成6年11月1日  調印市町=湖東町  スウェーデン語で手工芸を表す言葉から「ことうヘムスロイド村」の名前が付いたことが縁で交流が始まりました。現地の世界民族舞踊祭で、湖東地区に古くから伝わる「ドケ踊り」を披露したり、レトビックフォークダンスグループが訪れたりして交流を深めてきました。 都市名【提携の内容】=常徳市【友好都市】  調印日=平成6年8月15日  調印市町=八日市市  滋賀県と湖南省が友好県省の提携を結んでいたことから、省内の同市との交流が始まりました。研修生の受け入れや市職員の派遣をはじめ、中国で発生した洪水被害には小学校建設資金の一部にと、募金活動にも取り組みました。 都市名【提携の内容】=統營文化院【文化交流協定】  調印日=平成13年5月26日  調印市町=八日市市教育委員会  共通の風習「凧揚げ」が縁で交流が始まりました。韓国凧の寄贈や、小学生が相互にホームステイをしてのスポーツ交流などで友好を深めてきました。 写真・・・国際交流協会が主催した「世界のうたまつり」では、各国の歌や楽器演奏、ダンスなどが披露されました(昨年8月) アメリカ・ミシガン州・マーケット市 ■人口:約21,000人 ■面積:30平方キロ  ミシガン州北部の中心都市で、この地域最大の医療機関や大学があります。五大湖の中で最大のスペリオル湖に面し、森林に囲まれた自然豊かな都市です。冬の気候は厳しく、零下が続きますが、ウインタースポーツが盛んです。 カナダ・アルバータ州・テーバー町 ■人口:約7,600人 ■面積:16平方キロ  アルバータ州南部に位置し、西にロッキー山脈があり、南に約100キロ行くとアメリカとの国境です。じゃがいもやとうもろこしの栽培などの農業と、その加工業が盛んです。日本や中央ヨーロッパ、ポーランド、オランダから多くの人が移住しています。 韓国・忠清南道(ちゅんちょんなむど)・場岩面(ちゃんあむみょん) ■人口:約4,000人  ■面積:48平方キロ  場岩面の「面」は、「村」を意味します。首都ソウルから南西約150キロにある百済(くだら)の最後の都として栄えた扶餘(ぷよ)の南に位置し、北東部には、錦江(くむがん)(白馬江)(ぺんまがん)という大きな川が流れています。約8割の世帯が農家で、スイカや蚕業が中心です。 スウェーデン・ダーラナ県・レトビック市 ■人口:約11,000人  ■面積:1,993平方キロ  「スウェーデンの心の故郷」といわれるダーラナ地方にあり、夏至祭やフォークダンスなど昔からの伝統を守る風土が残ります。首都ストックホルムから北西400キロのシリアン湖東岸に位置します。木工や住宅産業が中心で、観光地としても古い歴史があります。 中国・湖南省・常徳(じょうとく)市 ■人口:約6,000,000人  ■面積:18,190平方キロ  湖南省・北西部にあり、東は杜甫(とほ)の漢詩「登岳陽楼(がくようろうにのぼる)」で有名な洞庭湖(どうていこ)と接しています。陶淵明(とうえんめい)の作品「桃花源記(とうかげんき)」にゆかりの場所もあります。山・丘・平原・湖があり、美しい桃の花も楽しめるなど自然に恵まれていますが、市街地の開発も進んでいます。農業をはじめ、煙草や酒造、紡績が盛んです。 韓国・慶尚南道(きょんさんなむど)・統營(とんよん)市 (統營文化院) ■人口:約133,000人  ■面積:235平方キロ  釜山から約150キロ西にある固城(こそん)半島の先端に位置する風光明媚な都市で、暖流の影響で、平均気温が高く、夏と冬の気温差が少ないところです。優れた芸術家が数多く出ていることでも有名で、漁業と水産加工業が盛んです。凧揚げの風習があり、毎年2月に凧揚げの大会が開かれます。 ◆レトビック市と姉妹都市提携の調印  本市の友好親善使節団が5月、レトビック市を訪問しました。今回の訪問では、旧湖東町との間で平成6年に交わした姉妹都市提携を、東近江市として新しく調印を行い、末永い友好を誓い合いました。 写真・・・協定書に署名する中村市長(右から2人目)とヨーニ・ヨーネス・レトビック市長 ◆姉妹都市奨学生に小森さん  本市では毎年、姉妹都市マーケット市にある州立北ミシガン大学に奨学生を派遣しています。旧八日市市から始まり、通算すると今回で27人目となります。今年度の奨学生は小森麻衣子さん(20歳、ひばり丘町)で、7月下旬に渡米され、来年5月まで英語学部で学ばれます。 ■お問い合わせ=企画課 電話0748-24-5610