近畿圏と中部圏を結び、暮らしを広げる−  石榑峠道路が整備されます  本市と三重県いなべ市を結ぶ国道421号の県境付近にトンネルなどが整備される「石榑峠道路」の工事が始まりました。国道421号は三重県桑名市の国道1号を起点にし、本市を経由して近江八幡市の国道8号を終点とする約70キロの道路です。  国道421号石榑峠道路の歴史は古く、もともと木地師によって開かれ、「八風街道」という愛称で親しまれてきました。中世以降、鈴鹿の間道として、「八日市の市」をにぎわした生魚や塩干物などは、多くの近江商人や伊勢商人によって八風越えで運ばれてきたとの記録も残っており、かなりの往来があったことがうかがえます。  近年になり、京阪神と中京圏を結ぶ国道1号や国道8号、国道21号、名神高速道路、東海道線の整備が進むとともに、八風街道は忘れ去られた寂しい街道となってしまいました。しかし、琵琶湖の東側から名古屋市をほぼ直線で最短に連絡する八風街道の優位性は高く、地元では多くのみなさんによる、粘り強い道路整備の運動が続けられてきました。  こうした活動がようやく実り、両県の半世紀以上にわたる長年の悲願であった滋賀・三重県境部のトンネル化が国の直轄事業として実施されることになり、5月27日に永源寺地域産業振興会館で起工式が行われました。トンネルは平成21年3月末の貫通を予定しており、付帯工事を終えて供用開始されるのはもう少し先になる見込みです。  このトンネルが完成すると、東近江地域から桑名市までの所要時間が約30分短縮されるほか、通行規制や冬期の通行止めの解消など、円滑な交通の確保が図れるとともに、東近江地域と北勢地域の広域ネットワークを形成する重要な幹線道路となります。さらに、人、モノの流れを円滑に行うだけでなく、文化の交流を活発にし、まちに新たな魅力をもたらすとともに両地域の発展が、ますます加速するものと期待されています。 国道421号のあゆみ 大正9年4月 県道八日市四日市線の路線認定 昭和26年11月 江勢道路開通促進期成同盟会の結成 昭和29年9月 主要地方道近江八幡員弁線の路線認定 昭和45年7月 石榑林道が完成 昭和51年2月 近江八幡員弁線国道昇格期成同盟を結成 昭和57年4月 主要地方道近江八幡員弁線が国道421号に昇格 昭和57年7月 国道421号整備促進期成同盟会に名称変更 平成9年12月 石榑峠道路が平成10年度国直轄一次改築事業に認定 平成18年5月 石榑峠道路着工 写真・・・三重県いなべ市から掘り始められたトンネル工事 ■お問い合わせ=管理課 電話0748-24-5654