特集 子育て支援:笑顔で向き合っていますか  子どもは次代を担う大切な宝。子どもたちが健やかに育つことは、親だけでなくみんなの願いです。しかし、子育ては家族構成の変化などにより、支援を必要とするときもあります。そのため、市では「安心して子どもを育てられる」環境づくりに取り組んでいます。今回は、子育て真っ最中の人もそうでない人も、これからの子育てについて考えてみましょう。 ●子育てに押し寄せる少子化と核家族化の波  子育てを取り巻く環境は、家族構成の変化とともに大きく変わってきました。特に大きく影響してきたのが、少子化と核家族化です。  少子化についてみると、本市の出生数はグラフ1のとおりで、年間千人以上の出生があります。しかし、少子化の波は本市にも押し寄せ、平成11年と18年の出生数を比べると7年間で200人以上減少しています。このことから、近くに「子どもの遊ぶ友達がいない」「子どもの話をしたり、悩みを相談する相手がいない」といった問題が生じ、地域で子育てをする親や子ども同士の交流を図ることが難しくなっています。  また、グラフ2を見ると本市の人口と世帯数は年々増加している反面、一世帯の人数は減少しています。こうしたことは、核家族世帯が増えていると考えられます。核家族化が進むと、親が子育ての話をしたり、子育てを手伝ってもらったりする機会が少なくなり、親子だけで過ごすことが多くなってしまいます。親がひとりで子育ての大部分を担うことが、負担になることもあります。  そのため、「子育ての孤立化」にならないよう子育てを家庭だけで担うのではなく、仲間と一緒にしたり、サービスが利用できる子育てのしやすい環境が必要となってきています。 グラフ1 本市の出生数 ※滋賀県推計人口年報より(合併前市町の合計値) 平成11年=1,286人 平成12年=1,239人 平成13年=1,218人 平成14年=1,277人 平成15年=1,190人 平成16年=1,177人 平成17年=1,164人 平成18年=1,085人 グラフ2 本市の人口・世帯数 ※国勢調査(合併前市町の合計値) 昭和45年=人口= 8.5万人、世帯数=2.0万世帯、一世帯の人数=4.29人 昭和50年=人口= 9.2万人、世帯数=2.2万世帯、一世帯の人数=4.12人 昭和55年=人口= 9.9万人、世帯数=2.6万世帯、一世帯の人数=3.86人 昭和60年=人口=10.3万人、世帯数=2.7万世帯、一世帯の人数=3.77人 平成 2年=人口=10.7万人、世帯数=2.9万世帯、一世帯の人数=3.64人 平成 7年=人口=11.1万人、世帯数=3.2万世帯、一世帯の人数=3.44人 平成12年=人口=11.4万人、世帯数=3.5万世帯、一世帯の人数=3.27人 平成17年=人口=11.7万人、世帯数=3.8万世帯、一世帯の人数=3.09人 ●子育てのヒントが見つかる『子育て支援センター』  このような状況の中、子育て支援のひとつとして市内7か所に『子育て支援センター』があります(下表)。  センターの主な役割は、子育てについての相談はもちろん、就園前の親子を対象にしたふれあい遊びや子育てサークルの支援など、子育て中の親子が交流できる場をつくることです。また、子どものケガなどの応急手当を学ぶ機会を提供したり、サークルのリーダー研修会を開催したり、ほかにも情報誌などによりみなさんに子育ての情報提供もしています。  「子育てサークルに参加したい」「子育て中の人と話がしたい」など、子育てのことなら何でも結構です。お気軽に近くのセンターをご利用ください。きっと、子育てのヒントが見つかるはずです。 ★市内の子育て支援センター 地域=八日市  所在地=八日市上之町(八日市ふれあいビレッジ内) 電話=0748-22-8201 地域=永源寺  所在地=上二俣町(もみじ保育園内)        電話=0748-27-0300 地域=五個荘  所在地=五個荘金堂町(五個荘すみれ保育園内)   電話=0748-45-5558 地域=愛東   所在地=妹町(愛東福祉センターじゅぴあ内)    電話=0749-46-8060 地域=湖東   所在地=平松町(湖東ひばり保育園内)       電話=0749-45-4011 地域=能登川  所在地=栗見新田町(あやめ児童館内)       電話=0748-45-0097 地域=蒲生   所在地=市子松井町(ふたば保育園内)       電話=0748-55-0113 ●サークル活動で、子育ての楽しみを広げよう  「気軽に集まれる場所がない」「情報交換する仲間がいない」という人は子育てサークルに参加してみてはいかがでしょうか。市内には約20のサークルがあり、子どもが遊んだり、親同士が話をしたりする交流の場として活動されています。サークルへの参加がきっかけで親も子も仲間ができ、子育ての楽しみが広がることもあります。みなさんも家庭から一歩出て、仲間とともに子育てを楽しんでみませんか。サークルに関心のある人は、お問い合わせください。 写真:親や子ども同士のふれあいや情報交換の場となる子育て支援センター(能登川子育て支援センター) 写真:サークル活動の支援や参加者の情報交換の場として開催している「子育てサークルリーダー会」 ★楽しいよ!! 子育てサークル ※サークルに関心のある人は、各地域の子育て支援センター(3ページ参照)までお問い合わせください。 『さくらんぼ』  活動を始めて7年目。親子が気軽に参加できる場として、さつき児童館で週1回活動しています。七夕やクリスマスなど季節の催しもあります。親がほかの子どもをあやしたり、トイレに連れて行ったりとみんなで子どもを育てようという雰囲気を今後も大切にしていきたいです。どの地域から参加していただいても結構です。 『どんぐりクラブ』  活動を始めたのは3年前。親子が気軽に集まり、知り合いになれる機会がほしいと思ったのがきっかけです。五個荘子育て支援センターで月1回、親は交流の場、子どもはおもちゃなどで遊ぶ場として開催しています。  親子で参加できる催しにはサークルのメンバーで一緒に参加しています。気楽な雰囲気で集まれる場です。 『なんぶっ子』  約8年前に地域で子育てを支援しようと始まり、南部公民館を拠点に月2回の活動をしています。スタッフは民生委員児童委員や健康推進員、元保育士など。就園後もスタッフとして協力してくれる参加者もいます。子どもたちも地域の人と顔見知りになり気軽に声をかけてくれます。「来て良かった」という声が聞こえる楽しい場所です。 ●新しい子育て支援の拠点『ファミリー・サポート・センター』  市では子育て環境の充実をめざし、新しい取り組みをスタートしました。6月からサービスを開始した「ファミリー・サポート・センター」です。育児の支援が必要な人に支援ができる人を紹介し、地域で子育てを支えあう取り組みです。サービスのしくみは、左図のとおりです。保育園や幼稚園への送迎をはじめ、一時預かりや親のリフレッシュなど、幅広くご利用いただけます。また、サービスの利用により、仕事や地域活動など生活の幅を広げることもできます。サービスの利用には、講座を受けて会員になることが必要です。現在の会員数は、子育ての支援が必要な「依頼会員」が13人、子育ての支援ができる「協力会員」が23人です。また、「依頼会員」「協力会員」の両講座を受講し、両方の立場で利用される人もいます。講座は今後も開催していきますので、関心のある人はぜひご参加ください。  協力会員のみなさんには、講座で食事や遊び方など子どもとのかかわり方や応急手当などの安全確保について学んでいただきます。そのため、依頼会員のみなさんには安心して子どもを預け、サービスを利用していただくことができます。 ★ファミリー・サポート・センター会員養成講座を開催します 9月1日(土) 10:00〜16:00 ・子どもの食事、・応急処置と救急救命講習 9月3日(月) 10:00〜14:30 ・よりよい子育てサポート、・子どもの体の発達と安全対策 9月4日(火) 10:00〜15:00 ・楽しいな、絵本、・子どもの心の発達 対=依頼会員(先着10人)=9月1日の受講が必要、協力会員(先着20人)=3日間すべての受講が必要 場=ウェルネス八日市(建部上中町)8月24日(金)まで 申・問=ファミリー・サポート・センター(八日市子育て支援センター内) 電話0748-22-8202 ★ファミリー・サポート・センターのしくみ 1.依頼会員(子育ての支援が必要な人)からファミリー・サポート・センターへ支援の依頼 2.ファミリー・サポート・センターから協力会員(子育ての支援ができる人)へ支援の依頼 3.ファミリー・サポート・センターから依頼会員(子育ての支援が必要な人)へ協力会員を紹介 4.協力会員が依頼会員へサービスの提供 5.依頼会員から協力会員へ報酬の支払い 6.協力会員からファミリー・サポート・センターへサービス完了の報告 ※対象となる子どもは12歳未満。報酬の額は1時間あたり700〜900円。 ■依頼会員 平生(ひらお)こころさん(八日市緑町、写真右)  子どもの発熱や急な仕事、保育園の送迎に利用しようと会員になりました。子どもも1対1で相手をしてもらうことができ喜ぶのではと思います。預かってもらう会員が、講座を受講されていることや利用により顔なじみになれること、またファミリー・サポート・センターをとおしてサービスを利用することで安心できます。友人にも「こんなサービスがあるよ」と声をかけてあげたいです。 ■協力会員 松川幸子(まつかわさちこ)さん(一式町)  自分が子育てをしていた時期は、仕事などもあり楽しむ余裕はありませんでした。そのため、仕事を終えてゆっくり子育てにかかわり、子どもとの大切な時間を楽しく過ごしたいと思っています。仕事やリフレッシュしたいときなど親元に預けるように気軽に利用してもらいたいです。サービスの利用で自分の時間を活用し、生活の幅を広げてもらえるといいですね。 ■両方会員 山本繭花(やまもとまゆか)さん(五個荘山本町、写真右)  子どもが大好きな自分なら、預かってもらうだけでなく預かることもできるのではと思い、両方の会員になりました。用事のあるときは預かってもらい、ほかの人が困っているときには預かることで、自分の子と預かった子がふれあえるよい機会にもなります。利用時には会員間で気軽に話せるようになって、安心して預けてほしいし、預かってもらいたいですね。 写真:ファミリー・サポート・センターの会員養成講座では、サービスが安心して利用できるよう子育てに必要な知識を身につけます ★『アドバイザーが担う安心のサービス』  八日市上之町にあるファミリー・サポート・センターには、会員養成講座の開催をはじめ、サービスの利用について連絡調整やアドバイスをしたり、会員間の橋渡し役となるアドバイザーがいます。  そのため、みなさんには安心して講座の受講からサービスの利用までをしていただけます。お気軽にアドバイザーまでご相談ください。 写真:ファミリー・サポート・センター(八日市子育て支援センター内) ●笑顔で向き合えるように  私たちの人生の中で、子どもと向き合い、喜んだり楽しんだりできる時間は長いようで短いものです。みなさんも一度立ち止まって、「子育て」について考えてみてください。自分ができること、支援があればできること、そして家庭や地域で子育てに大切なものを見つけることができるはずです。きっと、あなたも子どもも笑顔で向き合える時間が増えるのではないでしょうか。 問=幼児課 電話0748−24−5647 ■記号の説明・・・申=申し込み 問=問い合わせ 対=対象 場=場所