特集:消費生活 消費者力をアップする (写真)消費生活学習会による古布を使った布ぞうり作り。スリッパ代わりに利用でき、洗濯して長く使うことができる。(愛東公民館)  ものが豊かで情報手段も発達し、便利な時代。そんな時代に生きるみなさんの中には、「商品が多すぎて、選ぶのに困る」「クレジットカードを使いすぎて、返済が難しい」など日常生活で困られた人はありませんか。  こうしたことで困らないように、みなさんの『消費者力をアップしよう』と本市でも取り組みを進めています。今回は、みなさんに最も身近な消費生活について考えてみましょう。 ●深刻化する消費者トラブル  全国で消費者が商品の購入やサービスの利用でトラブルに巻き込まれる事例が後を絶ちません。内容も年々手口が悪質で巧妙になるなど多様化・複雑化しています。平成18年度に市消費生活センターに寄せられた相談件数は、667件にものぼります。相談の特徴は女性からの相談が54%で男性より多く、年齢別ではグラフ1のとおり40歳代が最も多く、30歳代〜50歳代で全体の約6割を占めます。また、60歳以上が約3割を占め、高齢者が被害に巻き込まれるケースが増加しています。  相談内容は、グラフ2のとおり販売方法や契約・解約に関するものが大部分を占めています。その中でも架空請求や悪質な訪問販売が多く、近年は多重債務に関するものも増えています。 ○グラフ1『年齢別の相談割合』 20歳未満  3.8% 20歳代  10.3% 30歳代  19.5% 40歳代  20.0% 60歳代  17.3% 70歳以上 13.8% ○グラフ2『内容別の相談割合』 販売方法  49.7% 契約・解約 40.7% 接客対応   3.1% 安全・衛生  2.4% 品質・機能  2.4% そのほか   1.7% ●まず『消費生活センター』へ  トラブルに巻き込まれそうになったり、巻き込まれたりした場合に、みなさんの最も身近な相談窓口となるのが、市の設置している消費生活センターです(下記参照)。  同センターはプライバシーに配慮した専用の相談室で「消費生活専門相談員」が相談に応じるため、安心してご利用いただけます。相談内容は、「身に覚えのないハガキが来た」「クーリング・オフの方法を教えてほしい」「借金が多くて困っている」など市民を対象とした個人からの相談です。困ったときは、まず最初に消費生活センターにご相談ください。 ○『お気軽にご利用ください!! 消費生活センター』 場所=消費生活課内(市役所本庁舎1階) 時間=平日の9:15〜12:15、13:00〜16:00 費用=無料 利用方法=来庁いただいても電話でもご利用いただけます。 専用電話=電話0748-24-5659 ●3つのトラブルに注意  消費者トラブルは、突然の「訪問」「電話」「メール」などから始まります。いつ自分が被害者になるかもしれないという危機感をもって、手口や被害の状況、対処方法を事前に知ることも大切です。ここでは、相談件数や被害者が増加している「架空請求」「悪質な訪問販売」「多重債務」の対応のポイントをご紹介します。 ○トラブル1『架空請求』  架空請求は、利用していない出会い系サイトや講座受講料など、支払う根拠のない請求を受けるものです。 <対応のポイント> ・絶対に支払わない、無視をする  一度支払ってしまうと、「だまされやすい人」として、次々と同様の手口で被害にあう危険性があります。 ・相手に連絡をとらない  連絡をすると請求に動揺していると判断され、執ように請求されたり、不必要な個人情報を知られてしまいます。 ☆巧妙化する手口  最近では、請求を無視することを逆手にとる手口も見られます。それが、裁判手続きを利用した架空請求です。裁判所からの通知は、放置しておくと架空請求によるものでも強制執行などを受ける場合があります。裁判所からの通知であれば次のとおり郵送されますので、必ず確認しましょう。 1.「特別送達」の記載があり、裁判所名の入った封書である。 2.封書は手渡しされ、報告書に署名や押印が必要である。 3.本物かどうか確認する場合には、差出先でなく電話帳など で確認した裁判所に連絡する。 (写真)架空請求のハガキ ○トラブル2『悪質な訪問販売』  家や職場を訪問し、言葉巧みに勧誘して、不当に高額な商品やサービスを売りつける悪質な販売方法です。最近では、高齢者を狙って雪かきで高額な請求をしたり、義務化された住宅用火災警報器を高額で販売したりする事例もあります。  なお、契約しても『クーリング・オフ(下記参照)』で解約できることを覚えておきましょう。 <対応のポイント> ・名前や用件を確認してドアを開ける ・「あなただけ特別に・・・」といった甘い話にはのらない ・契約はすぐに決めず、必ず相談する  本市でも被害を防ぐため、玄関などに貼ることができる『悪質な訪問販売お断り』ステッカー(写真)を全世帯に配布させていただきます。一方で、ひとり暮らしの高齢者などが被害にあわないように地域での見守り体制も大切です。困ったときは隣近所が協力できるよう、日ごろからの付き合いを大切にし、被害を防止しましょう。 ☆もしも契約をしてしまったら・・・クーリング・オフ  契約をしても期間内であれば無条件で解約できるのが「クーリング・オフ」です。契約書面を受け取った日を含め8日以内(契約種類により例外あり)に、次の手続きをしてください。クーリング・オフするには一定の条件があります。詳しくは消費生活センターまでご確認ください。 ■クーリング・オフの方法 ・ハガキなど書面で作成する(下記の例を参考に)。 ・送付前に両面をコピーする。 ・記録の残る簡易書留か配達記録郵便で送る。 ・クレジット払いの時は信販会社にも通知する。 ☆書面を出した時点で契約は解除 ・代金はすべて返済される。 ・すでに受け取った商品は返品できる。 ・サービス利用後でも代金は支払わなくてよい。 ・工事に着手していても原状回復できる。  ※返品や原状回復に必要な費用は業者負担 (記入例)  上部に、『契約解除通知書』と書き、契約年月日(契約書面受領日)、商品名、契約金額、契約会社名と電話番号、担当者名(○○様)、文章(上記日付の契約は解除します。なお、支払済みの○○○○○円を返金し、商品を引き取ってください。)、送付日、契約者住所、契約者氏名 ○トラブル3『多重債務』  複数の借入先からの借金が膨らみ、返済が困難になる多重債務。それに陥る危険性はだれにでも潜んでいます。近年、多くの人が住宅や車、教育などのローンがある一方で、商品の購入や海外旅行でクレジットカードの利用が拡大するなど、知らないうちに借金が増え多重債務になる人が増加しています。 <対応のポイント> ・一人で悩まず、専門機関に早く相談し、法的な手続きなどで対応する ☆ヤミ金融に注意!!  多重債務につけ込んで送られてくる「低利融資、借金一本化、審査なし」などのダイレクトメール。こういったものは、高金利で貸し付けるヤミ金融の可能性があります。借金が膨れ上がる危険性があり、注意が必要です。 ●『消費者力』をアップする  このような被害を防ぎ、安全な生活をおくるためには、消費者も惑わされずに自分で正しい判断と選択ができる力『消費者力』を高めることが大切です。本市では、消費者がトラブルに巻き込まれたときの救済だけでなく、トラブルを防いだり消費生活に役立つ知識を身に付けてもらおうと『消費者力』をアップするための取り組みを進めています。そのひとつがセミナーの開催です。市民を対象に保険や食の安全、環境に配慮したエコライフなどをテーマに講座や実習などをしています。  また、高齢者の被害を防ぐため、「悪質商法ふせぎ隊」を結成し、老人クラブなどを対象に手作りの大型紙芝居を使った出前講座も開催しています。子どもたちの金銭感覚を身に付ける講座もありますので、ぜひご利用ください。   一方で、市民による活動も進んでいます。本市には、市民による学習グループ「東近江市消費生活学習会」が約140人のメンバーで活動されています。活動内容は、食の安全や環境への取り組みをテーマにした市内店舗との意見交換会や、商品の表示量と実量を確認する商品量目試買テストをはじめ、リサイクルやリフォームなどについても学ばれています。そして、学んだことをいかし、地域の消費者リーダーとして活動されています。 (写真) 1.小川町の老人クラブを対象に、消費者被害を防ぐための出前講座を開催 2.消費生活学習会のみなさんが岐阜県の食品トレー再生工場を見学 3.展示や体験コーナーなどで生活を見直すきっかけとなる消費生活展 ●安全に安心して暮らす  私たちの生活は便利になる一方、新しい商品が次々と出てきたり、サービスが複雑化することでトラブルに巻き込まれたり、利用方法を誤ったりする危険性が高くなります。そんなときこそ、生活を見直してみることも大切です。  本市では今年度『安全・安心』を重点施策として取り組みを進めています。この機会に消費者のみなさんも安全に安心して暮らせるよう市のセミナーなどに参加し、『消費者力』をアップしてみてはいかがでしょうか。 ●2007東近江市消費生活展『ちょこっと 来て みて やってみよう!』〜私たちの生活に5つのR(アール)を〜 時=10月13日(土)・14日(日)10:00〜18:00(14日は16:00まで)※入場無料 場=ショッピングプラザ・アピア4階 ■ごみ減量、食、環境などのパネル展示 ■風呂敷の活用法、古布ぞうり作りの展示・実演 ■八日市南高等学校によるブレンド茶 の取り組み展示など ■クイズ!スタンプラリー、私のエコライフ宣言 ■消費生活専門相談員のミニ講座 ■「人と環境にやさしい東近江市をめざす」標語・ポスター入選作品展示 (入選者表彰式:13日?11:00から) ■やってみよう!シンポジウム=14日(日)13:30〜15:30  ・講演:食育活動宣言の取り組み事例:(株)平和堂 消費生活アドバイザー 川上 修さん   ・問題提起寸劇、パネルディスカッションなど 問=消費生活課 電話0748−24−5619 ■記号の説明・・・申=申し込み 問=問い合わせ 時=日時 場=場所