●新春特集 東近江市発!! この人に聞く  2008年がスタートしました。みなさんは、どんな一年を思い描いていますか。みなさんの中には、夢や目標をもち、さまざまな分野で活躍している人や熱心な活動をしている人がたくさんおられます。今回の新春特集は、その中から8人をご紹介します。「一年の計は元旦にあり」。みなさんも目標をもって、新年をスタートしてみてはいかがでしょうか。 ○『反応の早さが勝負のポイント』 平井 夏海(ひらい なつみ)さん(川合町:かわいちょう)(写真)  小学3年生で百人一首を始め、友だちと競いながら百首すべてを覚えました。そんなとき、百首を五色に分け、色別に競う五色百人一首に出会い、毎日楽しむようになりました。20枚の札で競うため手軽にできますが、句を暗記し、読み始めの一瞬で、いかに早く反応できるかが勝負のポイントです。試合では、札の配置を覚えることに全神経を集中させています。だれよりも早く札をとれたときの大きな喜びと達成感がたまりません。5・6年生では県大会、近畿大会にも出場し、優勝することができました。普段は、家族に読み手になってもらったり、句を忘れないよう声に出しながら練習しています。今年も大会に出場し、良い結果を残したいです。 ○『甲子園でプレーした最高の夏』 山田 祐幹(やまだ ゆうき)さん(尻無町:しなしちょう)(写真)   小学1年生で野球を始め、応援に訪れた甲子園の歓声のすごさに、「ここでプレーがしたい」と憧れるようになりました。高校では、百人以上の部員の中で主将となり、自分の技術よりも、チームをまとめるために力を注ぎました。 つらくて苦しいときが何度もありましたが、チームのみんなや地域のみなさんの声援のおかげで昨年は甲子園に出場でき、最高の夏でした。甲子園は響き渡る歓声がすごく、球場に包み込まれるようで、その中でプレーできたことは今でも夢のようです。野球を通して多くの人と出会うことにより、人間としても大きく成長できました。  小・中学校時代ケガに悩んだので、将来は理学療法士となり選手の夢をサポートしていきたいです。 ○『パリ・コレの経験を、生徒に伝えたい』 阿部 節子(あべ せつこ)さん(能登川町)(写真)  教師をめざしていた20歳のころ、自信になる何かに挑戦したいと、ファッションモデルに応募しました。モデルになり夜中まで歩く練習の日々。その中で、目標の大阪コレクションの舞台に立つことができ、次は憧(あこが)れのパリ・コレクションをめざしフランスに渡りました。 厳しい現実に直面し泣きながら街を歩いたこともありましたが、出会った人たちの温かい支援のおかげでパリ・コレクションの舞台に立てました。出るまでに何年もかかった舞台で歩いたのは短い距離ですが、歩いた感動と実現への道のりは忘れられません。4月からは美術の教師として新しい道を歩みます。生徒には、自分の体験や経験をいかして、プロセスの大切さを教えていきたいと思います。 ○『鮎(あゆ)の友釣りで、愛知川から全国へ』 幸野 敦弥(こうの あつや)さん(山上町:やまかみちょう)(写真)  自宅近くの愛知川で、父と一緒に幼稚園のころから鮎釣りを楽しんでいました。5月にシーズンが始まると、学校から帰った後や夏休みなど愛知川に通う毎日。社会人になったころから鮎の「友釣り」を本格的に始め、腕を試したいと競技大会に出場。全国大会は北海道や九州でも開催され、史上初の連覇を達成したこともあります。  友釣りは、縄張りに入ってきた別の鮎を追い出す習性を利用するものです。長さ9メートルもある竿(さお)に0.04ミリの細糸を使って、釣り人が操る鮎を思ったポイント(場所)で泳がし、いかにして鮎を挑発し、針に掛けられるかが勝負を左右します。大会に出場し、全国の多くの釣り友達と交流の輪が広がっていくのが楽しみです。 ○『2度目の日本新記録と生涯現役が目標』 森上 真由美(もりがみ まゆみ)さん(東沖野三丁目)(写真)  中学生で陸上を始め、11年前に実業団を引退するまで走り続けてきました。その後、出産と育児を経て、再び走り始めたのは3年前。アテネ五輪で野口みずき選手が金メダルを獲得した姿に感動し、「もう一度挑戦してみたい」、「子どもに自分ががんばる姿を見せよう」と思いました。昨年は11年ぶりに都道府県対抗女子駅伝に出場。全日本のマスターズ選手権3千メートル(35〜39歳部門)では、競技再開後の目標にしていた日本新記録を樹立し、優勝できました。  次の目標は、5千メートルでの日本新記録です。毎日の練習は欠かさず、市内を約30キロ走ることもあります。走ることが大好きなので、生涯現役で、いつまでも走り続けたいですね。 ○『ワラで伝える匠(たくみ)の技』 野村 源四郎(のむら げんしろう)さん(大沢町:おおざわちょう)(写真)  約30年前、ワラでできた宝船を見て感動したのがきっかけで、ワラ細工を始めました。作品は、しめ縄や花筒、亀など20種類以上。  毎年作る干支の置物は、カレンダーや本を参考にアイデアを練り、完成すると作り方をまとめ、みなさんにも作ってもらいます。県から農村に伝わる智恵や経験、技術を引き継ぐ「農の匠」の認定を受け、稲ワラの伝統文化を地域の人や子どもたちに知ってもらう活動もしています。  子どもたちには、お米の良さや大切さを伝えながら、リースや一輪挿しを作ってもらいます。「こんなものができたよ」と感動したり、「ワラのおっちゃん」と親しみをもってくれるのが何よりの喜びです。 ○『茶道と華道で得た、出会いと経験に感謝』 小杉 和子(こすぎ かずこ)さん(五個荘竜田町:ごかしょうたつたちょう)(写真)  茶道と華道を始めて60年。続けてこられたのは、指導を受けた先生や友人など多くの人との出会いがあったからで、今も大きな糧となっています。  8年前、ドイツの人に頼まれ、茶会や花展をドイツで開きました。これまで3度訪れましたが、ドイツの人は日本の文化に注目し、とても喜んでくれます。来日されたときは、自宅に招いて交流を深めています。  また、子どもたちの学習の場にも参加しています。茶道や華道を通して、相手の気持ちを大切にする心や動作に無駄がないという良さを伝えることで、生活にいかしてほしいと思っています。今後もみなさんと一緒に伝統文化を楽しみ、広く伝えていきたいです。 ○『家族や周りの人たちのおかげ』 入江 太平(いりえ たへい)さん(愛東外町:あいとうとのちょう)(写真)  カメラやビデオ、スポーツなど色々なことに興味をもって最近まで続けてきました。ビデオ撮影は95歳になった今でも続けており、市内の紅葉や敬老会などの催しを撮影しています。撮影後は自分で編集し、オリジナルテープを作成しています。人にプレゼントするのが好きで、今まで200本以上作りました。昨年は、「高齢者が年齢にとらわれず自らの責任と能力において自由でいきいきとした生活を実践している」として、「エイジレス・ライフ」実践者の一人に選ばれました。この歳で選んでもらえたことを、とても喜んでいます。  今ではデイサービスセンターを訪問し、利用者の人たちとの会話が楽しみです。家族や周りの人たちのおかげと感謝の毎日を送っています。