特集 Health Special Edition めざせ!健康生活 2月1日から7日は生活習慣病予防週間です (写真)健康づくりのために仲間と地域をウォーキングしている玉緒地区「ちいきんぐ」  『いつまでも「健康」でありたい』。これは、だれもが願うことです。心やからだをより良い状態に保つうえで、最も基本となるのは、食事・運動・休養などの生活習慣のバランスです。10年後、20年後・・・いつまでも健康でいきいきとした生活を送るためには、日ごろの健康管理が欠かせません。2月1日から7日は生活習慣病予防週間です。この機会に、自分自身の生活習慣を見直してみませんか。 ●生活習慣病の恐怖  生活習慣病とは、長年の悪い生活習慣の積み重ねが原因で起こる病気のことです。日本人の死亡原因を見ると、がんや心臓病、脳卒中に代表される生活習慣病が多くを占めています。食生活の乱れ、運動不足、過労、飲酒、喫煙、ストレスなどが続くと、内臓脂肪が蓄積(内臓脂肪型肥満)し、生命にかかわる重大な病気を引き起こします。 ●からだを蝕(むしば)むメタボリックシンドローム  メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群、以下「メタボ」)とは、内臓の周りにたくさんの脂肪がつき、「高血糖」「高血圧」「脂質異常症(高脂血症)」といった危険因子を複数併せ持った状態になることをいいます。この状態を放置すると、動脈硬化を急激に進行させます。動脈硬化は自覚症状がなく、ある程度進行が進まないと症状が出ない病気です。これによって引き起こされる心筋梗塞や脳梗塞は、働き盛りの人に突然発症することが多く、後遺症も深刻です。このことから、メタボの状態を放置しておくということは、動脈硬化の滝つぼへと、落ちていくようなものです(図)。 (図)動脈硬化の滝つぼイラスト ○メタボリックシンドロームをチェックしてみよう! A.必須項目=腹囲(おへその高さ) 男性85センチ以上 女性90センチ以上 B.次の3つの中から2つ以上当てはまる 1.脂質異常症予備軍:中性脂肪と善玉コレステロールに注目 ◆中性脂肪150mg/dl以上、◆HDL(善玉)コレステロール40mg/dl未満 2.高血圧予備軍:「ちょっと高め」が危険 ◆収縮期血圧(最高血圧)130mmHg以上、◆拡張期血圧(最低血圧) 85mmHg以上 3.糖尿病予備軍:◆空腹時血糖値110mg/dl以上 Aに該当し、Bの中で2つ以上当てはまれば、内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)です。 ●生活習慣を見直し、メタボ予防  動脈硬化にならないために、運動や食生活の改善は欠かせません。運動は、意識した運動だけでなく、普段から階段を使ったり、バスや電車では立って乗車するといったことも有効です。食事では、腹八分目を心がけ、よく噛んで食べましょう。特に、動物性脂肪や糖質(菓子、果物)の摂り過ぎに注意し、その代わりに野菜をたっぷり摂るよう心がけましょう。生活習慣病を予防するためには、日ごろから健康を保つ新しい暮らし方を見つけることが大切です。 ●ほうれん草とツナの炒め物(エネルギー73キロカロリー、タンパク質4.7グラム、脂質4.4グラム、カリウム442ミリグラム、食塩相当量0.3グラム) ○材料(4人分)=ほうれん草200グラム、ツナ水煮缶詰80グラム、玉ねぎ120グラム、なたね油16グラム(大さじ1と3分の1)、しょう油6グラム(小さじ1)、コショウ少々 ○作り方=@ほうれん草は、さっと茹で、水にとってざるに上げ、水気を絞って、3〜4センチの長さに切るA玉ねぎは薄切りにするBフライパンに油を熱して玉ねぎを炒め、しんなりしたらほうれん草と油をきったツナを加えて炒め合わす。最後に、しょう油とコショウで味付ける。 ●本市の健診状況(平成19年度健康診査から)  今年度、基本健康診査を受診した人の結果を見ると、「要医療」と判定された人は全体で2人に1人、40歳から74歳では1.7人に1人と高い割合でした。「要医療」と判定された人は、まず医療機関で受診しましょう。そこで治療が必要であると診断された場合は、治療して重症化を防ぐことが大切です。一方で、からだの状況を見ると、腹囲が基準値を超えていた人は、男性で43.5%、女性で15.0%でした。そのうち、脂質異常症、高血圧、高血糖を2つ以上併せ持っている人は、男性で17.6%、女性で10.3%でした。このことから、男性の半数近くがメタボの危険にさらされているといえます(グラフ)。 (グラフ)平成19年度基本健康診査の結果(40歳〜47歳) 総数:腹囲が基準値以上=23.6% 2つ以上項目該当者=12.5% 男性:腹囲が基準値以上=43.5% 2つ以上項目該当者=17.6% 女性:腹囲が基準値以上=15.0% 2つ以上項目該当者=10.3% ●受けていますか? 健康診査  健康診査で定期的に自分のからだの状態を知ることは、生活習慣病などの早期発見や予防につながります。また、過去の健診結果と比較することも、からだの変化を知るうえで重要です。結果を確認し、日ごろの生活習慣を振り返りましょう。そうすれば、将来、生活習慣病で通院や入院にいたる危険要因を減らすことが可能となり、医療費の増加、つまり、みなさんが負担する保険料を抑えることにもつながります。 ●健診が変わります  平成20年4月から、40歳以上74歳以下の人の『基本健康診査』が『特定健康診査』となり、健康診査の受け方が変わります(図参照)。メタボに着目した健康診査の項目で、『特定健康診査』として実施することになります。現在加入しておられる医療保険(健康保険〈家族(被扶養者)を含む〉や国民健康保険など)によって実施機関が変わりますので、お持ちの保険証をご確認ください。 ○平成20年度から市が実施する健康診査の対象 @19〜39歳で学校や職場などで健康診査を受ける機会がない人 A40〜74歳で市国民健康保険の加入者(家族〈被扶養者〉を含む) B75歳以上で医療機関で治療を受けていない人 ※上記に該当しない生活保護を受けている人は、市の健康診査を受けてください。なお、健診の詳細は現在検討中のため、内容などが変更になる場合があります。 ※各がん検診や結核検診、骨粗しょう症検診、肝炎ウイルス検診、成人歯周疾患検診は、市が実施します。 (図)平成20年4月から「特定健康診査」が始まります!! ※生活保護世帯の人は、年齢に応じた市の健康診査を受けてください。 ○19〜39歳  学校・職場の健診を受ける機会が『ある』→学校・職場などの健康診査(診断)を受けてください。  学校・職場の健診を受ける機会が『ない』→東近江市一般健康診査を受けてください(5〜7月実施)。受診票は、過去に健診を受けられた人と健診を申し込まれた人を対象に各保健センターから送付します(3〜4月)。 ○40〜74歳 ・国保に加入(国保=東近江市国民健康保険)の人  職場の健診を受ける機会が『ある』→職場の健康診査(診断)を受けてください。  職場の健診を受ける機会が『ない』→東近江市国民健康保険特定健康診査を受けてください(5〜7月実施)。平成20年4月1日現在の東近江市国民健康保険加入者に、国保から受診券などを送付します(4月末〜5月中旬)。 ・国保以外の保険に加入(○○会社健康保険など)の人  職場またはご加入の医療保険者が実施する健診を受けてください。医療保険者(お持ちの保険証の保険者欄に記載:○○健康保険)からお知らせがあります。*家族(被扶養者)を含む ○75歳以上(後期高齢者医療広域連合)  医療機関で治療を受けて『いる』→引き続き治療を受けてください。  医療機関で治療を受けて『いない』→市が実施する健診を受けていただくことができます。 ●めざせ!健康生活  生活習慣は、「病気を引き起こす」ことにも「健康をつくる」ことにもつながります。少し生活を見直すだけでも、これからの生活をより元気に充実して送ることができます。将来のために、今一度、自分の生活習慣を振り返り、健康な生活をめざしましょう。 『健康づくりに取り組むきっかけになれば』 市健康推進員 鈴村澄子(すずむらすみこ)さん(鯰江町)  地域のみなさんに少しでも健康な生活を送ってもらえるよう、毎月一回の勉強会や様々な啓発活動をしています。地区の文化祭では、お腹周りを測るメタボチェックをしたり、昔ながらの郷土料理や地場野菜を使った「いろいろ野菜チップス」などを紹介し、手作りの良さを伝えながら、食生活を見直してもらおうと考えています。  今後も、このような活動を通して健康についてもっと関心を持ってもらい、みなさんが健康づくりに取り組むきっかけになればと思っています。 『内臓脂肪は減らせる』 東近江医師会 会長 小鳥輝男(おどりてるお)医師  生活が便利になった反面、健康では不幸な時代と言えます。「いつでも」「どこでも」「なんでも」に、できるだけ逆らうような生活を習慣づけましょう。食事では、朝・昼・晩の3食をしっかり食べて過食はしない。塩分を控え、たんぱく質は魚介類で摂取する。海のものや山のものをバランスよく摂ると、見た目も良い食事になります。そして、日ごろから運動を続けることですね。皮下脂肪は一度付くと減りにくいですが、内臓脂肪は食事制限をすることで減らすことができます。常に意識を持って生活することを心がけてくださいね。 『野菜で健康になろう!』 *野菜は、食生活改善の第一歩! 川南文子(かわみなみふみこ)管理栄養士 や=野菜は一日350g以上必要です。  そのために・・・ さ=3食(朝・昼・夕)きちんと食べよう。 い=1食に1・2皿の野菜料理を揃えよう。 で=できるだけ「色々」な野菜を、いろいろな料理で。 けん=「けん」(刺身などのつけ合わせ)や薬味の野菜も大切に。 こ=この地域で採れた季節の野菜を摂ろう。 う=うす味で野菜のおいしさを楽しもう。 『ポールウォーキングで健康づくり』 池戸利夫(いけどとしお)さん(石塔町)  退職後に体重が増え始めたことや受診した健診結果が気になり、3年前に今後の食生活や日常の健康づくりについて話を聞きに行きました。そこで勧められたのが『歩こう会』です。ここでは、会員の仲間とウォーキングを楽しんでいます。その後、保健センターの案内がきっかけで、ポールを使ったウォーキングも始めました。近くの公園のほか、車で景色の良い場所を探しては夫婦で出かけることもあります。ポールウォーキングは、全身を使うので、より効果的な運動につながります。今では体重も落ち着き、調子もいいですよ。 『いい汗かいてストレス解消!』 森田京子(もりたきょうこ)さん(平尾町)  「ダイエットがしたい」と5年前、保健センターが行うトレーニング教室に参加しました。以来、自分の都合の付く時間に、自分に合ったメニューでトレーニングができる『筋力アップトレーニング』に毎週2回通っています。肩こりや老化防止にもなり、普段、動くのが楽になりました。一人でするよりも多くの人とするほうが楽しく、お互いに励まし合いながらできるので、続けられています。いい汗をかくことで、ストレス解消にもなっています。 問=健康推進課 電話0748−24−5646 IP=050−5801−5646