特集 平成20年度 東近江市の予算 「環境保全・地球温暖化対策」「こども施策」「安全・安心施策」に重点 *本来、市の予算は千円単位で表しますが、わかりやすくするために四捨五入し、万円単位にしているため、予算額と合致しない部分があります。  市の平成20年度予算が決まりました。一般会計は404億5000万円で、前年度と比べると46億円余り減り10・3%の減、特別会計・企業会計を合わせた総額は723億2304万円で、前年度と比べると140億円近く減り、16・1%の減となります。前年度は、将来のまちづくりのために合併特例債を活用して基金30億円を積み立てており、この基金を除くと一般会計が3・9%減、総額で13・1%減となる緊縮型重点配分予算としました。今回は、その予算の概要と主な使い道をお知らせします。 *一般会計 404億5,000万円(対前年度比−10.3%)  平成19年度 450億8,000万円 【歳入グラフ】 ○自主財源 214億429万円(52.9%) 前年度比+0.3%  市税=170億7,520万円(42.2%)  繰越金・諸収入=17億939万円(4.2%)  繰入金=14億4,840万円(3.6%)  使用料、手数料など=11億7,130万円(2.9%) ○依存財源 190億4,571万円(47.1%) 前年度比−19.7%  地方交付税=79億5,000万円(19.6%)  市債=38億6,980万円(9.6%)  国庫支出金=28億7,686万円(7.1%)  県支出金=23億3,145万円(5.8%)  地方譲与税など=20億1,760万円(5.0%) 【歳出グラフ(目的別)】 民生費=100億6,615万円(24.9%) 教育費=69億8,372万円(17.3%) 公債費=54億2,980万円(13.4%) 土木費=49億1,840万円(12.2%) 総務費=45億194万円(11.1%) 衛生費=32億5,765万円(8.1%) 農林水産業費=27億6,996万円(6.8%) 消防費=15億4,534万円(3.8%) 商工費=3億8,462万円(0.9%) 議会費=3億790万円(0.8%) 労働費=1億8,262万円(0.4%) 諸支出金=7,190万円(0.2%) 予備費=3,000万円(0.1%) ※歳入・歳出グラフのカッコ内は構成比 ●平成20年度 会計別予算額  △はマイナスを表します。 ○一般会計              予算額=404億5,000万円  伸び率=△10.3% ○住宅新築資金等貸付金特別会計    予算額=   2,600万円  伸び率=△39.0% ○国民健康保険(事業勘定)特別会計  予算額=100億5,400万円  伸び率=0.2% ○国民健康保険(施設勘定特別会計)  予算額= 2億6,350万円  伸び率=△10.7% ○老人保健特別会計          予算額= 9億5,000万円  伸び率=△90.6% ○後期高齢者医療特別会計       予算額= 8億5,900万円  伸び率=皆増 ○介護保険特別会計          予算額= 58億5,700万円  伸び率=△1.3% ○簡易水道事業特別会計        予算額= 1億9,500万円  伸び率=△11.4% ○下水道事業特別会計         予算額= 44億500万円  伸び率=△14.3% ○農業集落排水事業特別会計      予算額= 12億4,800万円  伸び率=1.8% ○公設地方卸売市場特別会計      予算額=   6,670万円  伸び率=△5.8% <特別会計小計>            予算額=239億2,420万円  伸び率=△27.7% ○水道事業企業会計          予算額= 39億6,608万円  伸び率=5.0% ○病院事業企業会計          予算額= 39億8,276万円  伸び率=△6.6% <企業会計小計>            予算額= 79億4,884万円  伸び率=△1.2% <合計>                予算額=723億2,304万円  伸び率=△16.1% ●一般会計(歳入)  歳入の柱となる市税収入は、 景気回復の中で前年度比1・5% 増の170億7520万円を見込んでいます。しかし、歳入全体では国の歳出削減や県の財政 構造改革プログラムによる影響 などから、補助金などの減少に 加え、行政サービスを維持する ために国から交付される地方交 付税が減少するなど、大変厳しい状況です。  財源不足については、財政調整基金や減債基金14億4840 万円を取り崩すなどして歳入を確保しました。 ●一般会計(歳出)  昨年策定した総合計画に基づき、特に「環境保全・地球温暖化対策」「こども」「安全・安心」の3つの施策を重点的に取り組みます。  目的別に見ると上記グラフの とおりですが、性質別にみると 人件費は職員数の減少により前 年度2・8%減の81億2717万 円。児童手当や生活保護費など の扶助費に40億1656万円。借入金の返済である公債費は、合併前後に借り入れていた市債 の支払いが始まったことで7・8 %増。公共施設の建設などに必要な普通建設事業費は、ケーブルネットワーク事業や八日市コミュニティセンター事業が完了 したことなどにより20・4%減の54億3632万円となりました。 ●特別会計・企業会計  75歳以上の人を対象とする後 期高齢者医療制度が始まるため、 新たに「後期高齢者医療特別会計」を設置しました。  老人保健特別会計は後期高齢者制度に移行することから対前年度比90・6%の減。国民健康保 険特別会計(事業勘定)では、特定健診制度の開始により対前年度比0・2%の増。介護保険特別会計では1・3%の減となりましたが、介護給付費の3%を限度に介護予防事業などの地域支援事業に取り組みます。下水道事業特別会計では下水道事業の進捗により14・3%の減、農業集落排水事業特別会計では、老朽化などに伴う維持管理経費の増加により1・8%の増となりました。 ●「選択と集中」を徹底した予算編成  合併4年目となる平成20年度は、これまで進めてきたまちづくりを今一度振り返り、「美しい元気都市・東近江市」のまちづくりの総点検や合併時の諸課題への対応、「総合計画」の着実な推進とともに持続可能な財政基盤の確立を基本に「選択と集中」をより一層徹底しました。  厳しい財政状況ですが、東近江市の礎をより確かなものとし、総合計画の基本理念である「ひと」「くらし」「まち」の視点から、人が輝き、にぎわいと暮らしにうるおいが実感できる元気なまちづくりをめざし、みなさんの生活に直接かかわる事業を中心に予算を大切に使っていきます。 ○主な用語の解説 ・市税=市民税や固定資産税など、市に納めていただく税金 ・繰入金=積み立てているお金を取り崩して使うお金 ・市債=大きな事業を行うために国などから借り入れるお金 ・地方譲与税=国が国税として徴収した税金の中から市へ交付されるお金 ・自主財源=市税や使用料、手数料など市が自ら確保することができる財源 ・依存財源=地方交付税や国・県からの補助金など、ほかに頼る財源 ・合併特例債=合併後のまちづくり事業や地域振興のために国などから借り入れるお金 ・財政調整基金=予期しない収入減少や支出増加といった年度間の財源の不均衡を調整するために積み立てるお金 ・減債基金=債務の返済を年度を越えて計画的に行うために積み立てるお金 ●こんな事業に使います ■重点テーマ その1「環境保全・地球温暖化対策」環境都市『東近江市』をめざして ◇環境基本計画の策定 82万円  人と環境にやさしいまちづくりをめざして計画を策定し、市民と行政の協働による取り組みを進めます。 ◇地球温暖化対策の推進 320万円  市の面積の約8割を占める森林や農地から出るバイオマス(生物由来の有機性資源)を有効活用する取り組みを進めます。また、太陽光エネルギーを活用した新たな取り組みとして、市民共同発電所の調査研究を始めます。 (写真)廃食油を再利用したバイオディーゼル燃料で市内を走るちょこっとバス ◇伊庭の里湖づくり事業 304万円  本市の豊かな自然を象徴する伊庭内湖を舞台に、「里湖(さとうみ)」の魅力づくりやフォーラム、ワークショップの開催、環境実態の調査、子どもたちの学習の場の提供などに取り組みます。 (写真)伊庭内湖の環境と湖岸に生えるヨシ原の保全に向けたヨシの刈り取り作業 ◇学校給食で菜種油を利用 64万円  学校給食に、市内で収穫した菜種から採れた油を試行的に使用します。廃食油はバイオディーゼル燃料に再利用するなど、循環型社会の構築の重要性を「食」から感じてもらう事業を実施します。 ■重点テーマ その2「こども施策」次代を担うこどもを育てよう ◇小学校施設の整備 16億2544万円  八日市南小学校分離のため、二校の新校舎建設を始めます。また、移転に伴う新しい通学路の安全対策として、歩道設置などの市道改良も進めます。 ◇次世代育成支援対策地域行動計画の策定に向けたアンケート調査 250万円  こども条例(本紙6n参照)に定めた、地域の特性をいかした子育て支援を進めるための計画を平成21年度に策定します。今年度は、計画策定に向けたアンケート調査を実施します。 ◇こども未来夢基金の活用 650万円 ・「河辺いきものの森こども向け植物図鑑」作成事業  河辺いきものの森に生育する植物を本にまとめ、森での学習に利用します。 (写真)河辺いきものの森では、四季折々の植物に出会うことができます ・ブックスタート事業  乳幼児期のこどもたちに絵本をプレゼントし、絵本に親しむきっかけを提供します。 ・こども未来夢文庫事業  基金を活用して全小中学校の図書を充実し、学校教育の一層の充実を図ります。 ■重点テーマ その3「安全・安心施策」住みよい地域をつくろう ◇弁護士による消費生活無料法律相談の開設 66万円  多重債務など消費者トラブルの被害救済に迅速に対応するため、弁護士による無料法律相談を開設します。 ◇緊急地震速報システム整備 1350万円  気象庁の緊急地震速報の情報をケーブルテレビ局で受信し、音声告知端末機より緊急情報として市民のみなさんへ事前告知を行うためのシステムを整備します。 ◇布引運動公園の整備 12億8000万円  災害用物資の備蓄や臨時ヘリポートなど、災害時に救助活動の拠点にもなる公園として引き続き整備し、平成22年の完成をめざします。 (写真)陸上競技場やサッカー場などにも利用できるグラウンドも整備されます ■市民の生活を支える事業 ◇蒲生図書館の整備 2億328万円  蒲生地域の図書館サービス充実のため、蒲生支所1階に図書館を整備します(11月ごろ開館予定)。 ◇追い払い犬実証事業 126万円  集落周辺林の伐採など獣害対策を進める中、永源寺高野町や愛東外町などで飼われている犬を田畑を荒らす猿などを追い払う「追い払い犬」として訓練する取り組みを行います。 ◇あいとうマーガレットステーション直売館の整備 1億2528万円  地域で育てたものを地域で消費する「地産地消」を積極的に進めるため、市内の農産物を販売する直売所として整備します。 (写真)多くの来場客でにぎわう直売館の館内 ●平成20年度の一般会計予算を市民一人当たりにすると340,087円 ※金額は、一般会計予算を平成20年3月1日現在の人口(118,940人)で割ったものです。 民生費(児童・高齢者・障害者福祉の充実に)84,632円 教育費(学校・社会教育や施設整備に)58,716円 公債費(借入金の返済に)45,652円 土木費(道路や河川、公園の整備に)41,352円 総務費(市民活動や防犯・交通対策に)37,851円 衛生費(健診やごみ処理に)27,389円 農林水産業費(農業や林業、水産業の振興に)23,289円 消防費(消防や救急活動に)12,993円 商工費(商工業や観光の振興に)3,234円 そのほか(労働費や議会費など)4,979円 問=財政課 電話0748−24−5602 IP=050−5801−5602