特集 自助と共助で防災力アップ ■記号の説明・・・問=問い合わせ IP=IP電話  いつ起こってもおかしくない自然災害。大きな被害が発生すると、消防や警察はすぐに駆けつけることが難しくなります。その時、自分のことは自分で守る「自助」と、地域の中で助け合う「共助」が大切になってきます。  8月30日から9月5日は防災週間です。  この機会に、災害への日頃の備えについて考えてみませんか。 写真=地域住民と市消防団による初期消火訓練(昨年の市総合防災訓練、和南町にて) 図1=断層図(参考「地震ハザードマップ」東近江市)    @琵琶湖西岸断層帯    A鈴鹿西縁断層帯    B鈴鹿東縁断層帯    C 養老-桑名-四日市断層帯 ●その日は突然やってくる  平成23年3月11日、国内観測史上最大となるマグニチュード9の地震が東日本を襲い、宮城県栗原市では最大震度7を観測しました。  この東日本大震災では、建物の倒壊、津波、火災などの被害をもたらし、現在も復興活動が続けられています。 ●災害は対岸の火事ではない  本市でも災害と無縁というわけではありません。  特に地震は、市内に大きな影響を与える4つの活断層(図1)や東南海、南海地震(海溝型地震)があります。   図1の活断層のうちAの鈴鹿西縁断層帯は、長さ44キロメートルにわたる活断層で、本市を縦断する百済寺断層などが含まれます。この活断層での今後30年以内の地震発生確率は1%未満ですが、発生するとマグニチュードは最大7・6程度の規模で、市の中央部は震度6強以上と予測されています。  また、海溝型の地震では、東南海、南海地震が市内に大きな影響を与えるとされています。今後30年以内の発生確率は60〜70%とされており、マグニチュード8、震度6弱程度と予測されています。 表=震度 6弱 立っていることが困難になる   震度 6強 立っていることができず、はわないと動くことができない   震度 7  揺れにほんろうされ、自分の意思で行動できない ●その時あなたは大丈夫?  災害時は、支援が届くまでに時間がかかる場合もあります。まずは自分のことは自分で守る「自助」の備えをしましょう。  普段から、家族で避難場所の確認や非常時の連絡方法の取り方を話し合ったり、家具などの固定、非常用持出品の準備をしておくことが大切です。  また、自宅で被災するとは限りません。東日本大震災では、主に都心部で会社から自宅に帰れなくなる「帰宅困難者」が多数出ました。職場や普段の持ち物にも非常時に役立つものを用意しておくと安心です。  次のリストを参考に、一度チェックしてみましょう。 ○非常用持出品 ◆家庭 ※家族構成によって、ミルク、ほ乳瓶、おむつ、入れ歯、補聴器、眼鏡なども用意しましょう。  ・非常食品・飲料水=かんパン、缶詰、栄養補助食品、チョコレートなどの菓子類、ミネラルウォーターなど  ・救急医療品=ばんそうこう、消毒液、包帯、くすり(風邪薬、胃腸薬、持病の薬)など  ・生活用品・衣類=懐中電灯、携帯ラジオ、乾電池、タオル、ウェットティッシュ、マスク、使い捨てカイロ、上、下着、雨具、家族の写真など  ・貴重品=現金、通帳、免許証・健康保険証の写し、印鑑など ◆職場  ・運動靴、軍手、タオル、雨具、地図など ◆普段の持ち物  ・小銭、携帯電話の充電器、飲料水、菓子類、懐中電灯など 写真2枚=模擬倒壊家屋からの救出救助訓練(昨年の市総合防災訓練、永源寺運動公園にて) ●自分たちの命とまちは自分たちで守りたい  地域に災害が発生したときにいち早く駆けつけてくれる消防団。わがまちの安全・安心を守りたいという思いのもとに結成されています。そんな消防団は、地域の中で助け合う「共助」の要のひとつといえます。 背景写真=滋賀県消防操法訓練大会での市消防団の入場行進の様子 ●地域みんなで助け合う  災害発生時には、個人や家族の力だけで事態に対処するのは難しく、公的な支援が届くまでは、地域の中で助け合う「共助」で乗り切る必要があります。  このような時、日頃から訓練を行い、専門知識を持っている身近な消防団が頼りになります。 ●地域に根ざす消防団  消防団は、常勤の職員がいる消防署と違い、自営業や会社員などの本業を持つ人で組織され、団員は災害が起きるといち早く現場に出動する市の非常勤特別職員です。  本市では8方面隊27分団(女性分団含む)で構成され、約千人が所属しています。  職場や家族の理解と協力により、日頃から訓練を重ね、地域の安全・安心のために活動しています。 ●どんな活動をしているの?  災害時は消火活動や救助活動を行い、普段は地域で災害予防の啓発や訓練などを行っています。 ◆災害が発生したとき  消火活動・残火処理・救助救出活動・警戒巡視・避難誘導・水防活動・災害防御活動・行方不明者の捜索など ◆普段の活動  消防操法訓練・特別警戒・防火指導・器具点検・啓発活動など ●非常時に備えて  東日本大震災でも報道されましたが、現地では地元の消防団員が率先して救助活動に参加されていました。  本市でも毎年、地震の発生に備え、防災訓練の中で建物倒壊家屋からの救出訓練や火災防御訓練を実施しています。 ●防災力アップは日々の生活から  災害はいつ起こるかわかりません。いざというときにあわてることのないよう、日頃から「自助」「共助」の備えを万全にしておきましょう。 ●女性消防団員募集 ○子どもたちの言葉に元気をもらって 女性分団長 辻 千亜紀さん  わたしたち女性分団は、災害予防の啓発を中心に、防災や応急救護訓練などを行っています。  消防団は大変だと思われがちですが、とにかく楽しい!「また来てや」と、啓発先の幼稚園などで子どもたちから言ってもらうと、やっててよかったと思います。  もっと仲間が増えてほしいと、ブログで防火啓発や訓練の様子を紹介しています。  都合のつく時間からでも構いません。わたしたちと一緒に活動してみませんか。 ※募集対象は18歳以上です。基本的に火災現場などには出動しません。 写真=辻 千亜紀さん 写真=紙芝居でわかりやすく避難方法を教える ●東近江市消防団管轄区域図 @第1方面隊(八日市)  第1〜第4分団 A第2方面隊(八日市)  第5〜第8分団 B第3方面隊(永源寺)  第9〜第11分団 C第4方面隊(五個荘)  第12〜第14分団 D第5方面隊(愛東)  第15〜第16分団 E第6方面隊(湖東)  第17〜第18分団 F第7方面隊(能登川)  第19〜第23分団 G第8方面隊(蒲生)  第24〜第26分団 ●避難情報の流れ  災害時には、市や関係機関から防災に関する情報が発表されます。情報の内容と伝達の順序を確認しておき、適切な行動がとれるようにしましょう。  ※身の危険を感じたら避難情報を待たず、安全な場所に避難してください。 ○避難情報の流れ @国土交通省、滋賀県、彦根地方気象台→市→避難情報=避難準備情報・避難勧告・避難指示→・自治会・消防団 ・広報車・東近江ケーブルテレビ(音声告知端末)・FMひがしおうみ (81.5Mhz) A国土交通省、滋賀県、彦根地方気象台→市→避難情報=避難準備情報・避難勧告・避難指示→報道機関→・テレビ ・ラジオ・インターネット B国土交通省、滋賀県、彦根地方気象台→報道機関→・テレビ・ラジオ・インターネット ○避難情報の種類  避難準備情報=いつでも避難できるように準備をする  避難勧告=身の安全を確保し、家族・近所で助け合いながら避難する  避難指示=ただちに避難する ●滋賀県消防操法訓練大会の結果  7月31日(日)、滋賀県消防学校(神郷町)で、「第46回滋賀県消防操法訓練大会」が滋賀県、(財)滋賀県消防協会主催で開催されました。  本市消防団からは市消防操法大会の上位4隊が出場し、日頃の訓練の成果を披露しました。 ○大会の結果 ポンプ車の部 (出場16団体)=第8方面隊(蒲 生)第4位、第3方面隊(永源寺)第9位 小型ポンプの部 (出場15団体)=第5方面隊(愛 東)第4位、第4方面隊(五個荘)第11位 写真=大会での第8方面隊の様子 写真=大会での第5方面隊の様子 写真=8月11日に開催された報告会の様子 問=生活安全対策課 電話=0748−24−5617 IP=0505−801−5617