特集 平成22年度決算 東近江市のおさいふ どうなってるの? ■記号の説明・・・問=問い合わせ IP=IP電話  決算とは、市が1年間に使ったお金の収支をまとめたものです。  今回は、市の決算、いわば“おさいふ”の状況と、どのようにお金が入って、どのように使われたかをお知らせします。 イメージ写真=電卓をたたく職員 【ご了承ください】特集に記載した金額やパーセントは四捨五入してあるため、各項目の合計や差し引きなどが必ずしも一致するものではありません。 ●東近江市のおさいふ、今の状況はどうなの?  市町村の財政状況を表す指標のひとつに「財政健全化判断比率」があります。住民生活に大きな影響が出る市町村の破たんを防ぐため、「早期健全化」と「財政再生」の基準を決めて、財政の悪化を2段階でチェックできる指標です。  本市の場合、平成22年度決算において基準を超える指標はなく「青信号」でした。  しかし、指標が青信号といっても、今後もずっと安泰というわけではありません。  グラフ1のとおり、平成33年までに地方交付税が段階的に約40億円削減されます。一方で、医療や福祉にかかる費用は増大することが予想され、今後はグラフ2のように「歳出」に対して「歳入」が不足する見込みに対応できるよう、適正な市民サービスが行える規模まで支出を減らすことが求められます。 ◇グラフ1 地方交付税算定額の減少  平成27年度から徐々に減り始め、平成33年度には平成22年度に比べ40億円減少となる見込み。 ◇グラフ2 財政収支シュミレーション(平成22年度試算)  平成23年度から歳入に対して歳出が上回る。その後、歳入・歳出ともに減り続け、平成33年度には歳入=約355億円に対して歳出=約390億円となる。 ◆市町村の財政状況を表す指標 財政健全化判断比率(信号機のイラストを用いたイメージ) ◇信号の説明  青信号…財政は健全です。  黄信号…早期健全化団体に指定されます。財政健全化計画を立てて、速やかに実行しなければなりません。  赤信号…財政再生団体に指定されます。国の監督を受けながら財政を立て直します。近年では、北海道夕張市が財政再生団体となっています。 1.実質赤字比率(一般会計を中心とした赤字の割合)  東近江市…赤字なし(青信号)  ※赤信号…20%以上 黄信号…11.81%以上  2.連結実質赤字比率(一般会計・特別会計・企業会計すべての会計の赤字の割合)  東近江市…赤字なし(青信号)  ※赤信号…40%以上 黄信号…16.81%以上 3.実質公債費比率(年間の借金返済額の割合)  東近江市=12.9%(青信号)  ※赤信号…35%以上 黄信号…25%以上 4.将来負担比率(将来負担が見込まれる負債の割合)  東近江市=78.4%(青信号)  ※黄信号…350%以上 赤信号の基準はなし ●平成22年度の予算、 どう使われたの?  一般会計の決算は20億5千万円の黒字となりました。歳入では市税や地方交付税が増加し、また市債も臨時財政対策債※が増加しました。そのため、当初予算で予定していた市の貯金(財政調整基金など)の取り崩しをせずにすみました。 ※臨時財政対策債…国が分配する地方交付税が足りないときに、その不足分を市が借金をして肩代わりしておく市債のこと ◆一般会計(カッコ内は構成比) ◇歳入 491億4千万円  前年度比18億円(3.8%)の増加 ・市税 172億円(35.0%)  前年の所得や所有する土地家屋に応じて市民に納めてもらう税金  (解説)景気の持ち直しの状況を反映して、法人市民税を中心に11億円増加しました。 ・地方交付税 111億9千万円(22.8%)  人口や税収などに応じて、国から再配分されるお金  (解説)地方支援が重点的に行われたため16億円増加しました。 ・国庫・県支出金 89億6千万円(18.2%)  使い道が決まっている国や県から配分されるお金 ・市債(市の借金) 57億8千万円(11.8%) ・諸収入 26億8千万円(5.4%) ・その他 33億3千万円(6.8%) ◇歳出 470億9千万円  前年度比12億円(2.6%)の増加 ・人件費 81億8千万円(17.4%)  市職員の給料や退職金 ・扶助費 71億4千万円(15.2%)  生活保護や高齢者、児童、障がい者を支援するお金  (解説)子ども手当の創設や障害者自立支援給付・生活保護給付が増え、18億円の増加となりました。 ・公債費 68億2千万円(14.5%)  市の借金の返済 ・物件費など 62億円(13.1%)  施設維持などにかかるお金 ・補助費 53億3千万円(11.3%)  特定の目的のため団体などに交付するお金 ・公共事業など 51億9千万円(11.0%)  (解説)布引運動公園や八日市南小学校分離新設事業がほぼ完了したことから、26億円減少しました。 ・繰出金 45億8千万円(9.7%) ・積立金など 36億5千万円(7.8%) ◇差引額 20億5千万円 積み上げグラフ=歳入と歳出の内訳 ◆特別会計・企業会計  9つある特別会計は、すべて黒字決算となり、剰余金(差引額)は平成23年度に繰り越しました。  なお、老人保健特別会計は平成22年度をもって廃止しました。  2つの企業会計は赤字となったため、差引額の不足分を各会計内の積立金での補てんや未処理欠損金として処理しました。 ◇特別会計の区分別歳入、歳出、差引額 ・国民健康保険(事業勘定)  歳入=98億5千万円 歳出=98億円 差引額=5千万円 ・国民健康保険(施設勘定)  歳入=2億円 歳出=1億9千万円 差引額=1千万円 ・老人保健  歳入=400万円 歳出=400万円 差引額=0円 ・後期高齢者医療  歳入=7億9千万円 歳出=7億8千万円 差引額=1千万円 ・介護保険  歳入=62億2千万円 歳出=61億7千万円 差引額=5千万円 ・簡易水道事業  歳入=1億8千万円 歳出=1億8千万円 差引額=0円 ・下水道事業  歳入=35億5千万円 歳出=35億2千万円 差引額=3千万円 ・農業集落排水事業  歳入=11億7千万円 歳出=11億7千万円 差引額=0円 ・公設地方卸売市場  歳入=5千万円 歳出=4千万円 差引額=1千万円 ◇企業会計の区分別歳入、歳出、差引額 ・病院事業(収益的収支)  歳入=30億1千万円 歳出=30億2千万円 差引額=△1千万円 ・水道事業(収益的収支)  歳入=17億9千万円 歳出=18億5千万円 差引額=△6千万円 ●平成22年度はこんなことに取り組みました  市民のみなさんからいただいた貴重な財源をもとに、平成22年度は福祉、教育、地域活性化などの事業に取り組みました。 ◆安心の3重奏 ・地域医療確保に向けた取り組み…10億400万円  病院事業会計への繰り出し、市立病院等整備委員会設置、医療福祉を考えるフォーラムを実施しました。  写真=病院等整備計画の住民説明会 ・小中学校耐震補強、大規模改修工事…11億3,900万円  写真3枚=八日市西小学校、愛東中学校、湖東第一小学校 ・就学前乳幼児医療費の無料化、小中学生の入院費助成…2億1,600万円 ・高齢者生きがいと健康づくり推進事業…1,800万円  退職シニアの「地域デビュー」支援、老人クラブなどの活動助成を行いました。 ◆発展の5重奏 ・緑の分権改革推進に向けた取り組み…5,900万円 1.緑の分権改革推進事業…4,200万円  中央集権型の社会構造から、「ヒト・モノ・カネ」が地域で循環し「分散自立・地産地消・低炭素」社会への転換を目指し取り組みました。  写真=雑木林の間伐 2.クリーンエネルギーの地産地消…1,700万円  住宅用太陽光発電施設およびエコ住宅に対する補助を地域商品券「三方よし商品券」で支払い、クリーンエネルギーの普及と地域活性化を図りました。  写真=三方よし商品券 ・道路新設改良事業…4億5,400万円  生活に密着した市道を中心に、地域ネットワーク充実に努めました。  写真2枚=市道曽根小田苅線改良工事の着工前と完成後 ・奥永源寺振興の取り組み…75万円  石榑トンネル開通に伴い期待できる地域活性化の取り組みとして、道の駅の検討を開始しました。  写真=石榑トンネル ・商工振興対策事業…6,500万円  地域商工業の振興や活性化を図るため、商工会議所や6商工会への支援を行いました。 ◆希望都市に向けた事業 ・街路事業…1億2,200万円  都市計画道路小今建部上中線(春日工区)道路改良工事、垣見隧道(ずいどう)の予備設計などに取り組みました。  画像=垣見隧道の完成イメージ  写真=工事が進む都市計画道路小今建部上中線 ・布引運動公園陸上競技場管理運営事業…7,500万円  平成22年10月16日にオープンし、完成記念事業(近畿高校駅伝競走大会)や元旦マラソンが行われました。  写真=近畿高校駅伝競走大会 ・バス、鉄道対策事業…1億9,100万円  身近な交通手段を確保するため、ちょこっとバス・タクシーの運営や鉄道・バス事業者への支援を行いました。  写真2枚=ちょこっとバス・タクシー、近江鉄道 ◆避けて通れない行政改革  平成22年度は、行政改革大綱および集中改革プランにもとづき、職員の削減や事務事業の見直しなどの行政改革を着実に進めました。  平成22年6月には「行政改革推進委員会」を設置し、同年12月に公の施設の見直しと補助金の整理合理化について、答申をいただきました。その後、答申の方向性を最大限尊重し、平成23年3月に「公の施設改革計画(案)」を策定しました。 ◇行政改革の主な効果(平成22年度) ・職員数の削減などによる人件費の削減…4億1,000万円削減  給与水準の見直し(特別職の給与カット、職員削減、適正な職員給与水準の維持、時間外勤務の縮減) ・歳入増加の取り組み…2億3,900万円増加  収納対策の強化、広告収入確保、手数料の改正など ・補助金などの整理合理化…7,900万円削減  補助金、負担金、交付金の廃止、縮小、統合など ・事務事業の見直し…1億6,300万円削減  事業の廃止縮小、アウトソーシングの実施、経費削減策など ・公の施設の見直し…1,300万円削減  施設の廃止・統合、民間委託、指定管理者制度の適切な導入、管理経費の見直しなど 問=財政課  電話=0748-24-5602 IP=0505-801-5602