■記号は、時=日時 場=場所 対=対象 定=定員 持=持ち物 ¥=費用 申=申込み 問=問合せ IP=IP電話 ■育児に疲れていませんか?  「自由に外に出たい」「離乳食を食べてくれない」「あやしてもなだめても泣きわめく子ども。どうすればいいの。こっちが泣きたいよ」「スーパーとか人が多いところで大泣きされると、どうしようって焦る。迷惑そうな周りの視線も気になる」「泣き止まないから、たたいてしまう」「うまく育てられないのは、私のせい?」    子どもの誕生は、親にとっても家族にとっても大変喜ばしいもので、自分の元に生まれてきた新しい命は、何より守るべき大切な存在です。子どもと一緒に笑って心が安らいだり、子どもの成長を目にして感動したり、子育ては人生を豊かにしてくれるもののひとつです。  しかし、その一方で、育児には悩みがつきもの。「しつけの仕方が分からない」「自分の時間がとれなくてしんどい」「病気や発達のことが心配」など親としての悩みはさまざまです。  さらに核家族化が進み、近所とのつながりも希薄化している今の世の中では、子育てを一人で抱え込んでしまうケースも増えています。  市では、保護者の皆さんが相談できる体制をとるとともに、子育て支援センター、つどいの広場といった交流できる場所の設置や、子どもの一時預かりなどさまざまな取組を行い、子育てをする皆さんに寄り添い、支援を行っています。 ■「見えています、その頑張りも悩みも」  ●つどいの広場 ぐるりの家 スタッフ 綾 牧生さん   私にも3人の子どもがいて、子育ての大変さを身を持って実感しています。つどいの広場ぐるりの家は、子どもはもちろん、保護者の皆さんも自然体でいられ、楽しめる場所になるよう運営しています。   また、今年から家事などもサポートできる「訪問型子育てサポートLoops」を立ち上げ、幅広くお手伝いできる体制もつくりました。気軽にぐるりの家に来てもらえると嬉しく思います。                    ●御園小学校 校長 冨江 智代乃さん    核家族化や共働き社会が進む中、各家庭で悩みながら大変頑張って子育てされているのを実感しています。小学校としても登校の際に保護者の皆さんとコミュニケーションをとるなど、学校全体で応援しています。   子育てに悩みはつきものです。私自身も子育てで悩みました。肝心なことは一人で悩まないこと。学校も保護者の皆さんが本音で相談できる場所のひとつでありたいと思っています。 ■「マルトリートメント」 になっていませんか  交流の場などに通ったり一時保育を利用したりしても、子どもと2人きりのときや、なかなか言うことを聞いてくれないときなど、カッとなってしまう場面もあると思います。そのようなときにしつけの一環として大声で叱ったり、手加減をしてたたいたりすることはありませんか。  親として加害の意図はないとしても、繊細な子どもの心は傷ついています。子どもの心を傷つけてしまうような言動は、「虐待」という言葉よりも広い意味を持つ「マルトリートメント(不適切な養育)」と呼ばれ、避けるべき子育てです。代表的な言動は左の表のとおりです。日ごろの生活において思いあたるものもあるかもしれませんが、自分を責めるのではなく、冷静になることが必要です。  ●心理的マルトリートメント  □ 頭に血が上って、大声で怒鳴ってしまう。  □ 子どもの前で夫婦喧嘩をする。  ●身体的マルトリートメント  □ 子どもが言葉で言っても分からないときに、手加減をしてたたく。  □ 子どもが約束を守れなかったときなど、罰として食事を抜く。  ●ネグレクト(育児放棄)  □ 仕事や家事が忙しく、子どもとふれ合う機会がほとんどない。  ●性的マルトリートメント  □ 子どもが嫌がっているにも関わらず、お風呂のあとなどに裸で過ごす。 ■子どもは繊細で敏感  子どもは、大人が想像するより繊細で敏感です。大人にとってはささいな言動であってもマルトリートメントになり、子どもの心を傷つけてしまっているというケースが多々あります。  不適切な言動を受け、子どもの脳が傷つくと、傷ついた場所によって心や体にさまざまな影響が現れます。  例えば、脳の「前帯状回」が傷つくと、精神的に不安定になったり、絶望感を感じるようになったりする症状が現れます。そのほか、「視覚野」の傷は視覚に関する記憶力の低下につながり学習することが難しくなるような症状が現れるということが分かっています。  幼児期、学童期、思春期など年齢によって現れる症状はさまざまですが、「子どもは繊細で敏感」という特性を心に留めておくことが大切です。  ●脳が傷ついた子どもに現れやすい症状  幼児期 低身長、低体重、栄養障害、乱暴、多動など  学童期 心身症、注意力障害、学習困難、衝動的な行動など  思春期 不安、抑うつ、不登校、ひきこもりなど ■身近に潜む 「虐待」  新聞やテレビなどで虐待に関する悲惨な事件の報道が目に留まることも多いのではないでしょうか。それらの事件には、さまざまな要因や背景がありますが、マルトリートメントなど日常のささいな言動が積み重なり発生してしまうケースも見られます。  また、このような事件は、大都市だけで起こっているわけでなく、身近な出来事です。市へ通告相談があった中で虐待に関する対応件数はここ数年大幅に増加しており、平成30年度には521件の対応件数となりました。また、虐待の種類もネグレクト(育児放棄)や心理的虐待、身体的虐待、性的虐待など多様化しています。  遠い世界の問題ではなく、虐待は身近な問題だと認識することが必要です。  ●虐待に関する対応件数  平成28年度 332件  平成29年度 356件  平成30年度 521件  ●虐待の内訳(平成30年度)  ネグレクト 44%  心理的虐待 31%  身体的虐待 23%  性的虐待 2% ■「もう1人で悩まないで」  子どもの特性などを理解しながら、一人で子育てをしていくのは大変難しいことです。市や地域の交流の場に参加しながら、地域の中で子どもを育てることが大切です。また、子どもは地域社会にとっても宝物です。地域の皆さんの見守りや支援により、地域で子どもを育むことも大変重要です。  気になることがあれば、相談できる窓口も設けています。一人で悩まず、ささいなことでも気軽に相談してください。  問=こども相談支援課 電話=0748‐24‐5663 IP=050‐5802‐3275 FAX=0748‐23‐7501 (取材:広報課 谷佑一郎)   ●子育て世代の皆さんができること  ◆カッとなる気持ちをコントロールする  「子どもが言うことを聞かずカッとなって怒鳴る」などは多くの皆さんが経験していると思います。自身の怒りの感情をコントロールできるように「アンガーマネジメント」を意識しましょう。  ◆子どものよい行動を引き出す  子どものよい行動を引き出すための「ペアレントトレーニング」を活用しましょう。  ◆相談する  悩みを一人で抱えていると、子どもにも自身にもいいことはありません。市では、児童相談業務の専門的知識を持つ「スーパーバイザー」を配置するとともに、全国に先駆けて「子ども家庭総合支援拠点」を設置しています。  こども相談支援課まで気軽に相談してください。  ◆交流する  親子で遊びながら交流できる場として、子育て支援センターを6カ所(八日市、蒲生、能登川、五個荘、湖東、愛東・永源寺)に設置しています。各センターには、子育てコンシェルジュが相談を受け付けています。ほかにも、民間の広場が6カ所あります。ぜひ利用してください。 ■地域の皆さんができること ◆声掛け  地域の子どもや保護者の皆さんへの声掛けをしてください。「近所の優しいおじちゃん、おばちゃん」の存在は、子どもや保護者の皆さんの安心につながります。 ◆通報  ずっと泣き声が聞こえるなど気になることがあれば、連絡してください。 ・全国共通ダイヤル (24時間対応) 電話=189 ・滋賀県虐待ホットライン (24時間対応) 電話=077-562-8996 ・東近江市ぎゃくたいほっとライン 電話=0748-24-5687 ◆支援員登録   東近江市では、保護者の心身の状態により子どもの養育が困難な状況にあると認められた世帯に対し、家事や育児の支援、悩みの相談や助言などの事業を行っており、支援員を募集しています。詳しくは、こども相談支援課に問い合わせてください。 ■子どもができること  学校のこと、友達のこと、家族のことなど「困ったな」と思うことがあれば、一人で悩まず、学校の先生など周りの人に相談してください。  身近に相談できる人がいなければ、電話で相談をすることもできます。全く知らない人に相談することで悩みが軽くなることもあります。  一人で悩まず、相談することが大切です。  ・滋賀県子ども・子育て応援センター 子どもの電話相談(こころんだいやる)  (24時間対応) 電話=0120-0-78310  (9:00〜21:00) 電話=077-524-2030