■記号は、対=対象 問=問合せ IP=IP電話 時=日時 場=場所 申=申込み 特集 変わりゆくまち ■躍動するまち東近江市11万人都市の未来に向けて  滋賀県の南東部に位置する本市は、古くから市場町や門前町、主要な街道が交わる交通の要衝として栄えてきました。近年の人口減少や少子高齢化、コロナ禍後の社会変化の中にあっても市民の皆さんが安全で質の高い暮らしができ、「このまちで素晴らしい人生を過ごしている」と実感できるまちを目指しています。そのために、これからの10年先、20年先を見据え、地域に活力を呼び起こすさまざまな施策を推進してきました。  合併から17年が経った現在、その「変化」が表れてきました。今月は変わりゆく本市の注目事業を紹介します。 ●都市機能の集積とにぎわいの創出    近江鉄道八日市駅周辺では、中心市街地活性化基本計画に基づき、平成29年から官民が一体となってにぎわいの創出を図ってきました。これまで、ホテルの開業、古民家を改修した飲食店などの出店、延命新地地区の街並みや路地の整備などにより魅力を高めてきました。現在、駅周辺や商店街に新しく出店した店舗数は、57店舗(令和4年3月末時点)を数えます。この10月には駅前の大型商業施設がリニューアルされ、さらに多くの人が駅前に足を運んでいます。  また、大手民間企業と官民連携で取り組んでいる建設中の複合ビルは、1階はカフェを併設した市の観光交流施設を整備し、2階には八日市商工会議所が入居、3階は貸会議室やテナントとして活用される予定で商工観光の機能強化が期待されます。4階から14階は分譲マンションとして販売中で、来年3月には、駅前のランドマークとなる市内最高層の建物が姿を現します。  ほかにも、駅前広場に大型バスが発着できるロータリーと時間貸し駐車場を整備し、来訪者の利便性を高めます。令和6年4月には、駅近くにびわこリハビリテーション専門職大学のキャンパスが整備される予定であり、学生が行き交う新たなにぎわいも期待されます。 ●未来に向かうまちづくり  本市では、JR能登川駅周辺を「副次都市拠点」と位置づけています。JR能登川駅は新快速が停車し、京都や大阪、名古屋などへのアクセスも良好で、本市の中でも人口の増加が見込める地域です。  そのため、市ではJR能登川駅周辺のさらなる定住・移住や都市化を推進するため、利便性の高い居住空間の創出と駅前にふさわしい都市拠点を形成する施設の誘致を検討してきました。令和2年12月には大手民間企業と協定を締結し、官民連携で駅前に分譲マンションの開発を進めています。  現在建設中のマンションは11階建てで、令和5年2月末に完成予定です。「駅前マンション暮らし」が若いファミリー層からシニア層まで幅広い年代に好評を得ています。  また、マンションの隣接地は、駅前立地の優位性と高い利便性をいかして、都市のにぎわいの創出と地域の活性化につながる施設の誘致に向けて取り組んでいます。 ●Topics 変わるまち、変わる農業 農業生産基盤の整備(国営農地再編整備事業)  地域農業の継続と発展のために、水田の大区画化や農業用水路の改修など農業生産基盤の整備を市内各地で進めており、集落営農法人など担い手への農地集積・集約化、スマート農業導入による農作業の効率化・省力化を推進します。  その取組のひとつとして、現在、八日市地域16集落では、国直轄の土地改良事業である「国営農地再編整備事業」の採択を目指しています。 儲かる農業への転換  農家の安定収入の確保と市民への地場農産物の安定供給を図るため、平成30年4月に県内初の地域商社「株式会社東近江あぐりステーション」を設立しました。  市内で収穫された新鮮な農産物を市民に安定供給する「農産物の地域内中規模流通」の仕組みなどにより、野菜の流通を変革し、これまでの米・麦・大豆中心の土地利用型農業から高収益作物への転換を促進して、儲かる農業の実現を目指しています。 ■つながる道路生まれるにぎわい  私たちが日常的に利用している道路は、地域と地域をつなげるだけでなく、人と人をつなぎ、新たな交流を生み出します。本市を走る道路の数は、国道4路線、県道39路線、市道1581路線。距離にすると約1100キロメートルにもなります。本市では、計画的に道路整備を進め、道路ネットワークの充実を図り、円滑な交通ができるまちを目指しています。主な道路と今後の展望について紹介します。 ●都市計画道路小今建部上中線  中心市街地東部を外周する環状道路。平成28年に国道421号からひばり通りまでの区間577メートルが完成し、来年4月には、東今崎町地先の大凧通りに接続します。  これにより、慢性的な渋滞が解消され、中心市街地の活性化が期待されます。さらには、大凧通りから三津屋バイパス、岩倉バイパスを経て近江八幡市へと道路をつなげることで、新たなつながり、にぎわいを創出していきます。 ●都市計画道路中学校線  今年2月に長年の懸案であったJR東海道本線高架下を通る新しい垣見隧道が開通し、能登川地区の東西を結ぶ新たな動脈として、今年度中の完了を目指して整備を進めています。JR能登川駅周辺の都市機能の強化や企業間連携の活性化を促します。 ●国道421号(永源寺ダム)  平成23年に石榑トンネルが開通し、三重県へのアクセスが良好になりました。平成28年には佐目子谷橋を含む約500メートルの区間の整備が完了し、現在は、佐目町地先のダム湖に架かる樋の谷橋の整備を行っており、令和5年度末の供用開始を目標に滋賀県が整備を進められています。  交通障害の要因となる大型車の離合困難な狭あい箇所を解消し、地元住民の生活道路としての利便性向上はもとより、三重県をはじめ中京圏との交流を促進する希望の道として一日も早い完成を目指しています。 ●市内3カ所目のインターチェンジ (仮称)黒丸スマートIC整備計画  (仮称)黒丸スマートICは、名神高速道路の八日市ICと蒲生スマートICの間に新しく設置するスマートICで、黒丸パーキングエリアを活用して整備します。    これにより、中心市街地や周辺地域の住民や企業が高速道路を便利に利用できるようになるだけでなく、総合運動公園と連携した防災体制の強化や国道421号の渋滞緩和など多くの効果を期待しています。  また、周辺地域を「(仮称)文化スポーツ学研ゾーン」と位置づけ、中長期的な視点をもってさらなる施設の機能強化や、文化・スポーツ・学術・産業・商業全般にわたる新たなにぎわい創出につながる構想の策定を進めています。 ●狭あいで老朽化が進む 御河辺橋の架替えを計画中 ■変わるもの、変わらないもの。  これまで紹介してきた都市基盤整備をはじめ着実に事業が進み、昔と比べるとより便利で快適に暮らせるようになってきました。  11万人都市にふさわしい質の高い暮らしができるまちに向けて躍動する本市ですが、一方で変わらず大切に守っていきたいものもあります。それは、それぞれの地域で昔から育まれてきた自然、歴史、文化、伝統です。 ●3年ぶりに開催! 地域資源をいかした各種イベント  新型コロナウイルス感染症の感染拡大が始まって3年目の今秋。本市では、久しぶりにさまざまなイベントが各地で開催されました。  アウトドアスポーツを通じて自然の循環を体感する「びわ湖 東近江SEA TO SUMMIT」には、県内外から194人が参加。カヌー・自転車・登山と本市の琵琶湖から鈴鹿の山々まで続く雄大な自然を満喫しました。  中心市街地では、県内外から約200組のミュージシャンが集った「びわこジャズ東近江」が開催され、ジャズを中心にさまざまなジャンルの音楽がまちに響き渡りました。このイベント最大の特徴は、一般市民のボランティアの手を中心に運営されている点。行政や大手スポンサーに頼らず、市民みんなで作り上げる熱気あふれるイベントです。  近江商人屋敷が残る五個荘金堂伝統的建造物群保存地区で開催された「ぶらっと五個荘まちあるき」には、約4千人の来場がありました。江戸時代から全国各地で活躍した近江商人の偉業を伝える同イベント。てんびん棒を担いだ「近江商人」や「はいからさん」と呼ばれたはかま姿の女学生、商家の娘などに扮した約60人の華やかな行列に、会場は明治・大正の時代にタイムスリップしたかのような雰囲気に包まれました。 ●躍動するまち東近江市  本市では、今後も「このまちで素晴らしい人生を過ごしている」と実感できるまちを目指して、地域資源を大切にいかしながら変化し成長していきます。 問=広報課 IP=050‐5801‐5611 ファクス=0748‐24‐1457