○東近江市蔵王ダム管理規則

平成17年12月28日

規則第288号

(趣旨)

第1条 この規則は、東近江市日野川用水施設管理条例(平成17年東近江市条例第291号)に基づき、蔵王ダム(管理事務所、電気施設、通信施設その他の附帯施設を含む。以下「ダム」という。)の維持、操作その他の管理について必要な事項を定めるものとする。

(管理者の業務)

第2条 ダム管理責任者(以下「管理者」という。)は、この規則に定めるところにより、ダムを管理するものとする。

(異例の処置)

第3条 管理者は、この規則に定めのない事項を処理しようとするときは、あらかじめ市長の承認を得なければならない。ただし、非常事態の発生により緊急に措置を要するものについては、この限りでない。

2 前項ただし書の場合は、事後速やかに市長に報告するとともにその後の措置についての指示を受けなければならない。

(満水位)

第4条 ダムの満水位は、標高305.10メートルとし、水位をこれより上昇させてはならない。

(低水位)

第5条 ダムの低水位は、標高279.60メートルとし、監査、補修その他特に必要とする場合を除き、水位をこれより低下させてはならない。

(水位の基準)

第6条 ダムの水位は、全て堤体に取り付けられた水位計の示度によるものとする。

(貯水)

第7条 管理者は、かんがい用水等を確保するため、ダム容量配分計画により原則として毎年かんがい期までにダムの貯水を満水位にするものとする。

2 ダム容量配分計画は、別表のとおりとする。

(かんがい用水のための利用)

第8条 かんがい用水のための利用は、標高305.10メートルから標高279.60メートルまでの容量、最大4,600千立方メートルを利用して行うものとする。

(かんがい期)

第9条 かんがい期は、ダムに係る河川法(昭和39年法律第167号)第95条の規定による協議で定められた水利使用規則(以下「水利使用規則」という。)に基づく期間とする。

(かんがい用水の取水及び放流)

第10条 管理者は、かんがい期間において、気象、水象及びかんがいの状況を考慮して受益地の必要な水量をダムから取水及び放流しなければならない。

2 管理者は、かんがい期間において異常渇水等によって必要な水量を取水及び放流することが困難な場合には、市長に報告し、その指示を受けて適切な措置をとらなければならない。

(計画取水及び放流量)

第11条 かんがい用水のためのダムからの取水量及び放流量は、水利使用規則に掲げる量を基準とする。

(取水制限流量)

第12条 ダムからの取水量制限量は、水利使用規則に掲げる量とする。

(放流の制限)

第13条 ダムに貯留された水は、次の各号のいずれかに該当する場合に限り放流(取水のための放流を除く。)するものとする。

(1) 水位が満水位を超え、又は超えるおそれのあるとき。

(2) 第18条の規定により点検整備を行う必要があるとき。

(3) その他特にやむを得ない理由により必要があるとき。

(放流量)

第14条 ダムから放流ゲートによる放流を行う場合の放流量は、毎秒9.09立方メートルを超えてはならない。

2 洪水とは、ダムへの流入量の最大が毎秒26立方メートルを超える出水をいう。

(放流の通知)

第15条 管理者は、ダムから放流することによって下流の水位に著しい変動を生ずると認めるときは、これによって生ずる危害を防止するため、滋賀県東近江土木事務所、日野川ダム管理事務所、日野町役場、東近江警察署及び琵琶湖河川事務所に通知するとともに、一般に周知させるため必要な措置をとらなければならない。

(斜樋ゲートの操作)

第16条 斜樋ゲートは、取水の必要に応じて開扉するものとし、常に貯水位から5メートル以内の水深にある水を取水するように操作するものとする。

2 第18条の規定による斜樋ゲートの点検整備は、かんがいに支障のないよう行うものとする。

(放流ゲートの操作)

第17条 放流ゲートは、次の各号のいずれかに該当する場合には、これを操作するものとする。

(1) 第13条に規定する放流を行うとき。

(2) 堤体等を監査し、又は補修するため、貯水位を低下させる必要があるとき。

(3) 滞積土砂の掃流を行うとき。

(4) 次条の規定により放流ゲートの点検整備を行うとき。

(5) その他やむを得ない理由により、貯水位を低下させる必要があるとき。

(点検及び整備)

第18条 管理者は、堤体、ゲート、ゲートを操作するために必要な機械及び器具、警報、通信連絡及び観測のために必要な設備、管理のために必要な船舶及び車両並びにこれらの操作のために必要な資材を常に良好な状態に保つための点検及び整備を行い、特にゲート及び予備電源設備については適時試運転を行わなければならない。

(ダム及びその周辺の監視)

第19条 管理者は、ダム及びその周辺について常に監視を行い、その維持及び保全に支障を及ぼす行為の取締り並びに危険防止に努めなければならない。

(洪水警戒体制)

第20条 管理者は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、洪水警戒体制をとらなければならない。

(1) 彦根地方気象台から関係地域に対して降雨に関する注意報又は警報が発せられたとき。

(2) その他洪水が予想されるとき。

(洪水警戒体制時における措置)

第21条 管理者は、前条の規定により洪水警戒体制をとったときは、職員を招集してそれぞれ担当部署に配置し、次に掲げる措置をとらなければならない。

(1) 関係の気象台、市町、土地改良区その他の機関との連絡並びに気象、水象に関する観測及び情報の収集を行うこと。

(2) 最大流入量、洪水総量、洪水継続時間及び流入量の時期的変化を予測すること。

(3) ゲート並びにゲートの操作に必要な機械及び器具の点検、整備、予備電源設備の試運転その他ダムの操作に関し必要な措置をとること。

(4) 水害が予測される際には、農林水産省が別に定める事前放流等実施要領により、貯水位を低下させ、空き容量の確保に努めること。

(洪水警戒体制の解除)

第22条 管理者は、気象及び水象の状況により洪水警戒の必要がなくなったと認めたときは、堤体等の異状の有無を点検し、異状を認めたときは速やかに必要な措置をとり、その後に洪水警戒体制を解除するものとする。

(かんばつ時における措置)

第23条 管理者は、ダムの貯水状況、長期にわたる降雨量の予報等を勘案して、かんばつのおそれがあると認めるときは、原則としてダムからの放流を停止し、市長及びダム利用者の意見を聴いて、取水に関する節水計画を策定し、これにより取水を行い、著しい用水不足を生じないよう努めなければならない。

(気象及び水象の観測)

第24条 管理者は、気象及び水象について、次に掲げる事項を定期的に観測しなければならない。

(1) 気象関係 天気、気温、湿度、風力及び方向、降雨量、積雪量等

(2) 水象関係 水位、流入量、放流量、取水量、水温、結氷等

(ダムの堆砂状況の調査)

第25条 管理者は、毎年低水位時に1回又は洪水の直後で必要があると認めたときは、ダムの堆砂状況を調査しなければならない。

(堤体の調査)

第26条 管理者は、堤体に設置された測定機器により、変位(沈下、移動量)、堤圧(間隙水圧、土圧)、漏水等について調査又は観測を行わなければならない。

(管理日誌)

第27条 管理者は、ダム管理日誌を備え、次に掲げる事項について記録しなければならない。

(1) 前3条の規定による調査又は観測の結果

(2) ダムの状況及び点検整備に関する事項

(3) 緊急時における措置に関する事項

(4) ゲートの操作を行ったときは、操作の理由、操作の時刻、開度、取水及び放流量に関する事項

(5) その他ダムの管理に関する事項

2 管理者は、毎年1月31日までに前年分の管理日誌を取りまとめなければならない。

(施行期日)

1 この規則は、平成18年1月1日から施行する。

(経過措置)

2 この規則の施行の日の前日までに、合併前の蒲生町蔵王ダム管理規則(平成8年蒲生町規則第18号)の規定によりなされた手続その他の行為は、この規則の相当規定によりなされたものとみなす。

(平成18年規則第21号)

この規則は、公布の日から施行する。

(平成21年規則第27号)

この規則は、公布の日から施行する。

(令和3年規則第27号)

この規則は、令和3年7月1日から施行する。

別表(第7条関係)

蔵王ダム容量配分計画

画像

東近江市蔵王ダム管理規則

平成17年12月28日 規則第288号

(令和3年7月1日施行)