○東近江市自然環境及び生物多様性の保全に関する条例

平成19年6月26日

条例第29号

目次

第1章 総則(第1条―第5条)

第2章 自然環境の保全及び再生に関する取組みの推進

第1節 水と緑の郷づくり構想の推進(第6条―第11条)

第2節 豊かな緑環境の創出(第12条―第14条)

第3節 保護樹木及び保護樹林(第15条―第19条)

第3章 生物多様性の保全に関する取組みの推進

第1節 在来の野生生物の保護(第20条―第25条)

第2節 外来生物対策の推進(第26条)

第3節 生物多様性保全活動の推進(第27条)

第4章 市民等との協働の推進(第28条―第30条)

第5章 雑則(第31条―第33条)

第6章 罰則(第34条・第35条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、東近江市民の豊かな環境と風土づくり条例(平成18年東近江市条例第7号。以下「環境風土づくり条例」という。)の基本理念にのっとり、自然環境及び生物多様性の保全について、市、市民及び事業者の責務を明らかにするとともに、自然環境及び生物多様性の保全に関し必要な事項を定めることにより、本市におけるかけがえのない自然環境及び生物多様性を将来の世代へと引き継いでいくことを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 自然環境 環境風土づくり条例第2条第3号に規定する自然環境をいう。

(2) 自然環境の保全 自然環境を保護し、再生し、若しくは創出し、又はその状態を適正に維持管理することをいう。

(3) 生物多様性の保全 環境風土づくり条例第2条第4号に規定する生物多様性の保全をいう。

(4) 市民等 市民、事業者及びこれらの者の組織する団体をいう。

(5) 工作物 建築基準法(昭和25年法律第201号)第88条第1項に規定する工作物をいう。

(市の責務)

第3条 市は、自然環境及び生物多様性の保全に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及びこれを実施しなければならない。

2 市は、施策の策定及び推進に当たっては、自然環境及び生物多様性の保全に配慮しなければならない。

3 市は、広報活動その他の活動を通じ、自然環境及び生物多様性の保全の必要性について市民等の理解を深めるとともに、その意識の高揚に努めなければならない。

(市民の責務)

第4条 市民は、自ら進んで自然環境及び生物多様性の保全に努めるとともに、自然環境及び生物多様性の保全に関する施策に協力しなければならない。

(事業者の責務)

第5条 事業者は、その事業の実施に当たって、市がこの条例の目的を達成するために行う施策に協力するとともに、自然環境及び生物多様性の保全のための必要かつ適切な配慮に努めなければならない。

第2章 自然環境の保全及び再生に関する取組みの推進

第1節 水と緑の郷づくり構想の推進

(水と緑の郷づくり構想)

第6条 市長は、鈴鹿山脈から琵琶湖までを水と緑の郷で繋ぎ、水と緑に溢れる自然の恵み豊かなまちづくりを進めるため、水と緑の郷づくり構想を策定するものとする。

2 水と緑の郷づくり構想は、次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 水と緑の郷づくりに関する長期的な目標及び基本方針

(2) 水と緑の郷づくりに関する施策を総合的かつ計画的に進めるために必要な事項

3 市長は、水と緑の郷づくり構想を策定しようとするときは、あらかじめ環境風土づくり条例第21条に規定する東近江市環境審議会(以下「環境審議会」という。)の意見を聴かなければならない。

4 市長は、水と緑の郷づくり構想を策定したときは、その旨を告示しなければならない。

5 前2項の規定は、水と緑の郷づくり構想の変更について準用する。

(水と緑の郷づくり重点地区)

第7条 市長は、水と緑の郷づくり構想を推進するため、次の各号のいずれかに該当する区域を、水と緑の郷づくり重点地区(以下「重点地区」という。)として指定することができる。

(1) 優れた山林等の自然を残すために保全又は再生することが特に必要な区域

(2) 優れた自然の風景地として保全又は再生することが特に必要な区域

(3) 優れた緑地として保全又は再生することが特に必要な区域

(4) 優れた水辺の自然環境を形成している湧水地、水路、河川、湖沼、湖岸等で保全又は再生することが特に必要な区域

2 市民等は、前項各号のいずれかに該当すると認められる区域について、同項の指定をするよう、市長に提案することができる。

3 市長は、重点地区の指定をしようとするときは、あらかじめ当該地区に係る土地及び建築物の所有者又はそれらを使用収益する権原を有する者(以下「所有者等」という。)及び地域住民等の同意を得るため、事前に協議を行うものとする。

4 市長は、重点地区の指定をしようとするときは、あらかじめ環境審議会の意見を聴かなければならない。

5 市長は、重点地区の指定をしたときは、その旨を告示しなければならない。

6 重点地区の指定は、前項の規定による告示があった日からその効力を生ずる。

7 重点地区の指定の解除及び区域の変更については、第2項から前項までの規定を準用する。

(自然環境の保全に係る配慮等)

第8条 市長は、公共事業又は公共施設の建設等を行う場合においては、水と緑の郷づくり構想の実現に資するよう配慮するものとする。

(重点地区内における行為の制限)

第9条 重点地区内において、工作物の新築等、土地の形状の変更、木竹の伐採その他の規則で定める開発行為をしようとする者は、あらかじめ市長にその旨を届け出なければならない。

(指導又は勧告等)

第10条 市長は、前条の規定による届出があった場合において、水と緑の郷づくり構想の推進のため必要があると認めるときは、水と緑の郷づくり構想に基づき、当該届出をした者に対して自然環境の保全及び再生に関し必要な指導、勧告又は助言をすることができる。

(水と緑の郷づくり協定)

第11条 市民等は、相互に協力し、水と緑に溢れる自然の恵み豊かなまちづくりを進めるため、その所有し、又は管理する土地について、一定の区域(町の区域又はその他の区域をいう。)を定め、当該区域における水と緑の郷づくりに関する協定を締結することができる。

2 市長は、前項の協定の内容が水と緑の郷づくり構想に資するものであると認めるときは、規則で定めるところにより、水と緑の郷づくり協定として認定することができる。

3 市長は、前項の規定により水と緑の郷づくり協定を認定したときは、当該協定の内容を公表するものとする。

4 市長は、認定した協定に基づく取組みが促進されるよう必要な助言をすることができる。

第2節 豊かな緑環境の創出

(公共施設の緑化)

第12条 市長は、豊かな緑環境の創出のため、公共施設における緑化計画を定め、樹木の植栽に努めなければならない。

(土地所有者等の緑化の義務)

第13条 土地の所有者等は、地域の緑環境の保全に配慮するとともに、豊かな緑環境の創出のため、自ら緑化を図るように努めなければならない。

(空閑地の植栽)

第14条 市長は、豊かな緑環境の創出を推進するため、土地の所有者等に対し、空閑地の一部又は全部に樹木を植栽することを要請することができる。

2 市長は、豊かな緑環境の創出を推進するため、空閑地の植栽について、必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

第3節 保護樹木及び保護樹林

(保護樹木等の指定)

第15条 市長は、豊かな緑環境を確保するため、規則で定めるところにより、保護すべき樹木又は樹木の集団を、保護樹木又は保護樹林(以下「保護樹木等」という。)として指定することができる。

(所有者等の保護義務等)

第16条 保護樹木等の所有者等は、保護樹木等の枯損の防止その他その保護に努めなければならない。

2 保護樹木等の所有者等が変わり、新たに所有者等となった者は、遅滞なくその旨を市長に届け出なければならない。

(保護樹木等に係る行為の禁止)

第17条 何人も、みだりに保護樹木等を汚損し、損壊し、滅失し、又は移転してはならない。ただし、規則で定めるところにより、市長の許可を得た場合は、この限りでない。

2 前項の規定は、次に掲げる行為については適用しない。

(1) 通常の管理行為、軽易な行為その他の規則で定める行為

(2) 非常災害のために必要な応急処置として行う行為

3 前項第2号の行為をした者は、規則で定めるところにより、遅滞なく市長にその旨を届け出なければならない。

4 第1項ただし書の許可には、保護樹木等を保護するために必要な限度において条件を付すことができる。

(指導又は勧告等)

第18条 市長は、保護樹木等を保護するために必要があると認めるときは、その保護樹木等及びその所在する土地の所有者等に対して、必要な指導、勧告又は助言をすることができる。

(原状回復命令等)

第19条 市長は、保護樹木等を保護するために必要があると認めるときは、第17条第1項の規定又は同条第4項の許可の条件に違反した者に対して、その保護のために必要な限度において原状回復を命じ、又は原状回復が著しく困難である場合には、これに代わる必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

2 市長は、正当な理由がなく前項の命令に従わない者については、この条例に違反する事実並びに氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、名称、代表者の氏名及び所在地を公表することができる。

3 市長は、前項の規定による氏名等の公表を行おうとする場合においては、あらかじめその者に弁明の機会を付与するものとする。

4 前項の弁明の機会の付与については、東近江市行政手続条例(平成17年東近江市条例第19号)に規定する弁明の機会の付与の例による。

第3章 生物多様性の保全に関する取組みの推進

第1節 在来の野生生物の保護

(大切にしたい野生生物種の指定)

第20条 市長は、市内に生息し、又は生育する野生生物種(農林水産業又は生活環境に係る深刻な被害を及ぼし、若しくは及ぼすおそれのある野生生物を除く。)のうち、次の各号のいずれかに該当し、特に保護する必要があると認めるものを大切にしたい野生生物種として指定することができる。

(1) 種の存続に支障を及ぼす程度にその種の個体数が著しく少ないもの

(2) その種の個体数が著しく減少しつつあるもの

(3) その種の主要な生息地又は生育地が消滅しつつあるもの

(4) その種の生息又は生育の環境が著しく悪化しつつあるもの

(5) 社会的若しくは文化的価値又は市民等の関心が高いもの

(6) 前各号に掲げるもののほか、その種の存続に支障を及ぼす事情のあるもの

2 第7条第4項から第7項までの規定は、大切にしたい野生生物種の指定及び指定の解除について準用する。

(保護区域の指定)

第21条 市長は、大切にしたい野生生物種の保護及び増殖を図る必要のある区域を、保護区域(以下「保護区域」という。)として指定することができる。

2 第7条第4項から第7項までの規定は、保護区域の指定並びに指定の解除及び区域の変更について準用する。

(捕獲等の禁止)

第22条 何人も、大切にしたい野生生物種の個体を捕獲し、採取し、殺傷し、又は損傷(以下この条において「捕獲等」という。)してはならない。

2 前項の規定は、他の法令の規定による許可を受けて行う捕獲等及び学術研究又は環境教育のための捕獲等で市長が承認した行為については適用しない。

(保護区域における行為の禁止等)

第23条 何人も、保護区域において大切にしたい野生生物種の生息又は生育の環境を損なうような工作物の新築等、土地の形状の変更、木竹の伐採その他の規則で定める開発行為をしてはならない。

2 前項の規定は、次に掲げる行為には適用しない。

(1) 通常の管理行為、軽易な行為その他の規則で定める行為

(2) 非常災害のために必要な応急処置として行う行為

3 前項第2号の行為をした者は、規則で定めるところにより、遅滞なく市長にその旨を届け出なければならない。

(指導又は勧告等)

第24条 市長は、保護区域の環境を保護するために必要があると認めるときは、その環境を損なう行為の関係者に対して、必要な指導、勧告又は助言をすることができる。

(原状回復命令等)

第25条 市長は、保護区域を保護するために必要があると認めるときは、前条の勧告に従わない者に対して、その保護のために必要な限度において原状回復を命じ、又は原状回復が著しく困難である場合には、これに代わる必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

2 市長は、正当な理由がなく前項の命令に従わない者については、この条例に違反する事実並びに氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、名称、代表者の氏名及び所在地を公表することができる。

3 第19条第3項及び第4項の規定は、前項の規定による氏名等の公表について準用する。

第2節 外来生物対策の推進

第26条 何人も、国外又は国内の他の地域から野生動植物の本来の移動能力を超えて人為的に移動した野生生物種(次条において「外来生物種」という。)で、市内の在来の野生生物種を圧迫し、生態系に著しく悪影響を与えるおそれのある種の個体を放ち、又は植栽し、若しくはその種子を蒔いてはならない。

第3節 生物多様性保全活動の推進

第27条 市民等は、一定の区域内において、大切にしたい野生生物種の保護増殖又は外来生物種の防除のための自主的な活動を行う計画を定めることができる。

2 前項の計画を定めようとするときは、あらかじめ当該計画に係る土地及び建築物の所有者等の同意を得なければならない。

3 第1項の計画に係る代表者は、市長に対して当該計画を生物多様性保全活動計画として認定するよう求めることができる。

4 市長は、前項の規定により認定を求められたときは、その内容を審査し、当該計画の内容が生物多様性の保全に寄与するものであり、かつ、規則で定める要件に該当するものであると認めるときは、生物多様性保全活動計画として認定することができる。

第4章 市民等との協働の推進

(市民活動の支援等)

第28条 市長は、市民等との協働による自然環境及び生物多様性の保全に関する活動が効果的に行われるようにするため、次の事項に努めるものとする。

(1) 自然環境及び生物多様性の保全に関する指導者の養成

(2) 自然環境及び生物多様性の保全に関する教育及び学習の推進

(3) 市民等に対する自然環境及び生物多様性の保全に関する活動の情報の提供及び交換の場の確保

(4) 自然環境及び生物多様性の保全に関する市民等の自主的な活動に対する支援

(5) 自然環境及び生物多様性の保全に関する活動の拠点の整備

(いきもの総合調査の実施)

第29条 市長は、市内の自然環境及び生物多様性の保全を図り、市内のいきものの生態系並びに大切にしたい野生生物種の生息及び生育状況を把握するため、おおむね5年ごとにいきもの総合調査を行うよう努めるものとする。

(表彰)

第30条 市長は、自然環境又は生物多様性の保全に寄与していると認められる個人、団体、企業等を表彰することができる。

第5章 雑則

(標識の設置等)

第31条 市長は、重点地区又は保護区域を指定したときは、当該重点地区又は保護区域内にその旨を表示する標識を設置しなければならない。

2 市長は、保護樹木等を指定したときは、当該保護樹木等にその旨を表示する標識を設置しなければならない。

3 重点地区内若しくは保護区域内の土地又は保護樹木等の所有者等は、正当な理由がない限り、前2項の標識の設置を拒み、又は妨げてはならない。

4 何人も、第1項又は第2項の規定により設置された標識を市長の承諾を得ないで移転し、除却し、汚損し、又は損壊してはならない。

(立入調査等)

第32条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、その職員を関係の場所に立ち入らせ、状況を調査し、若しくは検査させ、又は関係者に対し報告を求めることができる。

2 前項の規定により立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。

3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(委任)

第33条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

第6章 罰則

第34条 第22条第1項の規定に違反した者は、50万円以下の罰金に処する。

第35条 第17条第1項の規定に違反した者は、3万円以下の罰金に処する。

附 則

(施行期日)

1 この条例は、平成20年1月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際現に八日市市民の環境を守る条例(昭和49年八日市市条例第23号)第48条の規定により指定している保護樹木等は、この条例の規定により指定したものとみなす。

東近江市自然環境及び生物多様性の保全に関する条例

平成19年6月26日 条例第29号

(平成20年1月1日施行)

体系情報
第8編 生/第5章 環境保全/第1節
沿革情報
平成19年6月26日 条例第29号