雪野山古墳の副葬品

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ページ番号1012711  更新日 令和8年10月31日

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副葬品は、3面の三角縁神獣鏡(さんかくえんしんじゅうきょう)を含む銅鏡5面、武器・武具を中心とする鉄製品に、多数の銅鏃、初現的な形態をもつ鍬形石(くわがたいし)と琴柱形石製品(ことじがたせきせいひん)等の石製品類、ガラス小玉、供献用の壺、さらには靫(ゆき)や合子(ごうす)などさまざまな漆製品で構成されています。

石室内の保存状態が良好であったため、副葬品本来の配置状態や副葬品のセット関係が把握でき、その意義はたいへん大きいものです。多彩な漆製品で特徴付けられる前期古墳出土の一括資料として極めて重要であることから、平成13年6月、重要文化財に指定されました(副葬品218点附棺材)。

小札革綴胄
小札革綴胄の出土状況
銅鏡
銅鏡の出土状況
鍬形石
鍬形石の出土状況
竪櫛と合子
竪櫛と合子の出土状況
副葬品一覧
漆製品(34 点) 靫(ゆき)2、靫の背負い板、竪櫛(たてぐし)26、合子(ごうす)、木製短甲、菱形文様を持つ漆製品など
銅鏡(5 点) 内行花文鏡(ないこうかもんきょう)、だ龍鏡(だりゅうきょう)、三角縁波紋帯盤龍鏡(さんかくえんはもんたいばんりゅうきょう)、三角縁唐草文帯四神四獣鏡(さんかくえんからくさもんたいししんしじゅうきょう)、しん出銘三角縁四神四獣鏡(しんしゅつめいさんかくえんししんしじゅうきょう)
石製品(5点) 鍬形石(くわがたいし)、琴柱形石製品(ことじがたせきせいひん)、紡錘車形石製品(ぼうすいしゃがたせきせいひん)、管玉(くだだま)
鉄製品(およそ75点) 小札革綴胄(こざねかわとじかぶと)、鉄鏃(てつぞく)43本、鉄刀2、鉄剣5、鉄ヤリ3、ヤリガンナ2、鑿(のみ)1、針状品3、鉄鎌2、刀子5以上、ヤス9~11以上
その他 銅鏃96、ガラス小玉2、壷形土器1

 

 

 

三角縁神獣鏡と倭鏡

出土した銅鏡5面

前期古墳には、銅鏡が盛んに副葬されます。魔よけや、吉祥紋・吉祥句によって富栄えることが祈られ、また威信材でもありました。

三角縁神獣鏡は、盤龍鏡タイプ1面と四神四獣鏡タイプ2面を含んでおり、三角縁神獣鏡の中でも古い時期のものです。内行花文鏡とだ龍鏡は緻密な作りで、国内産の古式のものです。
国内産の精巧な鏡が古い三角縁神獣鏡と出土することで、国内での鏡生産が従来よりも遡って考えられるようになりました。

1号鏡
1号鏡 内行花文鏡(ないこうかもんきょう)
径約 23.6センチメートル
2号鏡
2号鏡 だ龍鏡(だりゅうきょう)
径約 26.0センチメートル
3号鏡
3号鏡 三角縁波紋帯盤龍鏡(さんかくえんはもんたいばんりゅうきょう)
径約 24.7センチメートル
4号鏡
4号鏡 三角縁唐草文帯四神四獣鏡(さんかくえんからくさもんたいししんしじゅうきょう)
径約 24.1センチメートル
5号鏡
5号鏡 しん出銘三角縁四神四獣鏡(しんしゅつめいさんかくえんししんしじゅうきょう)
径約 24.2センチメートル

靫(ゆき)と銅鏃

靫は弓矢を入れる矢筒で、板に結びつけて背負う形のものです。棺内出土の靫は、革に絹糸を菱形文様に組み上げ、黒漆で固めた筒部分と漆塗木製の底箱からできています。 外面に水銀朱を塗布し、鮮やかな赤色に仕上げています。
靫には銅鏃が鏃側を上にして納められます。光り輝く美しさを誇示した儀礼用の鏃とされます。

銅鏃
棺内靫に伴う銅鏃
靫
棺内靫の取り上げ整理後の状況

石製品

石製品は、硬質な碧玉でつくられた宝器的な意味合いをもつ遺物です。鍬形石(1)は、九州でつくられた貝輪を祖形にした腕輪形の石製品で、系譜上の鍵となる最古相のものとして知られます。琴柱形石製品(2)は、Y字形の儀仗のような形の石製品です。被葬者の頭部近くから出土し、頭部近辺を飾る祭具と考えられています。 管玉(3)は、古い時期には数点しか副葬されない貴重品です。紡錘車形石製品(4・5)は、貝製装飾品を祖形とした石製品で、棺内出土の靫の底部近くから出土しました。

出土した石製品5点
石製品

鉄鏃と鉄製農工漁具

鉄鏃は43本が出土し、多様な形態のものが副葬されています。矢柄がなく、鏃身だけ副葬されたものもあります。またわざと壊して副葬されたものもあり、銅鏃の一部や、刀子、ヤスなども破壊副葬されたものと考えられています。

鉄鏃43本
鉄鏃
鉄製農工漁具
ヤリガンナ(1・2)、鑿(3)、鎌(4・5)、刀子(6~10)
ヤスの集合写真
ヤス

小札革綴胄(こざねかわとじかぶと)

小札革綴胄は初現期にあたる甲冑で、その類例は少なく、形態からは中国大陸からもたらされたものと考えられています。木製短甲の痕跡も見つかっており、セットで副葬されていたようです。

小札革綴冑の復元品の写真
小札革綴冑復元
甲の小札を並べた写真
小札革綴冑

刀剣類

棺内の中央区画および南区画から刀2点、剣3点が出土し、棺外からは剣2点、ヤリ3点が出土しています。

南区画の刀は長さ96センチメートル以上、古墳時代前期でも有数の大きさです。棺外のヤリは、柄の漆膜の痕跡から、柄を含めた長さが4.6メートルの長大なものであった可能性があります。

木質で腐食しやすい柄の部分が残っており、刀剣類の構造の解明に成果をもたらしました。

ヤリ3本
鉄ヤリ

壺形土器

壺形土器は、東海地方の土器の影響をうけて作られた葬送用の加飾壺で、棺内の南側に立った状態で置かれていました。壺内部に水銀朱が付着しています。被葬者の頭部、鍬形石周辺に特に水銀朱が残っていたことから、木棺中央区画に被葬者を安置して副葬品を置いたのち、壺から水銀朱をまく儀礼をおこない、そのあと土器を南区画に副葬したと考えられています。

壺形土器の写真
壺形土器

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