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人と自然を考える会
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地元学をはじめよう その2

「記録映画で地元学」 

 記録映画「椿山 焼畑に生きる」上映会と対談

(2006年10月7日(土) 永源寺公民館ホール)
講師:姫田忠義 小貫雅男

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自然の条件と人間同士の調整と

小貫:僕がやったゴビアルタイ山中の遊牧とちょっと似ているんですね。やっぱり非常に広大な40km、20km、60戸ぐらいしかないんですからね。それを全部使うわけじゃないですね。やっぱり春、夏、秋、冬というふうに移って行くわけですけれども、一つの家族を見ると、必ず同じ所を使っているわけじゃないんですよね。春同じ所使っているわけでもないんですよね。それは非常に難しいので、草の生え方とかね、いろんなのがありますから。

姫田:そうですね、自然の。

小貫:それを熟知した上で選んでね、自分で循環をつくるわけですね、春、夏、秋、冬のね。

姫田:それを容認し合う人間のルールがあると思うんですね。自然条件っていうのは決して一定じゃない。ここにいつも草が生えているってあてにしていたらあかんかったというものでもありますからね。そうすると、その時にどう調整し合うかっていうのが、実はこれが縄張りなんだと思うんです。

 遊牧民たちが最も古く政治的な縄張り、つまり外交というようなことも含めて、隣との接触をするルールづくりを猛然とやったのは、実は遊牧民ですよね。遊牧民が古代国家を、古い国家をつくっている。そういう点じゃ、農耕民は、定着農民と呼ばれているのは「この辺のこれだけあればええねん」という、それは本当じゃないんですけれど、そういう発想である種の循環が成り立つんですね。

 自然の牧畜民というのは、危険度が高いと思うんですね。まして、狩猟民は高いんですよ。あそこの穴ぐらに去年もクマが冬眠していたからあそこへ行けばいいと言って、僕らも連れて行ってもらって、ダメって言われながら「連れて行ってください。連れて行ってください」ってね。二ヶ所連れて行ってもらって両方ともクマがいなかったんですよ。(会場笑)そういう馬鹿みたいな体験もね。

小貫:今大君ヶ畑におると、本当に山だらけですよね。それで、これだけ広いんだから、縄張り争いはないと思ったら、さっき言いましたけれど、大君ヶ畑はね、北へずっと行くと、君ヶ畑があるんですね。郡は違いますけれども。この二つはものすごく仲が悪いんですよ。君ヶ畑と大君ヶ畑は。それは、山の境界争いが。裁判まであったんですって。だから、すごい…

姫田:これは人間社会には当然だと思うんですね。それをどうしのいでお互いが生き延びてきたかっていうところをできるだけ深めないとね。「いやあ、けんかしたよ」と言うだけでは絶対ダメです。けんかしつつ共存してきているんですから、その共存している長さの方が、けんかした時、けんかなんていうのは長い歴史の中で瞬間みたいなもんですから。そうするとどういうふうに分け合ってきたか、どういうふうに認め合ってきたかということをやっぱり学び合うというのが今一番必要だと思います。それは、国と国との間もまったく同じですよね。10分?

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