トップ

講演記録このサイトについて

人と自然を考える会
所在地
滋賀県東近江市八日市金屋2丁目6番25号
東近江市立八日市図書館内

TEL:0748-24-1515
FAX:0748-24-1323
 
Home >> 講演記録 >> 姫田忠義 小貫雅男


地元学をはじめよう その2

「記録映画で地元学」 

 記録映画「椿山 焼畑に生きる」上映会と対談

(2006年10月7日(土) 永源寺公民館ホール)
講師:姫田忠義 小貫雅男

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18

労働の厳しさと楽しさ

小貫:現代病というのは精神的にまいってしまいますよね、心が非常に病むっていうか、それが多いですね。だから、子どもの問題とかいろいろ出てきますよね。そういう問題から解消されているっていうことははっきり言えますよね。多分椿山もそうだと思うし、モンゴルも言えると思いますね。だから、我々の現代の暮らしのあり方がね、便利で、エネルギーをそう出さなくてもすむっていうことが果たしていいのかどうかっていうことはちょっと疑問ですよね。

会場から2:だって楽しく生産に携わっていたら、最後まで楽しいわけですから。

姫田:ご自身はいかがですか?

会場から2:私は楽しみがいっぱいと思っていますけど。

姫田:ですよね? 小貫さんに聞きましょうかね? 同じことを。一言ですよ。いかがですか?

小貫:もう一度お願いします。

会場から2:最後まで楽しく体を動かして、終われるか。

小貫:そうですね、体はやっぱり動かさないとだめだということは分かりますね。というのは、詰めてやらんとならん仕事がありますよね。運動しないでやった場合に、完全にダメですね。体の調子がぐっと下がりますね。それで、はっと気がついて運動するんですけれども、間に合わせにね。だけど、そういうものではダメですね。だから、本当に体を動かしながら楽しくやれるというのは最高だと思いますね。だから、椿山の人は多分…たとえばスポーツやってる人が相当酷使しますよね、肉体を。だけど、多分楽しい部分も相当あるんだろうと思うんですよね。だから、表面から見ると分からない…

姫田:いや、こういう表現もあるんですよ。焼畑をやっている人たちにね、越後の奥三面の人も言っていたんですけど、「山へ行くのは楽しいよ」と言うわけですね。「なんにもしなくても、弁当を食べて帰ってくるんでも楽しいよ」と言うんです。商売にならんじゃないのと僕らだったら考えるんですけど(笑)、そうじゃないですね。やっぱり山へ行ってそこへおるということの楽しさをよく知っておられるから、それをものさしにするものの考え方がね…

会場から2:そういうつもりではなかったんですけど、さっき言われた方が仕事だけど楽しいと言われましたよね、うれしいとか。

姫田:あの人はね、僕はこういうこともあの人の言葉でその時考えたんですよ。もし、第二次大戦前だったら「運命です」とかね、「天命です」とか言ったんじゃないかなと思うんです。それが、戦後になっているからね、「職業ですきに」ってそういう言い方をなさった。僕ね、本当に考えさせられたですよ。山の高い所の人ですよ。

 僕は最初に一人で行った時にね、吊し上げられたことがあるんですよ。町へ行った若い衆たちが法事で帰って来てたんですよ、ある家に。僕はそこへいたんですよ。そうしたら吊し上げられて、「おまえらが来て変なことを言うから、俺は椿山の出身者だと言えない」って言うんです。なんか遅れてるとか、そういうふうに言われてるんですって。それで「帰れ、おまえ何しに来た」って。よくあるんです、そういうことは。そういう時は黙ってるんですけど。(会場笑)黙ってるしか手がないんですよ。そこにおらしてください。どうぞおらしてくださいって。おる以外に手がないんですよ。そんなことでね、言われたことがあります。そういう中で、その人がずっと持続していることを感じ取って、と思いますけどね。

スタッフ:どうもありがとうございました。すみません。時間も大分経過いたしましたので、このへんで。

 先ほどちょっと申し遅れたんですけれども、一応今日この後両先生方に場所を変えさせていただきまして、杠葉尾(ゆずりほ)町の方に池田ようそんじゅくというのがございます。若干でしたらまだ行けるんですけれども、一応そちらの方で夜、もう一度みなさんと一緒に会を持ちますので、若干でしたらお受けすることができます。これで一応大体の方を終わらせていただきたいと思います。じゃあすみません。ここでもう一度先生方をあたたかい拍手でお送りしたいと思います。どうもありがとうございました。じゃあ、先生どうも。

 すみません。椅子をすみませんが片づけなくてはならないもんですから、その処理だけ一つお手伝い願いたいと思います。よろしくお願いいたします。

←前のページへ

▲ページトップ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18