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人と自然を考える会
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滋賀県東近江市八日市金屋2丁目6番25号
東近江市立八日市図書館内

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FAX:0748-24-1323
 
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地域にある森林資源を生活に取り入れる

「これ、木でできてるの?」

(2007年3月11日(日) 東近江市永源寺図書館)
講師:山田佳行

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monacca(モナッカ)というバッグを企画して

 実はそういった商品群というのは、僕自身がもともと馬路村の者ではなくて、高知市の隣のいの町というどちらかと言えば紙の町という所なんですけど、和紙の。会社ができる時に馬路村へやってきた一人です。その時には、お皿、うちわとかそういった商品がある程度決まっていましたが、自分が営業としてまわりながら、ちょっとこれを売っていくのはしんどいなというところもある中で、たまたま高知県出身のデザイナーと会う機会がありました。

 個人的にいろいろ話をしていく中で、デザイナーですから絵を見せていただいたり、こんなものできるんやないという提案を話をしたりとかする中でですね、自分がこれはやりたいという思いを持ったのが、今ここにありますmonaccaという名前の木のバッグでありますとか、こちらの木の座布団でありますとか、それまで木ではまずありえんかったような木の商品群になります。そういったものをやってみたいということで、始めたのが大体3年前です。その3年前の1年ぐらい前から絵をもらったりはしているんですけど、販売は実際3年前ぐらいから始めました。

 始めるにあたって、かなり村の中で反対というか、摩擦とは言いませんけど、かなり言われました。「そんなもんやめとけ」と。「木でカバンらをつくって売れるわけがない」と。「座布団なんてましてやそんなもんやめとけ」と。「おんしは騙されちゅう」と。あ、おんしはっていうのは、土佐弁であなたはっていうことなんですけど。さんざん村の方にも言われました。

 こういう方の意見も大事にしなくてはいけないという部分もあるんですけれども、ただそう言う方に限って、僕が感じたのは、昔木でいい思いをした人ばかりなんですよ。丸太で伐ったものを市場に流して、それでもお金になった人ばかりで、自分ら商品つくってないやんっていうのが、僕の思いだったんですね。

 つくる前からそんなん言うんやったら、絶対馬路で木をやっていくのは無理やと思いますということで、その当時自分とデザイナーと二人で座布団をとりあえず50個つくらせてくださいと。その座布団50個を一回渋谷にあるインテリアショップで売らせてくださいと。僕らとしても日本の中で渋谷にものを置くということは、インテリアのものとしてはある程度認めていただけないと売れないと思いますので、そこで売れたらやらせてくださいと。売れんかったらあきらめますと。もし売れずに余ったら、僕とデザイナーで半分ずつ折半して買い取りますんで、会社には迷惑かけませんのでやらせてくださいということで承諾を得まして、やったところで、本当に幸い売れました。そこから、スタートしていいという許可を取って、その後もいろいろと言われることはありましたけれども、なんとか実績で話すしかないなということで今に至ってきました。

 幸い、やっていく中でいろんな方に出会うことができまして、たとえば木を塗るにしても、木を塗装するにしても、いろんな技術を教えていただくことができました。デザイナーの持っている技術もそうですし、そういった方々の協力も得て、今カバンというものがすごく当時に較べて品質も上がってきました。

 特にこの1年間、テレビ、雑誌等に取り上げていただく機会も増えてきたんですが、近いところですと、先週の火曜日に『ガイアの夜明け』という番組にも取り上げていただきまして、僕自身もドイツで販売活動をしている状況もカメラでまわされてですね、放送していただいたんですけれども、その反響も非常に大きく、ネットの通販への注文もそうですし、それから、今日現在、明日までですね、新宿の小田急という百貨店で催事をやってるんですけども、そちらでの販売も非常に好調になっていて、本当にメディアの力を強く感じています。そういう中で、少しずつですけれども、この3年間で売上は伸びてきています。

 ちなみに去年一年間で大体1000個ぐらいこのバッグが売れたんですけれども、今年、まだ3月終わってないですけど、一応この注文を受けた分も入れると、2600か700ぐらいは出るかなという感じになってますので、金額的にもこのmonaccaシリーズだけで5000万から6000万ぐらいはいきそうなので、まあなんとかやっとエコアス馬路村の中の商品の一つとして村の人も、もちろんいろんな周りの人もですね、認識していただいてきたかなというのがこのちょうど今のタイミングです。

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