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人と自然を考える会
所在地
滋賀県東近江市八日市金屋2丁目6番25号
東近江市立八日市図書館内

TEL:0748-24-1515
FAX:0748-24-1323
 
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地域にある森林資源を生活に取り入れる

「森とつながる暮らし方を提案します」

(2007年3月11日(日) 東近江市永源寺図書館)
パネルディスカッション

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近くにあっても山に行かなくなった

中野:さあ、どれが何って言われるとね、ヒノキだけは香りで分かるかもしれないけどっていう。これもふつうに切手貼ったら出せるようになっているんですけれども、ちょっとペンで書いてみたらとても素敵なお手紙になったりとかするかなあと思うんですけれども。こういったものも今日表にありますので、また後ほど手に取ってその触感とか質感とか肌触りを感じてほしいなあと思います。

 ああやって1つ1つ違うように、先ほど私が木の音楽祭をしたって言ってましたが、私のマイクラベス、クラベスっていうんですね、日本では拍子木ですけれど、アフリカの方の楽器でクラベスっていうそうで。そのクラベスをつくった時に、私は桜の木の音が一番感じとして気に入って。やっぱり木の音も同じようでもカンカンとすると全然違いますよね。優しい音になったり、すごくハードな音になったり。これはもう聞くからに硬いなあっていう音になったりとか、それをみんなでただたたくだけで、子どもたちって楽しいんですね。

 だから「はあー」って思いながら、よかったなあと思ってたんですけれども、またそんな木の種類っていうのも森に行ったらそれぞれ知ることができるかなあと思うんですが、今日は森を感じていただきたいという場ですけれども、みなさん、永源寺、東近江以外の方ってどのぐらいいらっしゃいます?

 ああ、結構いらっしゃいますね。はあ、よかった。山に近いよりかは湖に近いという方?

 あれ? 湖に近い? ああ、中間っていう方もいらっしゃるかもしれませんね。今まで山に行ったことがないっていう方?

 ああ、すごいですね。そうしたらもうご経験から感じることはたくさん、私たちの話に共感をしてくださっている方のほうが多いかなと思います。これが街から来て山に行ったことがないってなると、また全然同じ話をしていても、多分感じる度合いっていうのが変わってくるかなと思うんですが。

 それでは、山に行ったことがあるというみなさんが多い中で、今日このパンフレットも外で配ってあるんですけれども、これは、去年森林のイベントがあった時に、みんなでミーティングをした時のものとかがまとめられた冊子になっているんですね。この中でいろんな問題がありまして、「距離が近くても、山と離れた感じが山の存在である」とか、「近くの山に行かなくなってから長い間経つ」とかそんな感じで、裏山は見えていても、山の存在は遠い。そんなふうに感じておられる方が多いんですね。もっと山は身近だと思ってもらわないと山への思いを馳せることができないなあと思うので、その辺りを本当に山の中でお仕事をしていらっしゃる馬路村さん、先ほど街の方に行ったら間伐材のことを「重い」と言われたとおっしゃってましたけれども、山を近くに感じるにはどんな、こう方法といいますか?

山田:そうですね。僕たちの馬路村の場合、本当に言葉で説明しづらいんですけれども、まず山がありますよね、その次ここら辺のような平地がないんですよ。一応道はあります。車が通れないとダメなので、ちょっとゆずの畑があります。家がちょこっとあります。もう川です。面積でいくと96%がうちは山になっていますので、平地に関してはほとんどないです。なので、家の中というよりは、最近馬路の家もここ最近はもうちょっと木を使おうというのが、村営住宅とかそういう家にしても増えているんですけれど、それまで一時の家というのは、本当に街の家と変わらない家がたくさん建ったりして、正直僕来たときはもったいないなという気持ちもありました。最近ですね、村営住宅にしても木が増えてきた。

 ただ、あんまり馬路の人が馬路の木を使ってないというのが正直なところで、それはすごく残念ですけど、さっきのカタログみたいにいろんなものがあるので、それプラス最近は僕らのつくっているような一風変わったものもそれに加えてもらっているというところで、少しずつ馬路の家も木を感じることができるようになっているのかなとは思いますけど。

中野:家としてはそうなんですけども、暮らしとして、お年寄りから子どもたち、96%の面積が山の町内はやっぱり山に親しんで、みんなが山で遊んだりとか、山へ入っていく機会って多いですか?

山田:僕は今29歳なんですね。僕は馬路じゃないですけども、結構山で遊びました。高知県っていうのは山が多いので、遊んでます。ただ残念なことに、最近の馬路村の子どももふつうに携帯電話でメールしているというのがあったりして、山へ入る子がすごい減ってます。で、僕らの「かなば」という商品があるんですけど、あれは学校でよく使っていただいているので、山へ入らない代わりに、まあ山へ連れて行くこともやりますけれども、まずきっかけづくりとして、教室で山の雰囲気が味わえる、そういう授業をやったりとかそういうことはやってますね。

中野:じゃあやっぱり、山に住んでる子どもたちも山に行かず、感じるものは身近にあるけれども、行くとなるとっていう感じなんでしょうねえ。永源寺町内はそこまで森林の占める割合っていうのはないかもしれないんですけれども、川嶋さんから見てどうですか、最近の人は、永源寺の山の手入れというか、そこまでいかなくても山に入る機会って。

川嶋:この永源寺町内はそうはっきり分からんですけども、蓑川は大体80%ぐらい植林されてます。人工林でね。植林率のものすごく高い時がありましてね、58年に育林組合が発足された当時は字の人が25か30所帯ぐらいありましたもんでな。その方たちがほとんど森林組合のお手伝いをさせてもらおうということで、育林組合を立ち上げて、測量から申請させてもらうところまで育林組合がさせてもらってました時期がありましたもんで、ものすごう植林率が上がってね、村中がもうあれーっと競争みたいな植林をやって、それが今の時代になると、まあこんな時代になるとは我々も予想しなかったもんで、蓑川自体は植林されてます。

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